移民受け入れの詳細は内閣と官僚が勝手に決定して良いことになった。
いよいよ師走ということで、お仕事も忙しくなってきた方も多いのではないでしょうか?
忘年会シーズンにも突入しますし、金曜日は毎週飲み会!なんていう方も多いのでは。
平日は仕事でバタバタ、金曜日は飲み会でバタバタ。そんな忙しい日々を送っているサラリーマンの多くにとっては、土日の朝くらいはゆっくり眠りたいものですが、そんな甘えが許されないとんでもない法律が可決されてしまいましたね。
そう! 外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が可決されてしまったのです! (相変わらず全然違う話題からの急カーブですみませんww
これを所管する法務大臣である山下貴司法相は
「国民の期待に応えるしっかりした制度を政省令で示したい」
とたわけた事を言っているようですが・・・・
そもそも国民の期待に応えるなら移民受入に反対しろ!!!
と私も怒り心頭です。
ただ、今回の法改正は自民党の強行採決にばかり注目されていますが、実はこの改正法で恐らく最大の問題は、この山下法相の発言の後半部分「しっかりした制度を政省令で示したい」という部分にあるのです。
政省令というのは文字通り「政令」と「省令」をまとめた物ですが、政令は内閣が、そして省令は各省の大臣が自らの権限に応じて、独自に決めることができる規則・命令のことです。つまりこの山下法相の発言は「制度設計は国会ではなく法務省で勝手にやります」と言っていることと同じなのです。
実際法律上も「主要項目を法律成立後に省令(等)で定める」ということになっています。
つまり、ですよ。
「どういう移民をどれくらい増やすかは、国会とは無関係に内閣と関係省庁で勝手に決めます。国民には事後報告なんでヨロシクww ( `・∀・´)ノ」
と言っているのです。
もうこれは、あれですね。
「安倍王国が成立した」と言っても過言ではないでしょう。
フランスと同じく日本でも民主主義は完全否定されつつある
ちょっと話が逸れますが、先日以来何度かこのブログでも取り上げているようにフランス各地で暴動が起きています。
下記の記事でも書いたのですが、この暴動の根幹は「国民が自分たちのことは自分たちで決める」という民主主義の根本でもある自己決定権をEU議会に奪われたことに対する国民の怒りと反動です。
一応、フランスではこの暴動を沈静化させるために、事の発端となった燃料税の増税を「延期」しました(凍結はしてない)。そのことについて「暴動によって政治を変えるということは民主主義の否定だ」みたいな発言が見られました。しかし、これは間違っています。
フランスもそうですし、今回の日本での移民法改正もそうなのですが、政府自身がまともな議論を行わずに自分たちが正しいと考える・・・・いや、よりはっきり言えば政府とその周りにいる関係者たちにとって利益になる法律を「数の論理」に物を言わせて押し通すという時点で、既に民主主義を否定しているのです。
ましてや、「制度は政省令によって定める」などというのは、議会という話し合いの場を全くすっ飛ばして自分たちが都合が良いようにルール作りをするという意味で、ここ100年以上も掛けて少しずつ進めて来た時計の針を逆方向に回す愚かな行為だと言わざるを得ません。
日本人には冷たく、外国人には手厚い制度設計
そんな自国民をないがしろにする法律を可決する一方、驚くべき別の法律を通そうとしているようです。
実は、日本で働く外国人が年金受取りの資格が貰える「10年」を待たずに帰国し、その間の保険料が「払い損」になることを防ぐために「一時金」を支払っているそうなのですが、それを増額するために必要な法律。その可決を急いでいると・・・・。
いや、そもそもそんな一時金を払うことがおかしいだろう・・・。
そんなお金を払う余裕があるのなら、日本人の受給開始年齢を引き上げを止めることを先に検討しなければならないはず。
なぜ日本人より外国人を優先しなければならないのか。
移民受入は単純な経済的コストだけでは測れない
ちなみにですが、移民受け入れに伴うコストは経済だけでなく安全保障にも大きな影響を及ぼします。現在最も日本に多い外国人はいわずとしれた中国人です。
彼らは2010年に成立した「国防動員法」という法律によって、有事の際には世界中のどこにいても中国政府の指揮に従って活動することが義務づけられています。
つまり、日本にいる中国人100万人近くが、「いざ」という時には突然テロリストや中国の工作員に変貌するのです。これはもう法律で決まっています。彼らにも中国に家族がいるのでどうしようもありません。逆らえないのです。
これは「日本の社会の安全」にとって本当に良いことなのでしょうか?
