世界を救う読書

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人口減少を移民で補うには約◯◯人の受け入れが必要。あなたは耐えられますか?

 はい。という訳で、この記事にもありますように、2015年時点で前年比約5万5千人増の約39万人となり、前年の5位から韓国を抜いて4位にランクインしました3位のイギリスは既にブレグジット以降移民減少の傾向にあるので、2017年にはイギリスを抜き去りトップ3に躍り出そうな勢いですね。

 

「移民受け入れは行わない!」と言い切って来た安倍政権は、この結果をどう受け止めるのでしょうか。

 

何人の移民受け入れが必要か?

さて、この事実を裏付けるかのように世間では「もう既に日本は移民なしでは成り立たない」などと、まるで「移民受け入れが必然で、それに逆らうのは時代の流れについていけていない遅れたやつらだ」と言わんばかりの移民受け入れ賛成派の意見が目立ちます。

概してそういう方は経営者サイドに近い、いわゆる“経済通”の方が多いようですが、果たして本当にそうでしょうか?

そもそも移民受け入れ賛成派の方は、現在の日本の経済規模を移民で補おうとしたらどれだけの数の移民が必要だと考えているのでしょうか?

 

これはデービット・アトキンソン著「新・生産性立国論」でもシミュレーションしてあるのですが、それによると減少する日本の生産年齢人工をそのまま外国人労働者で置き換えようとすると、約3420万人(!)の移民を受け入れなくてはならないようです。

 

3420万人・・・今の日本の人口の4分の1が移民ということになります。

かつて日本の歴史でこれほど大量の移民を受け入れたことはありません。

今でさえ恐らく多くの方が、町中で旅行者ではないと思われる外国人を見かけることが多いと感じていると思います。それでも今の移民の数はまだ250万人程度でしかありません。その12倍に上る人数を移民として受け入れなくては、現在の経済規模を維持できないのです(移民受け入れで補おうとするのであれば、です)。

 

どうでしょうか。

移民受け入れ賛成派の人はそこまで考えて賛成しているのでしょうか。

外国人を差別しようというつもりはありませんが、言語や価値観、社会のルールも全然違う人達と同じコミュニティで生活するというのは、とてつもないストレスです。私達にとっても、外国人の方々にとっても。

少なくとも私はそんな日本で暮らしたいとは思いません。

 

そもそも移民にとって日本の魅力はアジア最下位

それと移民受け入れにはもう一つ問題があります。

それは仮に私達が「移民さんいらっしゃい!」と歓迎したとしても、彼らにとって日本で働くメリットがなければ誰も来ません。彼らは別に全員が日本文化に憧れて来ている訳ではなく(そういう方もいるでしょうが)、「家族を養う生活費を稼ぐために、自国で働くより日本で働いた方が儲かる」から日本で働くのです。したがって、それだけ稼げるという魅力が日本になければならないのですが、実際どうでしょうか?

IMD World Talent Ranking 2017によると、外国人高度人材から見た日本で働く魅力はなんとアジアの中で最下位でした。「教育水準が高い人を優先して受け入れる」などと言っても、肝心のその対象者が日本をアジアで最も魅力がない国だと思っているのです。

 

このように移民受け入れは相当に問題があります。

しかも一番の問題は、一旦受け入れてしまえばもう後戻りは決してできないということ。日本という国が存続する以上、未来永劫移民と暮らし続けなければならないのです。

 

それを回避するためにはどうしたら良いか?

答えは一つしかありません。

日本という国全体の生産性を上げることで、人口減少をはねのけ現在の経済規模を維持・拡大する、これしかありません。生産性とは効率や利益のことではありません。より高い付加価値を生み出す力、それが生産性です。そして、生産性の向上には投資が必須です。これしか解決法はないのです。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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