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99%の人が知らないお金の話 その① デフレって何なの?

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突然ですが、私は高校生の時にバンドを始めました。その時は既にBOOWYも解散していましたが、まだ往年のバンドブームの勢いが残っている時代。私がはまったのはザ・ブルーハーツでした。

今では全然聞かなくなってしまったので歌詞もほとんど忘れてしまいましたが、ある一節は今でも覚えています。それは「学校で教わったことが全部嘘だったら良いのにな」という歌詞です(微妙に違うかも(_ _;))。

もちろんこれは「学校で教わっていることは正しい」という前提で、それに対する反抗精神を表現したものですから、実際に学校で教わったことが嘘だったらとんでもないことになる訳です。

 

実際にはそんなこと起こらないだろうと皆信じていると思いますが、そのとんでもない事が起こっているのです。そう、私達が苦しめられているデフレ不況です。

実は、デフレ不況をいつまでも終わらせられない理由の一つが、ほとんどの人が学生時代に聞いたことがあるだろう、下記の話なんです。

 

「昔の人は物々交換で欲しい物を手に入れていたけれど、持ち運ぶのが大変だからお金を作って、それで交換できるようにしました」

 

という説です。

 

実はこれ根も葉もない大嘘です。

世界でも多くの歴史研究者が調べていますが、歴史的にそんな事実は全く見つかっていません。

 

じゃあ何でこの説がこんなに広まっているかというと、やっぱり人間って抽象論で考えるより、具体的な物で考えた方が体感的に分かりやすいんですよね。ですので、理屈ではなく何となく分かりやすいからという感じでこの話を信じている人が多いと思います。

 

ですが、実はこの根本的なお金の考え方が間違っているのでいつまでも不況から抜け出せないというお話を書いていきたいと思います(長くなってしまうので複数回に分けて)。

 

テーマは「99%の人が知らないお金の正体」です。

 

これが分かると

 

  • なぜデフレをいつまでも終わらせられないのか。
  • なぜ日銀の金融緩和の効果がほとんど出ないのか。
  • なぜアベノミクスがうまくいかないのか。

 

などなど、日本の経済にまつわる様々な疑問が解けます。

 

そこで今回はイントロとして「そもそもデフレって何?」という話を書いてみたいと思います。デフレ、デフレって当たり前のように言われますが、その恐ろしさをちゃんと理解してる人って案外少ないと思いますので(政治家も含めて)。

 

そもそもデフレって何なのさ?

最初にざっくり言うと経済にはインフレかデフレ、どちらか2つの状態があります。基本的にはこのどちらかしかないと思ってもらって良いです。それぞれはどんな状態かというと

 

インフレ:

物の価値に対してお金の価値が下がり続けている。平たく言うと物価が上がっている状態です。

例えば、何かの商品が1年前は1,000円だったが今は1,500円になった。そしてこれからも上がりそう、という状態。

 

デフレ:

物の価値に対してお金の価値が上がり続けている。平たく言うと物価が下がっている状態です。

例えば、何かの商品が1年前は1,000円だったが今は500円になった。そしてこれからも下がりそうという状態。

 

です。「物の価値」というとややこしそうなので、もっと簡単に言い換えると・・・

インフレの場合、値上がり傾向なのでさらに値上がりする前に買っておいた方が得という判断になります。

一方デフレの場合、値下がり傾向なので今よりもっと値下がりしそうです。ですから、今は買わずにお金をとっておこう、という判断になります。

これは日常生活でもそうだと思いますので、分かりやすいですよね。

 

こうなるとどういう事が起こるでしょうか。大きく2つあります。

 

1) 消費が減る

「値下がり傾向なんだから今は使わずにとっておこう」と思うと、お金は使わずに貯めておいた方が得(というか安心?)ということになり、みんながお金を使わなくなります。消費が減る、そして物が売れなくなる、ということですね。

そうするとどうなるか。

 

①物が売れなくなると企業は困るので、商品を値下げせざるを得なくなります。

②その企業に勤めている人達の給料も下がります。

③給料が減るので会社員は買える物が減ります。

④物が売れなくなるので企業は商品を値下げします

 

という感じで悪循環が続きます。

 

2) 投資が減る

(1)の家庭と同じで、企業もお金を今使うよりも貯金しておいた方が良いということになるので、投資を控えるようになります(そもそも物が売れなくなっているので回収の見込みが下がりますので)。

これは企業だけでなく政府も同じです。今実際に行われているように、公共投資を減らせ!の大号令です。

 

1の「消費が減る」という状態は、買いたい物、買わなくちゃいけない物が買えなくなるので、今生きている私達が困ります。

一方2の「投資が減る」という状態は、私達だけではなく将来の人達が困ります。私達が普段使っている物(ビル、道路、鉄道、水道、ガス、電力などなど)全ては、昔の人達が投資してくれたから享受できている物です。つまり「投資が減る」というのは、将来世代を切り捨てるということになりかねないのです。

 

さて、実はここにデフレの恐ろしさが潜んでいます。

私達の家庭にしろ、企業にしろ、「お金がないから支出を減らす」ということは合理的な選択です。何も間違っていません。しかし、そのせいで経済が回らなくなり、将来世代にも迷惑を掛けることになってしまうのです。

経済学ではこのように「それぞれが正しい判断で合理的な方法を取った結果、全体として非合理な結論を導き出す」ことを合成の誤謬(ごびゅう)と呼びます。

 

みんなが正しい選択をしたからこそ誤った結果に繋がる・・・じゃあ、どうすりゃ良いの?という話です。

 

答えはあります。

ありますが、その答えの意味を理解するためにはやはり「そもそもお金って何なの?」ということを理解していなければなりません。そのために次回から

 

「99%の人が知らないお金の正体」

 

の話をじっくり、しかし簡単に話していこうと思います。

難しくはないのですがどうしても長くなってしまいますので、ある程度読みやすいサイズ感にして何回かに分けて投稿することにします。よろしければ次回からも引き続き読んで貰えると嬉しいです。

 

長文失礼しましたm(_ _)m

 

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