ヨーロッパの政治的、社会的混乱を見てもお分かりの通り、移民受入拡大は決して「人手不足だから外国人を受け入れよう」などという安直な経済対策として行ってはならないのです。
「人」は単なる生産のための素材ではありません。どこに住むどのような人種の人たちにも、その人固有の価値観、文化、そして人生があるのです。そこに思いを馳せれば、安易な移民受入が受け入れる側にとっても、受け入れられる側にとっても不安定な社会を生み出すことは容易に想像がつくはずです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆
パリ暴動の原因は「民主主義」を奪われたことへの怒りである。
既にご存知の方も多いかと思いますが、フランスは現在「黄色いベスト運動」というデモ運動・・・というか、もはや"暴動"ですが、これによって国内がえらい騒ぎになっています。
端緒となったのは燃料税の増税ですが、フランス政府は暴動が起きている事態を鎮静化させるため、増税を延期すると発表しました。
日本の報道ではこの暴動について
地球温暖化対策を重要課題に掲げるマクロン大統領にとって増税延期は後退を意味します
フランス全土で断続的に続く燃料税増税への抗議デモは、反マクロン政権デモの様相を呈し、デモ隊の一部が暴徒化してパリ中心部で破壊行為が相次いでいました。
という報じられ方をしていますが、やっぱりちょっとズレてるなぁ・・・という気がします。
まず、今回の燃料税増税を「地球温暖化対策のため」などと言っていますが、これがそもそも間違っています。間違っているというか「わざと論点をずらしてある」というか。
実は、これは日本政府が行おうとしている「社会保障費増加のために消費増税を行う」というのと全く同じ論理なのです。地球温暖化対策とか社会保障費のためとかいった「誰も逆らえない公明正大な目的」を持ち出して反論できないようにしていますが、結局は全ての国民から広く税金を徴収するための方便でしかありません。
なぜなら、その一方で法人税の減税や富裕層の資産への課税は減らしているからです。フランスも日本も。
本当に地球温暖化対策などが目的であれば、個人よりも遥かに社会から利益を得ている企業にこそその負担を求めるべきです。巨額の増税が必要とまでは言いませんが、少なくとも国民の負担を増やす一方で企業の負担を減らす理由にはなりません。
そしてもう一つ私が気になるのは
フランス全土で断続的に続く燃料税増税への抗議デモは、反マクロン政権デモの様相を呈し、デモ隊の一部が暴徒化してパリ中心部で破壊行為が相次いでいました。
という報道についてです。
そもそもこの「黄色いベスト運動」とは、右派や左派など特定の党派や集団によるものではなく、さまざまな立場の参加者が生活への不満と反マクロンで一致し、そしてSNSを通じて集まったデモ運動なのです。確かに、この前日本のハロウィーンの時に渋谷で軽トラックをひっくり返して破壊行動をした不届き者が逮捕されましたが、それと同じようにデモに乗じた破壊活動を楽しんでいる人間もいるでしょう。そういう意味で意義過ぎた暴動の面もあるかもしれませんが、少なくともこのイエローベスト運動そのものは「反マクロン政権デモの様相を呈してきた」のではなく、初めから「反マクロン運動」であり、そのマクロン大統領の政権運営方針である「グローバリズム」に対する反抗なのです。
そして、これは正にフランス人であるエマニュエル・トッドという人類学者が述べている「グローバル化疲れ」の表れなのです。
グローバル化疲れとそれが生み出すもの
そもそもグローバリズムというのは、人と資本の国際的な移動の自由化です。それが節度を持った形で行われる国際化という意味であればそれほど問題はないのですが、あまり行き過ぎると社会に不安定化をもたらします。
仮に地球にいる全員が全く同じ社会的、経済的、そして地理的条件で「よーい、ドン!」で競争を始めるのなら、純粋にその人の能力が事の成否を分けます。ですが、現実にはそんなことはあり得ません。
どんな人間でも生まれた瞬間から様々な条件を背負っているわけで、仮に「経済的な成功」だけを目的としたとしても、「東京に住んでいるか、地方に住んでいるか」とか「両親の経済力」などの条件によってスタートの次元が既に異なるわけです。
そうなるとどうしても元々お金を持っている人が有利にゲームを進められることになってしまうのです。これはもうどうしようもないのです。
そのような条件で「自由に競争しましょう!」と言ったところで、それは「平等な競争」ではなく「持つ者は勝ち続けますます持つようになり、持たない者は負け続けますます持てなくなる」ことになってしまいます。そのような「結果不平等」を税金の再分配や社会保障などによって、少しでも是正するのが政府の役割なのです。
しかし、政府がグローバリズムを支持するということは「自由競争」という美辞麗句で装いながらも、実はそのような本来の政府の役割を放棄しているに過ぎないのです。
エマニュエル・トッドは、前回の大統領選の時にまだトランプ氏が候補者の1人でしかなかった時期に、この大統領の誕生を早くから予測していた人物の1人です。冷戦時代の1980年代に早くもソ連の崩壊を予測するなど、「予言者」と呼ばれる世界でも名のしれた人類学者です。
彼はグローバル化についても、経済的格差の拡大、民主主義の機能不全などが生じて中間層以下の人々の生活は悪化すると早くから指摘していました。スタート地点の違いによる水準格差が「自由競争」によってますます拡大するからです。その結果、グローバル化による生活水準の低下に伴って生じる「グローバル化疲れ」が庶民の間に蔓延する、と言っています。そして、彼らの反発により、グローバル化は終焉し「国民国家への回帰」迎える・・・それが彼の予測です。
ポスト・グローバルの時代に私達はどうするべきか
エマニュエル・トッドの予測は正しいと思います。2016年の英国のEU離脱の決定、米国のトランプ大統領の選出、イタリアの「ポピュリズム」政党の政権奪取、そして今回のフランスの「黄色いベスト」運動の拡大。これらは今までのような「右派」「左派」というような単純な対立軸ではなく、庶民層による反グローバリズムの動きであることは明らかです。
彼の言うように、欧米諸国は徐々に「ポスト・グローバル化」の時代を迎えつつあると見て間違いありません。
このような世界の潮流から一周遅れで日本政府はグローバル化と自由競争を推し進めようとしています。そしてまた、日本のメディアの多くもまた、そのような「グローバル化による自由な開かれた社会こそが人類の進むべき道」という観点でしか世界のすう勢報じることができていません。
日本ではどうしても「国家」というものに対する忌避感が強烈に存在します。それは第二次世界大戦のこっぴどい敗北が身にしみているから、という意味合いが強いと思います。しかし、だからといって「グローバル化に反対するなら、もう一度鎖国するのかアメリカのような孤立主義を採るのか?」というような単純な対立概念で考えることは危険だと思います。
別に「グローバル化」の反対語=「鎖国」「孤立主義」ではありません。「グローバル化」の反対概念は「国民主権の回復」です。この点を間違ってはいけません。
グローバル化によって失われたもの、そして今回のフランスのイエローベスト運動に参加する人たちが取り戻そうとしているのは、国民が自分たちで自分たちの物事を決め、政治的行く末を自分たち自身の手で創り出していく権利です。そういう意味においての「国民国家への回帰」です。そしてこれは「民主主義」そのものです。
今フランスで起きているのは、自分たちの手から「EU」という超国家組織によって奪われた「自分たちのことを自分たちで決める権利」を取り戻そうという運動であるのです。その視点なくしてはこの問題の根幹と行く末を正しく見極めることはできないのではないでしょうか。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
水道民営化法案の真の目的。内閣で暗躍するフランスの多国籍企業。
私が日本に生まれて良かったな〜と思うことの一つ。
それは「水が美味い!」ということです。
日本では「水と空気はタダ」みたいなことを言われますが、海外に出かけてから日本に帰ってくると「蛇口をひねったら水が出る。そして飲める。」ということは、とんでもない幸せです。北欧とかの水源に近いところなら分かりませんが、変な話中国とかだと水をコップに溜めると平気で濁ってたりしますからね・・・。絶対飲めませんよ。
みなさん、本当に日本に生まれて良かったですね!(笑)
そんな“水大国(?)”である日本ですが、そのような贅沢を享受できる日に陰りが指すような法案が昨日5日に可決されてしまいました。それが「水道法改正案」。
内閣法制局によると水道法を改正する理由は次のようなものだそうです。
一応法制局のHPからコピペしておきますが、ぶっちゃけ読まなくて良いですよ(笑)。
だって、
「人口が少なくなって水を必要な人が減るし、水道も老朽化してるんだよね。ま、とりあえず民間に任せれば何とかなるっぽいんで提出しますわwww知らんけどww」
というだけですから。
人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化等に対応し、水道の基盤の強化を図るため、都道府県による水道基盤強化計画の策定、水道事業者等による水道施設台帳の作成、地方公共団体である水道事業者等が水道施設運営等事業に係る公共施設等運営権を設定する場合の許可制の導入、指定給水装置工事事業者の指定に係る更新制の導入等の措置を講ずる必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
「これが法律案を提出する理由である」!! ( -`ω-)どや!
