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25日欧州で施行された法律でGoogleとFacebookが早速訴えられた-欧州反撃の狼煙-

という訳で、昨日投稿した欧州の新しい法律「GDPR (一般データ保護規則)」に基づき、早速GoogleFacebookが訴えられたようです。

 

kogarasumaru.hatenablog.com

 

これが認められれば、Googleには37億ユーロ(約4700億円)、Facebookとその傘下には合計39億ユーロの罰金が科せられる。

 

とのこと。

凄まじい罰金ですね・・・。

いよいよ巨大IT企業と欧州の終わりなき戦いが始まった訳です。

  

ちなみに、私がこの問題に注目しているかというと、それはこの法律の成立した背景に、次のような大きな主に2つの問題が絡んでいるからです。

 

1) GDPRとは個人情報という大義名分をまとった非関税障壁であること

2) 現代型グローバリズムを象徴していること

 

です。

 

GDPRとは個人情報という大義名分をまとった非関税障壁である。

いつの時代においてもより多くの情報をより高い精度で入手することは、事の成否を左右する重要な要素です。これは民間企業だろうがスポーツだろうが同じこと。

その情報戦において、長い間欧州は米国にその主導権を握られっぱなしになっていました。

 

一時はインターネットを活用したビジネスを牛耳っていたMicrosoftを狙い撃ちすることで米国IT企業の機先を制したつもりでしたが、今度はそれを機に頭角を現したGAFAに欧州も席巻されることになった訳です。

 

しかも今度はGoogle検索、FacebookAmazonにおけるアカウント情報に見られるように“便利さを求めた消費者”が自ら進んで米国企業に情報を提供するという枠組みを作られてしまいました。ある意味本来自分たちのテリトリー内で暮らすはずの人々が自ら米国式の情報システムに喜び勇んで飛び込んで行ったわけです。

 

米国と欧州の関係が良好であれば、平時においては特に問題はないかもしれません。しかし、イランの核問題、対ロシア政策など、米国と欧州は一枚岩ではありません。その関係やパワーバランスが崩れるようなことがあれば、欧州としては人質を取られたような状態にすらなり得る状態であったので、非常にまずい事態なのは間違いありません。

実際ビジネス上では既にGAFAなしには成立しないビジネスモデルが確立されつつあり、既に「ユーザーの便益を最大化するため」という大義名分によって、欧州の人々を人質に取られたようなものであることは否めません。

 

一応、今回のGDPR制定の名目は

 

・個人情報の保護

・情報の独占によって阻害される恐れがある、新興事業者のイノベーションの機会を促進するため

 

ということになっています。

しかし、実際には上記のような米国に情報独占を許している事態を打開するために取られた措置なのは間違いありません。いわば米国の情報独占から欧州市場を守るための非関税障壁といえるでしょう。

 

非関税障壁を「非関税障壁です」と公言して設定するバカはいない。

もちろん、面と向かって「非関税障壁」を設けるほど欧州も馬鹿ではありません。

そんなことをすれば、米国としては自国の巨大企業の市場独占に対して防御壁を築かれる訳ですから、面白いはずがありません。自由貿易を阻害するものだと猛反発するに違いありません。

そこで欧州は「消費者の個人情報保護のため」という誰も反論できないロジックを大義名分に使うことで、ある意味堂々と非関税障壁を作り上げたのです。

 

しかも今回のGDPRはまだ欧州反撃の第一段階、下準備でしかありません。

今後はe-プライバシー規制という法律の導入により、「Cockie(クッキー)」と呼ばれる、普段私達がWebサイトを閲覧する際に半ば自動的に取得されている閲覧履歴や購入履歴などの情報を自動的に取得できなくなる新たな枠組みを作る予定。欧州の猛烈な反撃はまだまだ始まったばかりです。

 

残念ながら私は法律に関しては専門ではありません。

今回のGDPRがどれほど抜け目のない法律なのかを条文から読み取る能力はありません。しかしながら、引用記事にもあるように“GDPRが導入されると分かっていて、2年近くも対策を講じる時間をFacebookGoogleに与えたにも関わらず、FacebookGoogleが防衛戦に回らなくてはならない”ほど用意周到に準備された法律であることは間違いありません。

 

この戦略性と欧州の老獪さは恐るべきものです。

 

一方、我が国日本ではこれらのGDPRに対する対策は、ほとんど取られていません。

個人情報の取り扱いに関しても、去年ようやく改正個人情報保護法が成立したばかり。しかも、経済産業省公正取引委員会など関係省庁がそれぞれの範囲内での規則作成に精一杯で、欧州のような体系だった法体制とはほど遠い状態だといいます。

これではますますGAFAの強大化を許し、日本の国内市場の企業は駆逐されるか、その首根っこをGAFAに掴まれたままの状態で運営せざるを得ない状況に追い込まれるに違いありません。

 

その死屍累々となった国内企業の惨状を見た時に、日本の政治家や企業家たちは「自由貿易の結果だ。競争に負けた以上仕方ないだろう。」と言ってのけてしまうのでしょうか・・・。もし、国民の企業活動や生活を犠牲にしてまで自由という価値観を守らなくてはならないのなら、私はそんな物はこれっぽっちも欲しくありません。

 

さて、第2のポイントである「GDPRとグローバリゼーションとの関係」についてですが・・・・既に随分長くなってしまったので次回に回します!(笑)

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