世界を救う読書

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みなさん定時に帰れてますか?

よく「上司が帰らないと部下が帰りづらい」なんて言いますが、みなさんは定時に会社から帰っていますか?

ちなみに 私の勤めている会社はちょっと変わっていて、いわゆる日本的企業とは全く逆です。

 

一番偉い取締役がほぼ毎日17時5分には帰ってしまいます (終業時間は17時)

 

うちの会社はどちらかと言うと「あくせく忙しそうにしている人間は事前準備や先を読む洞察力が足りない」、もっと言えば「残業している人間は仕事ができないやつだ」と思われる企業風土なのです。

※取締役の名誉のために言っておくと、きっちり仕事は片付けた上で17時にはパソコンを閉じています(笑)。

会社によって事情は違うでしょうが、多くの会社員の方から見ると私の会社は「羨ましい」と思われるのかもしれませんね。

 

そういう環境もあってか、最近よく報道でも取り上げられる「働き方改革」というのにちょっと違和感を覚えています。その違和感というのは

 

必要なのは「働き方改革」じゃなくて「働かせ方改革」じゃないの?

 

ということです。

 

「働き方」という場合主体は働く人になる訳ですが、実際働く人が自分の裁量で働き方を調整できるケースなんてどれ位あるのでしょうか?

例えばサービス業でお客さんが目の前にいる状況で「あ、私の勤務時間ここまでなんで帰りますね。また明日来てください」とか言える日本人がどれほどいるのでしょう。

 

そこで厚生労働省のHPにある「平成28年版過労死等防止対策白書」を見てみたところ、「なぜ残業が発生するのか?」という質問に対する企業側と労働者側のアンケート結果のグラフが載っていました。

それを見ると・・・

 

<企業側>

1位「顧客(消費者)からの不規則な要望に対応する必要があるため」44.5%

2位「業務量が多いため」43.3%。

3位「仕事の繁閑の差が大きいため」39.6%

4位「人員が不足しているため」30.6%

 

<労働者側>

1位「人員が足りないため(仕事量が多いため)」41.3%

2位「予定外の仕事が突発的に発生するため」32.2%

3位「業務の繁閑が激しいため」30.6%

4位「仕事の締め切りや納期が短いため」17.1%

 

あれ?? これって労働者の努力で何とかなる話じゃなくないですか・・・?

労働者の仕事の効率化というより、むしろ企業側が組織的に対策を打たないと何ともならない話ですよね。

必要なのは「働かせ方改革」の間違いじゃないでしょうか??

 

もしかしたら私が書いているのは「言葉尻だけの問題だろ」と思われるかもしれません。もちろん言い方を変えれば全てが上手く行くなんて、そんな単純なことを言うつもりはありません。

でも、実際メディアでは「上司が働いているから帰りづらい」とか「会議が長い。無駄な会議が多い。」とかそういう報じられ方が多いです。また、テレビではコメンテーターが「日本人は海外に比べて働き方の効率が悪い」なんて、したり顔でコメントしていて、全体として”労働者側の意識改革が必要だ”という空気が強いのは事実。

「働き方」改革という言葉には、そんな「そもそも日本人の労働者の働き方に問題がある」という劣等感。あるいは「雇用側の責任を薄めたい」という意識が見え隠れしているように思えてなりません。

 

働き方改革」と「働かせ方改革」・・・果たしてどちらの方が正しいのか。あるいは両方正しいのか。

人によって、あるいは場合によって正解は違うと思います。ですが、そういった言葉の定義を改めて考えてみることが、物事の本質をつかむきっかけになるのではないでしょうか。

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m

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