・・・・って言われてもねぇ・・・。そもそも「人口が減るから水の需要が減少する」ってそんな簡単な話じゃないでしょ。「北斗の拳」並の核戦争でも起きて、1億2千万の人口が1ヶ月で100万人にまで減少するとかなら分からんこともないけど(笑)。
じゃあ、何が目的なのか?
それについて社民党の福島瑞穂氏が指摘していることが非常に興味深いので、シェアしておきたいと思います。
内閣直属機関に民間企業が潜り込むという呆れた事態
ぶっちゃけ私はこの福島瑞穂氏のことを全く評価していませんし、それどころか「こんな人でも国会議員になれるなんて、日本ってなんて幸せな国なんだろう」くらいに思ってました。その福島瑞穂氏が初めてまともな仕事をしたような気がします(←何様ww)
恐ろしいことになんと「水道などの公共部門で民営化を推進している内閣府民間資金等活用事業推進室で、水道サービス大手仏ヴェオリア社日本法人からの出向職員が勤務」しており、福島氏は「この法案で最も利益を得る可能性がある水メジャーの担当者が内閣府の担当部署にいる。利害関係者がいて公平性がない」と珍しくまともなことを言っています。
内閣直属の機関にどこぞの企業に勤務する人間が潜り込み、自社に有利な法案を成立させる・・・もはやこれはトムクルーズ主演「ミッション・インポッシブル」の世界です。スパイ大作戦ですよ!!
そもそも内閣法制局が「この法案の目的」として挙げている
・人口減少による水道事業への需要減(が予想される)
・水道老朽化の整備
が必要であれば、それはむしろ国家がやるべきなのです。
考えてもみてください。
「老朽化の整備が必要」であれば、整備のために莫大な費用が必要になります。もちろんお金だけではありません。工事中の国民の生活への影響を最小化させるための根回しやら、他の事業(たとえば道路を掘り起こすのであれば建設業界)との調整も必要となり、相当な労力が必要になります。
その上「人口減少による需要減」が予想される状況であれば、その費用と労力に見合うだけの利益が取れるとは思えません。どう考えても赤字でしょう。"普通に考えれば"ね。
水道民営化の真の目的とは
では、"普通に考えなければ"、どうなるか?
簡単です。
- 水道料金値上げによる売上げアップ
- 老朽化に対する整備を必要最小限に留めることによるコストカット
- 水道供給範囲を制限することによるコストカット
です。
何も難しい話ではありません。「売上げアップ & コストカット」。民間企業において普通に行われていることです。
「それじゃ、私達国民が安全な水を飲めなくなるし、値上げにもなってメリットがないじゃないか!」と思われますか?
そうですね。そう思われるかもしれませんね。その質問への答えはこれです。
「はい。その通りです。だって安全性が低下しても、値段上がっても、みんな水が飲めないと困るでしょ?
だから水道事業を勝ち取った民間企業がボロ儲けできるんじゃないですかwww」
しかも今回の場合、水道事業を担うのはフランスの水道サービス"ヴェオリア社"ですから、「日本人の安全がどうなろうが知ったこっちゃないッスwww」でしょうね。
今回の水道事業改正のような"公共サービスの民営化"自体は、小泉政権以来いくつも行われて来ました。しかし、今回の水道事業改正には一つ猛毒が仕込まれているのが特徴です。
その猛毒の名はコンセッション方式。
「利益は企業に、負担は国民に」という民営化方式
コンセッション方式というのは道路や鉄道、水道など国家や地方自治体が運営するインフラ事業を「所有権は公的機関が保持しつつ、運営権のみ民間企業に譲渡する」運営方式のことです。
字面だけ見ると「いわゆる民営化と何が違うの?」という感じだと思いますが、これが大違い。運営権を民間企業が持つということは、当然そこから得る利益はその民間企業の物になります。一方、所有権が公的機関(国や地方自治体)が持つということは、「何か問題が起こった時は、その公的機関が責任を取る」ということです。つまり民間企業は利益だけ貰って責任は取らない、ということです。
これは誇張でもなんでもなく事実です。
実際、最近コンセッション方式の良くない点が際立つ出来事がありました。
そう、台風20号が直撃し陸の孤島となったことも記憶に新しい、関西国際空港です。
関西国際空港を運営している関空エアポートという民間企業は運営権は保持しているものの、土地や建物は関空エアポートが保有している訳ではありません。
産経新聞のニュースによると、関空エアポートの代表は
「海上空港として高潮、津波が大きなリスクと認識していたが、(関西エアは)空港をいちから設計するのではなく、民間の力で活性化するのが本分」
と述べたそうです。
つまり
「関空に高潮、津波という大きなリスクがあることは分かっていたが、それを解決するのは自分たちの責任ではないから放っておいた。自分たちはただそれを活用するだけです。だって、それが民間活力の活用でしょ?」
という訳です。
ちなみに・・・ですが、今回の法案の裏で暗躍したと言われる水道サービス大手"フランスヴェオリア社"の地元フランスのパリでは、このような民営化によって1985年から2009年の間に水道料金が約3倍上昇。そのため、パリでは2010年に再び公営化されています。
この水道事業に限りませんが、構造改革や規制緩和を訴える人たちは、あらゆるモノやサービスを市場競争に委ねる市場競争化を原則とさせようとします。
しかし、一般企業が商品として生産するようないわゆる「モノやサービス」と違って、水、土地、鉄道のような「モノやサービス」を生み出す下地となる「生産要素」までも市場競争に委ねることは本当に正しいのでしょうか?
