働き方改革は何のための改革なのか
私は「働き方改革」ということ自体には賛成です。
ただ、それは労働人口の減少が当面続くこれから先を考えた場合に、現在の経済規模や社会保障を持続できるようにするためには「生産性の向上」が必須だからです。
現在でも既に日本の労働者一人あたり生産性は先進国最低レベルですが、このままの状態で労働人口が減少すれば、今の経済規模や社会保障を保持することはできません。そのために生産性の向上が必須であるから、「生産性を高められるような働き方の改革」が必要だと私は考えています。
過剰なサービス残業などによる過労死は論外としても、「生産性向上」ということを目的とするならば、「女性の活躍」は方法論の一つですし、プライベートの充実というものは副産物でしかありません。
政治家たちが自分たちの政治的職務を全うするための過程としてそれを目的にするのは仕方ないことですが、そもそもの目的を履き違えるようなことは厳に慎むべきだと思います。
以前の記事にも書きましたが、日本人労働者の質は全世界でもトップレベルです。
それがGDP換算での労働者一人当りの生産性が先進国最低水準というのは、世界トップレベルの労働の質を生かしきれていないから、ということに他なりません。
今必要なのは「働き“方"」の改革ではなく、労働者の生産性が向上させられる働き方ができるような社会制度の整備やインフラ整備でしょう。当然この場合のインフラには、テクノロジーへの投資やITインフラ整備も含まれます。
労働時間の水準を適切なものへと引き下げること、様々な分野で女性が活躍できるような制度を作り上げることは、その過程での副産物でしかありません。
本来の目的は日本という国が持続的に発展でき、私達の子供たちが豊かに安心して暮らせるようにするために必要な経済規模や社会保障を維持するためであることを忘れてはいけないと思います。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m