世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

これ以上日銀を責めるのはやめて! 日銀のHPはもう0よ!

物価上昇率2%を達成するまで金融緩和を継続することをコミットメントする!と宣言して早5年。物価上昇率は事実上ピクリとも動いておりません。

当初は異次元緩和やら黒田バズーカやら鳴り物入りで実施されましたが、結果はご存知の通り

 

「コミットメントする!!!」

「コミットメントするってば・・・」

「いや、マジでコミットメントするから、今度こそ。」

「俺はコミットメントするつもりだよ? でも、なんか皆信じてくれないからさ。まぁ俺の気持ちくらいは買ってくれよ」

「コミットメントは撤回しないけど、努力目標にしとくわ。どうせ皆信じてないでしょ。まぁ、明日なってみろ、俺も本気出すってば」

 

的にトーンダウン。

とうとう物価目標2%実現の期限を撤回。まさに「明日になったら本気出す」をリアルで行くことになりました。

 

2年で達成すると「約束」した訳ですから、達成できなかった以上黒田総裁とそのブレーンは全員責任を取って退任するべきです。何ならその間に貰った給料も全部返して欲しいくらいです。

 

とはいえ。私は黒田総裁に同情している面もあります。

実際日銀にできることには限界があります。


そもそも日本銀行量的緩和政策で、国内銀行が日銀にもつ当座預金の残高をどれだけ増やしたところで、それだけでは物価上昇率が上がる訳はないのです。

日銀当座預金は銀行、政府、日銀しかアクセスできない預金ですから、そこにお金が積み上がったところで、それは国内市場において誰の資産にもなりません。日銀当座預金が増えるということは、あくまで“銀行が貸し出せるお金の上限が増えた”に過ぎないのです。

物価というのは国民が生産した物やサービスを購入する時の価格です。そしてインフレーションとはその購入価格が上昇することです。

ですから、日銀が異次元緩和により300兆円を超すおカネを日銀当座預金にぶち込んだところで、誰もそれを使って物やサービスが買われないのでは、インフレになるはずがありません。

倉庫に一杯お金が詰まっていても、それを誰かが借りて使ってくれなければ、ただの紙屑。お金は国内市場に流れ込んでいかないのです。

 

それを日銀は「日銀がガンガンお金の供給量を増やすから、皆使ってくれ!」と“約束”すれば、それだけで皆お金を使い始めて経済が回るという想定の下に、この異次元緩和政策を推し進めたのです。5年もの間。

 

で結果がこの有様です。

 

当たり前ですよ。

日銀がコミットメントし量的緩和でひたすらおカネを発行していったとしても、その反対側で政府が緊縮財政を強行して使い道や使える量を絞ってしまえば、物価なんて上昇する訳がない。当然デフレ脱却は不可能です。

 

お金をどれだけ発行しても、それを使う場所や機会を用意してあげなければ(需要の創出)、せっかくのお金も活躍するはずがないのです。

そして、それこそが財政出動であり、それは日銀にはできません。政府にしか出来ないのです。

日銀にできることは最早ほとんどない。あとは政府の仕事です。

 

もう一度言いましょう。

 

これ以上日銀を責めるのはやめて! 日銀のHPはもう0よ!

 

今回も長文を最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

 

 

このサイトについて プライバシーポリシー
Copyright ©2020 Sekadoku (世界を救う読書管理人)