こういった生産要素とは単なる財産や資産ではなく、国や国民が長期的にかつ安定的に生産を継続するための基礎的な条件になるものです。
それが市場競争に委ねられれば、本来の目的である長期的で安定的な供給ができなくなりかねません(市場競争になると「儲からないものには投資しない」ということになりますから)。
バブル崩壊とデフレ不況に陥って以来、日本では「公的機関が営む公共サービスは碌でもない。お役所仕事で甘い汁ばかり吸っている。民間企業ではそんなこと許されない!」という主張がまかり通っていますが、本当にそうでしょうか?
今回の水道事業民営化の内容を知ってもなお「民営化は素晴らしい!! 民営化すれば競争原理が働いて、素晴らしい品質のサービスが安く提供されるのだ!!」と思うのでしょうか?
私にはとてもそうは思えません。
民間企業にも悪いところがあるように、公的機関にも悪いところがある。構造的に、です。人間がやるのですから仕方がないですし、そもそも目的が違うのですから同じ評価軸並べて議論すること自体を考え直す必要があるのではないかと私は思うのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
河村名古屋市長「IR誘致」がさらす無知。カジノ法案の闇。
皆さん、愛知県という県をご存知でしょうか? 「名古屋県」じゃないですよ! あるいは「トヨタ県」でもないです(笑)。
愛知県と言えば
- 年間交通死亡事故数: 全国一位 (15年連続首位!)
- 空き巣発生数: 全国一位
- 自動車盗難数: 全国4位
そして名古屋市と言えば、全国主要8都市の中でも"最も魅力のない"街として、全国に名を馳せております。
東海地方に住む私としては非常に恥ずかしいというか、情けないというか、悔しい思いをすることが多いのですが、今回もまた恥ずかしい事件(??)で全国に名を轟かせたようです。
それがこちら。
東海三県から遠い方はご存知ないと思いますが、愛知県の隣に三重県があります(伊勢神宮で有名ですね!)。その三重県に「ナガシマリゾート」という日本最大のアウトレットを擁する一大テーマパークがあるのですが、何とそこに「カジノ施設を作ったら良いんじゃないか」と"名古屋市の市長である"河村たかし氏が提案したようです。
なぜ何も関係ない名古屋の市長が三重県にカジノ誘致を提言するのか・・・何の権限があるのか知りませんが、当然ながら東海地方でもちょっとした騒ぎになっております。悪い意味ですよ、もちろん。
記事によりますと
「市外だからという狭い了見ではなく、地域が盛り上がってくれれば。ナガシマにIRを足すと、東京ディズニーランドぐらいのものができる」と述べた。名古屋市としてどう協力するかを問われると、「みんなで行こみゃあということ」
と述べたとのこと。
ナガシマリゾートは年間1,500万人以上の来場者を誇りますが、それにカジノが加わることでディズニーリゾートの年間来場者数3,000万人に迫る人たちを東海地方に呼び寄せることができる、ということが言いたいようです。
ズバリ言わせて頂きますが
「ディズニーリゾートに訪れる客 3,000万人」
と
「ナガシマリゾート(テーマパーク) を訪れる1,500万人 + カジノに訪れる客1,500万人」
を同じ「経済効果」という土台で比べること自体がそもそもどうかしています。
「カジノに訪れる客は風紀を乱すなどというのは偏見だ」とでも言う人がいるのでしょうか?
私が地元住人でしたら近くにカジノができるなんて聞いたら、速攻引っ越しますよ。
そもそも海外のカジノは外国人客狙い
河村市長はカジノ誘致についてマカオやシンガポールのように「海外でもいっぱいやっとるんだから、名古屋でもやれば良い」というような発言をし、その上でディズニーリゾート並の経済効果が期待できると安易な足し算で計算しています。
しかし、例えばマカオで最盛期に5兆円近くの収入を記録していますが、中国の富裕層を客層としていたため、昨今の中国側の取締により収入は10分の1以下にまで落ち込んでいます。訪日外国人を狙ったとしてもその経済効果は推進派が主張しているような数字が実現できない可能性が高いのです。
しかも、そもそもの話ですがアメリカ大手投資銀行のシティグループがシミュレートしたところによると、カジノ収入の8割は日本人客ということになっています(大阪府が英出した試算でも8割は国内客)。
河村市長が言っている「カジノで1,500万人」というのが、外国人と日本人をどの程度の割合で発言しているのか分かりませんが(どうせ何も考えていないのでしょう)、1,500万人の内の8割・・・つまり1,200万人の財布から"賭博"によってお金を巻き上げようとしている訳です。
IRではカジノ業者が客にいくらでも貸付られるようになっている??
「お金を巻き上げる」という表現が悪意があるのではないかと思う人がいらっしゃるかもしれませんが、私はこの表現がふさわしいと思っています。なぜなら
IR実施法の中に「特定金融業務」という条文が加えられているから
です。
これは外国人だけでなく日本人でも、一定の金額を指定口座に入金すれば、2か月間は無利子でカジノの資金を貸し付けできるという条文。最初の2ヶ月は無利子で、借りられる・・・ギャンブル好きの方にはこれ以上ない条件ですね。
それだけならまだ良いのですが・・・世の中そんなに美味い話はありません。
なんと2か月以内に返済できなければ、延滞金がついて、14.6%の遅延損害金をつけて請求することができます。その上、基本的に「貸金業法」というお金を貸し付ける業務においては「年収の3分の1以上の金額を貸し付けてはいけない」という法律があるのですが、なんとこのカジノでの貸付においてはこの制限が適用されないことになっているのです。つまり「カジノ業者はお客にいくら貸し付けてもOK!!!」ということです。消費者金融もびっくりの恐ろしさですね。
ちなみに、その貸付金の取り立ては外部の業者に頼んでもOK! ということになっています。
お金の取り立てをする外部業者・・・・言うまでもありませんね・・・。そういった事を生業にする、「その道のプロ」の方々です。
これを「お金を巻き上げる」と言わず何と言えば良いのでしょうか?
さて皆さん。
ここまでお読み頂いた後に、河村市長の言葉を下記の聞いてどう思われるでしょうか?
「ナガシマにIRを足すとディズニーリゾートぐらいのものができる。みんなで行こみゃあ!」
(名古屋弁で「みんなで協力してやろう!」)
私にはこの一言しか思い付きません。
この“どアホウ”が!!!!!
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
「パリ暴動の原因は燃料の高騰」はフランス人を馬鹿にしている
先日の投稿でも取り上げましたが、フランス全土で「黄色いベスト運動」と呼ばれるデモが広がっています。パリの高級ブランド点や富裕層の邸宅いが集まる地域で暴動が発生。パリで4,000人以上が高速。133人が負傷。治安部隊が出動し、催涙ガスが閃光弾、放水などによって事態の収拾を図ったようです。
また、一部報道ではすでに死者も出ているようです。
私もパリの凱旋門は一度だけ訪れたことがあるのですが、あの美しい街並みがこのような「戦場」になるとはとても信じられません。よろしければ下記のYoutube動画をご覧ください。その文字だかでは伝わらない凄まじさがお分かり頂けるかと思います。
日本でこのデモ騒動について取り上げられる時に気になるのは、(引用記事でもそうなのですが)「燃料税引き上げに抗議するデモが前日にパリで急拡大し、一部が暴徒化した」という報じ方をすることです。
これが100%間違いだというつもりはありません。
ですが「燃料税の引き上げに抗議するためのデモ」だという報じ方は、この出来事を確実に矮小化した捉え方であり、問題の本質が全く分かっていません(あるいは、分かっていて、それが広まると不味いから矮小化しているかのどちらかです)。
では、問題の本質とは何でしょうか?
それは他でもない「グローバリズムに基づく改革が生み出した社会の分断」。
そして、何よりもその分断の中で打ち捨てられて追い込まれた国民の怒りです。
マクロン氏は、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ政権の誕生に代表される「右派の台頭」によって、警戒感を強める左派との摩擦や衝突が深まる中で「右派でも左派でもない」と主張して大統領に選ばれました。
確かにマクロン氏が言うように、彼の政策は右派でも左派でもありません。「グローバリズム派」あるいは「富裕層派」なのです。
具体的にはマクロン氏は大統領に就任以来、富裕層や企業への減税を行う一方、
- 集団解雇の手続き簡素化
- 雇用維持の規制の緩和
- 解雇不服申し立ての期間短縮 (解雇された労働者が企業を訴えにくくする)
- 年金受給年齢引き上げ
- 社会保障増税
- たばこ増税
- 住宅手当の削減
といった労働者、そして一般国民に厳しい政策を次々に実行してきました。
その”業績”を評価する形で、今年7月に行われた調査では、企業経営者の54パーセントがマクロン大統領の活動に「満足している」と回答し、65パーセントが「改革が進んでいる」と回答しているそうです。
しかし、その一方で失業率は9%台後半と高い比率を維持。しかも、25歳未満の若年層の失業率は22%を超えるほど高い失業率となっています。
それを反映してか、世論調査によるとマクロン政権の政策に対する「よい」という回答は29パーセント、「マクロン氏を信頼できる」という回答は32パーセントにまで下落。しかも、約70パーセントが今回のイエローベスト運動を支持しているそうです。
企業に優しく、労働者に厳しいマクロン氏の政権運営が国民の分断を引き起こしたこと。そして、今回の暴動を起こさせる下地となったのは間違いありません。「燃料税引き上げ」は単なる引き金に過ぎません。
「燃料税に反対した暴動」などという報道は今回の騒動を矮小化するだけでなく、その真因である「富裕層優遇政策が国民の分断を引き起こした」という点から、私達の目をそらすことになりかねません。
アジアの東側にあるどこかの国も同じような「富裕層優遇策」を全力で推進しているようですが、その国の未来の姿がこのパリ暴動にあるかもしれないのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
選択肢が多い=消費者の幸福って本当? 消費者にとって本当に必要なのは選択肢の中身ではないか。
このブログで何回か書いていますが、私はドラムを演奏しています。もちろん趣味でね!
ドラムというのは基本的にアメリカから入ってきた楽器ですが、「楽器メーカー」という意味では案外日本のメーカーが強くて、世界の三大メーカーと言えばその内の2つが日本のメーカーです。
以前はYAMAHAが入っていたのですが、もうここ10年くらいは大分没落しましたね・・・。
そのYAMAHAが押し出された(笑)原因の一つは海外メーカーDWの伸長です。
楽器に限らず家電とかパソコンでもそうですが、海外メーカーが国内に入ってくることで、消費者の選択肢も増えると言われます。それは日本だけでなくアメリカでも同じことです。
昨今のトランプ大統領の政策(海外工場から自国内工場に生産を移すように指導すること)によって、その消費者の選択肢が失われる可能性があるという記事が、ウォール・ストリート・ジャーナルに上がっていました。
この記者はトランプ大統領の政策により
消費者が結果的に、以前より多くの製品から選べるようになるべきだ。さもなければ、敗者となるのは米国の消費者だろう。
と結論づけています。
選択肢が多ければ何でも良いとは限らない。
確かに選択肢が多いということは「選択肢がない」という状況よりは遥かに良いです。
ただ、例えば私がやっているドラムの場合、欧米人の筋力をベースに設計されていたりすると日本人には使いにくい物があったりします。あとはアメリカで作られていたりすると、壊れたパーツの取替に半年かかるとか「その間、どうすりゃ良いの」ということもあります。
洋服なんかでもそうですよね。「この色しかありません」よりはやっぱり色んな色があって選べた方が良いと思います。ただ、その一方でヨーロッパサイズの規格だったりすると丁度良いサイズがなかったり、バランスがちょっと日本人体型に合わないとか、そういう問題も出てきます。
あと車もそうですね。欧州車とかだと故障した時のパーツ交換にすごく時間が掛かったり、お金も掛かったりと、「好きな人じゃないとやれない」ということは多いようです。
そのように海外からの輸入により選択肢が増えるということ自体は良いのですが、やはり日本の消費者向けに作られていないために、不便な部分というのが多々あります。
様々な国暮らす人々は、それぞれ違った文化や考え方、身体の構造など生物の種類としては同じ"ヒト”ではあるものの、やはりそれぞれの特色を持った人間なのです。ですから、その様々な人達に向けた商品というのも、当然その人達の体型や考え方などの特色に合わせた商品へと細分化せざるを得ません。
世界統一規格は幻想。実際には国や地域に合わせた細分化が求められる。
それは商品の特性だけではありません。
例えば環境への配慮だったり、子どもの身体への配慮だったりで、「この素材はヨーロッパには持ち込めるけど、この素材はアメリカには持ち込めない」とか、そういった法律上の問題もあったりします。
グローバルな市場展開と言いながらも、どうしてもそれぞれの国や地域の特色に合わせた政策にならざるを得ないのです。しかし、「それぞれの地域の特色に合わせた上で豊富なラインナップを誇る」などということが本当に可能でしょうか?
私は実際海外に展開する商品の企画にも携わりますが、商品の生産を単純化し、コストを一番下げ、かつ品質も保つという意味では、どの市場に対しても同じ仕様の商品を作ることがベストです。
- 基本同じだけどちょっと違う。
- スペックは同じだけと色のラインナップが違う。
- 商品は同じだけとパッケージが違う。
このようなちょっとした違いが生まれるほど、どんどんとコストは上がり、生産の手間も増えます。そして当然どこかで見切りをつけなければなりませんので、
「本当はこのスペックはヨーロッパ市場では受け入れられないけど仕方ない。一番大きい市場であるアメリカに合わせるしかない。」
という苦渋の選択をせざるを得ない局面が必ず出てきます。
確かに貿易によって国内企業だけでは入手できないような商品が手に入ることは事実です。しかし、それはあくまで国内市場で安定した商品の提供がベースとして存在し、それに「プラスアルファする形で」海外の物が提供されるのであればより好ましい、というだけに過ぎません。
例えば我々の主食であるコメを例にとってみましょう。
日本の食卓で愛されてきたコシヒカリやあきたこまちなどは、「短粒米」と呼ばれるグループのお米です。ふんわりと炊きあがったごはんは白くつややかで、もっちりとした弾力を持ちます。この特性が、日本の食文化を支えてきたと言っても過言ではありません。
ですが、例えばチャーハンとか中華に合うコメは「長粒米」という種類で、細長い形をしていて、粘りが少なくパラパラとした食感が特徴です。確かにチャーハンはこれじゃないと、あの美味しさは出せません。日本独自の短粒米ではベタベタした食感になってしまいます。
実は世界的に見ればこの短粒米の方を主食にしている国の方が多いのです。私達日本人が慣れ親しんでいる短粒米は少数派なのです。
しかし、だからと言って店頭に10袋のお米が並べられる時に、長粒米と短粒米が同じく1袋ずつ5種類が並んだらどうでしょうか? 確かに「短粒米5種類」と「長粒米5種類」の合計10種類のお米が並ぶのですから「お米の種類」自体は増えたかもしれません。
しかし、そのような選択肢の増え方が果たして日本人の消費者にとって好ましいものでしょうか?
いくら選択肢が増えたとは言っても、やはり日本の食卓には短粒米が適しているのですからそれはそれで困るでしょう。「8種類の短粒米+2種類の長粒米」くらいが丁度良いのではないでしょうか。
このように、抽象的な話や一般論として「選択肢は多い方が良いよね」と言われればそうかもしれませんが、具体的に考えていけば必ずしもそうとは言えない状況がいくらでもある訳です。
私達は経済学的な「市場」という抽象的世界に住んでいるのではない。現実の社会に生きているという意識を持つことの大切さ。
経済学ではこのような抽象論として「市場」を捉え、今回のような「自由貿易によって消費者に多くの選択肢を提供することは正しい」という論理を展開します。しかし、実際に私達が生きているのは、そのような抽象的な「市場」ではなく、実際に私達が生活し、買い物を行い、周りの地域の人達とつながりを育む「現実の社会」なのです。
今回引用したウォール・ストリート・ジャーナルの記事に限らず、日本のテレビや新聞などでもそのような、「自由貿易」だとか「保護貿易」だと言った何か特定のイメージを刷り込むための言葉がよく流れます。
そういう抽象的な言葉を抽象的なままで受け取ると、何だか煙に巻かれたようになって、自分の意見を持てないままに特定のイメージに誘導されることがよくあります。
でも、本当はそれは私達自身が暮らす社会のことであり、そんな抽象的な言葉で解釈できるほど私達の社会は簡単ではありません。ちゃんとそれらの言葉の意味を自分の中で落とし込んで考えるくせを付けること。
それこそが現代のような情報氾濫社会の中で生きていくためには、重要な視点なのではないかと思います。
何か今日はちょっとまとまり悪かったかな? すみません〜〜〜!
そんな長文を今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆
自由のためなら「ルールを勝手に変えるのも自由」。それが自由の旗手マクロン大統領。
ここ数日世間を、いや世界を賑わせているカルロス・ゴーン氏の逮捕劇。
ゴーン氏が日産だけでなく、三菱自動車、フランスのルノーという企業連合の会長を務めているということで、フランスと日本の国際問題にも発展しかねない様相になってきています。
そんな中フランスのマクロン大統領が、なんとこの問題に関して安倍首相と直接議論したいと言い出したようです。
記事によると
「権力闘争になればわれわれは大砲を持ち出し、ルノーに対して日産株の出資比率を上げるよう要請する用意がある」
とまで言っている様子です。
「大砲」というのが何なのか分かりませんが(笑)、いずれにせよ日産を支配下に置くために安倍首相と交渉したい、ということです。いや、もう考え方がぶっ飛びすぎていて唖然とするしかありませんが・・・。
マカロン大統領は自由貿易主義のはずだが…
面白しいのは(というと不謹慎ですが)、マクロン大統領は自由貿易、グローバリゼーションこそが世界経済を成長に導くという立場で政権運営を行っています。国際会議の場でもトランプ大統領のアメリカ第一主義に否定的な態度を示し、いわば「自由の旗手」を標榜している訳です。
で、あれば。
今回のゴーン氏の逮捕劇の実際の過程がどうあっても、民間企業の連合体の状況に国家が口出しをすることは、自由貿易という観点からすれば明らかに間違っているのではないでしょうか。なぜなら自由貿易とは「企業が"自由"に商売を行うことが正しい。その規制を排除するべき。」という考え方なのですから、仮に今回の逮捕劇が日産によるルノーへのクーデターだっとしても、それはそれで民間企業の自由なのです。証拠を捏造したとか不法行為を日産が働いているなら別ですが。
色んなところで報道されている通り、フランス政府は民間企業であるルノーの株式がフランス政府が15%も保持しています。その事自体も我々日本人からすれば妙な感じもしますが、まぁそれはそれぞれのお国で考え方があるのでしょう。
ただ、それに絡んで奇妙なのはフランス独特の法律、フロランジュ法です。
民間企業への国家権力を強化するフロランジュ法
これはフランス政府が2014年に制定した法律。2つの柱からなっています。
1つは大企業に対して、工場など生産拠点を閉鎖する場合は事前に売却先を探すよう義務づけたこと。
もう1つは、株式を2年以上持つ株主に、2倍の議決権を与えることです。
ちなみに、株主の3分の2が反対すればこの「2倍ルール」の適用を免れる例外規定もあります。一応。
これについてはフランス政府はいずれも、国内の産業を守る目的があると説明しています。
確かに1番目の工場閉鎖するときには事前に売却先を決めておけ、というのは労働者を守るという立場から理解できます。しかし2番目の王はどうでしょうか? 何かちょっと変な感じがしませんか? なんでこんなルールが必要なのでしょう。
実はフランスには政府が大株主の企業が多く、2倍ルールはそれらの企業の対し政府の影響力を増すことを意図しているのです。
特に仏政府や創業家が大株主の場合は、2倍ルールが適用されている企業が多い様子です。
そして、このフロランジュ法が制定された2014年、当時経済相だったマクロン氏は、この法律をルノーに適用させてフランス政府の影響力がルノーの中で強くなるように動いていました。というのは、先程のフロランジュ法の説明でも書いたように、この法律は"一応"株主の3分の2が反対すれば適用されないことになっていたからです。
いくら国でもそこまでは強要できず、一応企業側にも拒否権があるということですね。
が。
ですが。
それはそれ。これはこれ。
所詮建前は建前ということで、マクロン経済相は株主総会で拒否権を発動されないように、株主総会前にルノーの株を取得比率を増大させ、事実上議会でこのフロランジュ法の適用が拒否されないように仕組んだのです。当然ルノーの株主総会でもフロランジュ法を適用することを可決。
フランス政府は無事それを見届けた後、増大させた分の株を売却し、元通り出資比率15%に戻した、という訳です。
やりますね。マクロン氏。
さすが自由の旗手ですね!
民間企業に言うことを聞かせるために政府の力で株を取得して、株主総会を取り仕切ることも自由という訳です!!
素晴らしい!! (笑)
そんな自由の旗手ですから、自国の会社の命運を掛けた戦いであれば相手国の首相と直談判も辞さないのは当然です。
さて・・・どう思われますか? みなさん。
私はこう思いますよ。
「自由」という言葉を自分勝手に使いすぎだわwww
自由のためと言えば何でも許されると思うなよwww
と。
そして、もう一つ言いたいこと。
それは
「自由貿易だ」「グローバリゼーションだ」「規制緩和」などと言っても、結局それは「そうした方が自分たちに有利だから言っているに過ぎない。自分たちに都合が悪くなったら、一瞬で手のひらを返す。それが国際社会の現実だ。」
ということです。
私達はついつい「自由」という言葉はとにかく何でも良い物だと思いがちですが、それはその言葉のイメージ通りに清廉潔白なものとは限らない。それが現実だということを今一度肝に銘じる必要があるのではないでしょうか。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆
老舗食堂と技術革新のコラボレーション。生産性の向上こそが私達の生活を豊かにする。
5年間、従業員数に変化がないにも関わらず売上を4倍、利益率を10倍に膨らませている中小企業。
しかも、完全週休2日制。就労時間も午前9:00~午後5時45の残業なし。
特別休暇は最大15日で有給消化率も80%と、“超”が付く“ホワイト企業”ぶり。
もちろん平均給与も5年前から20%以上アップ!
そんな企業があったらどう思いますか?
羨ましいですよね〜! むしろ私が就職したい!!(笑)
現在のAIの凄さは画像処理技術
投資による生産性の向上が資本主義の基本
移民受け入れは国民を貧困化する
ラクダにテントを乗っ取られた男と移民拡大を進める日本政府の共通点
さて、今日は珍しく英語の問題から始めましょう!!(笑)。
The camel's nose under the tent.
この言葉の意味がおわかりになりますでしょうか?
Tentはキャンプとかで使う「テント」。Camelはラクダ。Noseは鼻。
という訳で、これは「テントの下のラクダの鼻」という意味になります。「は? なんじゃそりゃ?」という感じですよね。ごめんなさい。これは「英語のことわざ」なのです。
これは中近東の寓話を由来にすることわざです。
ある1人の男が一頭のラクダを連れて旅をしていました。ある夜、疲れたラクダは男にこう頼み込みます。「外は寒いので鼻だけテントに入れても良いですか?」と。
男は「鼻だけなら・・・」と了承するのですが、その日を境にラクダはどんどん大胆になっていき、鼻だけでなく顔も、そして首、胴体・・・と結局ラクダはテントで眠るようになってしまったとさ。
というお話。
移民先進国ドイツに見る「一旦ラクダの鼻を入れたら全部乗っ取られる」方式
いずれにせよ法案が衆議院を通過した以上、成立するのはもう確定事項となってしまいました。ただ、法案は別の法案により打ち消すことは可能です。
そのためにも「人手不足を補うのは投資による生産性向上しかなく、移民という安い労働力で解決しようとしているのは間違えている」ということを私達が理解し、そういう空気を作り上げていくことこそが大事だと思うのです。
一人ひとりにできることは限られています。でも何もしなかったら「そこで試合終了」なのです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆
このまま行けば日本経済はパキスタンのレベルにまで低下する
今日は自分への反省も含めた投稿です。
普段日本という国の中で何気なく生活していると、日本人の平均的な生活が世界でどれくらいのものなのかを意識することはあまりありません。普段の生活圏ですごく格差を感じるならまだしも、周囲の人たちと極端に変わらないレベルの人たちと生きていることがほとんどだと思いますので、「まぁ、こんなもんかな」と感じている人が多いのではないでしょうか。
ところが、ここ20年ばかりの日本と世界の成長を比べると、実は日本の経済水準がとんでもないレベルで落ち込んでいることがわかります。今回はそのような記事をご紹介。
50年後の日本の生活レベルは現在のパキスタンと同等になる
こんなに長文を引用してしまって怒られないか心配もあるのですが、私の力量で下手に端折ってお伝えするより、元の文章を引用させて頂くべきだと思いましたので、敢えて引用させて頂きます。
藤井聡さんという京都大学の工学研究科教授方の記事で、とある雑誌のインタビューの取材を受けた時に考えたことだそうです。その取材のテーマとは「100年後の日本の未来を考えてもらいたい」という内容だったとのこと。その時藤井先生は「100年後よりも前に50年後くらいには日本はもうパキスタン急の貧国になっているだろうなぁ」と考えたそうです。
<以下引用>
日本はこれまでと同様、徐々に衰退し、世界各国が、これまでと同様に成長していくと
考えたとしましょう。
そして、過去20年間の各国の「成長率」が今後も当面維持されると考えれば、日本経済の世界経済に占めるシェアは50年後には、約0.4%にまで激減します。
これは、今のフィリピン、マレーシア以下、かろうじてパキスタン以上の経済力だ、
と言うことになります。「そんな馬鹿な!」と思われるかも知れませんが、これは厳然たる事実。
そもそも、過去20年間で日本経済は80%程度にまで縮小。一方で世界は238%まで拡大。
そのせいで過去20年の間に、日本の経済力のシェアは約18%から6%以下にまで、実に「三分の一」になったわけです。
もしこれからもこの「勢い」が続けば50年後に日本のシェアが 「約6.5%」(=約「三分の一」の2.5乗)にまで激減する、と言う計算になります。
日本の現状のシェアが5.9%ですから、世界シェアは、なんと0.4%にまで激減するのです!
ちなみに、その頃の日本のGDPは、名目値で319兆円。今のおおよそ6割くらいの水準です。
つまり、皆さんの給料が、50年後には今からおおよそ4割くらい安くなります。
それは例えば、500万稼いでいる人は、300万円くらいの稼ぎになっている、
という見込みです。この水準だけ見てると、十分にあり得る「現実的」な話ですよね。
ただ問題は、世界はその頃になるともっともっと成長しているので、シェアは激減している、と言う次第。
で、そのシェアはフィリピン、マレーシアやパキスタン程度だ、と言うわけです。
<ここまで引用です。文中の赤字は私がつけました>
いかがでしょうか。
かなり悲観的な数字だと思われたでしょうか?
でも、昨日のように明らかに日本国民の賃金低下と貧困化をもたらす「移民受け入れ拡大政策」がたった15時間という短い審議で通ってしまうような状況。そして、来年にはこのデフレ状況にも関わらず消費増税を断行しようという政府の姿勢を考えれば、充分に有り得る予測です。
黙っていても、だれも何ともしてくれない。
文中で藤井先生も「そんな馬鹿な!と思われるかもしれませんが」と書いていらっしゃいますが、全くその通りで、今もし「そんな馬鹿な!」と思っているのだとしたら、結局心のどこかで
「まぁ、不況だとか、消費増税だとか、移民受け入れだとか言って騒いでても、その内誰かが何とかしてくれるんだから、そんなに悪いことにはならないだろう。」
と高をくくっているのではないでしょうか。
この藤井先生の記事を読んだ時に、私自身驚いたとともに心のどこかにそのような油断というか甘えというか、楽観的な心情があったことに気付かされました。
・結論有りき国会審議を進める与党。
・「与党がいかに横暴か」という点でしか与党を責め立てられない野党とメディア。
そんな人たちに任せて「何とかなるだろう」と思っている限り、日本経済がパキスタン級に転落するという未来は避けられないのではないでしょうか。
だからと言って、別に特別な行動をする必要はないと思います(できる人はやるべきですが)。ただ、少なくともメディアの情報に惑わされないよう、そして与党のとんでもない説明に「それはおかしいんじゃないか?」とツッコミを入れられるように、普段から少しでも経済や政治の実態について考えようとする態度を持つことこそが、少しずつでもそのような暗い未来から日本を救うための礎になるのではないかと思うのです。
そして、そのような人たちのほんのちょっとでも力になれるように、私は私でこのブログを書き綴っていこうと心を新たにしました。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆
そしてこれからも引き続き宜しくお願い致しますm(_ _)m