食費が高くちゃ日本の文化も守れない。
※思う所があってちょっとタイトル変えました(27日10時30分)。
私はこのブログでよく経済ネタを投稿しますが、正直言うと経済ネタよりも文化系の話の方が好きなんです。どちらかと言うとお金絡みのギスギスした話は好きではないタイプです。
そんな私が何でこんなに経済ネタを投稿するのか?
それは実は「文化」と「経済」は切っても切り離せない関係にあるから、ということを骨身に染みて感じているからです。
祖母が日本舞踊や茶道の師範だったのでその影響かもしれませんが、年を重ねるほどに日本の伝統芸能の幽玄さが心に染み入るようになって来ました。
しかし、そのような自国の文化を守り発展させようと思ったら、経済的な発展の下地を抜きにすることはできません。私は敢えて好きでもない(というと語弊がありますが・・・)経済ネタを投稿しつづけるのは、そういう気持ちもあります。
さて、経済的な側面から見た時に、文化を守るために必要な物とは何でしょうか?
それは国民みんなの需要です。
伝統芸能でも、茶碗や着物でも、日本食でも何でも良いのですが、客の要望があり、それに応える職人がいて、そしてその職人が作った物を正当に評価し、正当な金額を支払う。
そして、それを元にして職人がさらなる品質や芸術の向上を目指して努力する。
その循環があればこそ文化は栄えます。
ですから、文化の繁栄には私達国民がそういった文化的作品にしっかりと消費ができる環境が必要なのです。
しかしながら、それが難しい状況になっているのが現代です。
例えば、皆さんエンゲル係数という指標をご存知でしょうか?
中学校とかでも習うと思うので言葉くらいは聞き覚えがあるんじゃないかと思いますが、改めて説明するとドイツのエンゲルさんという方が考案した経済指標で、家計の消費支出に占める食費の割合のことです。
食費というのは家計の中でも中々簡単に切り詰めることができません。どうしても家計の中で大きな割合を占めてしまいます。
エンゲル係数が高いということは、家計の中での食費の割合が多いということ。
言い換えると、エンゲル係数が高い家庭は食費以外の出費に回せる金銭的余裕が少ない、ということになります。
で、このエンゲル係数がここ数年上昇傾向にあるとのことです。
1963年から1995年までは年平均でも0.47%の割合で下がり続けたのに、1995年から2005年までは0.07%に鈍化。
そして2014年からは急速に上昇し2016年は25.8%まで上昇し、それ以降は月単体で見ると30%を超えることも珍しくなくなっているそうです。
必ずしもイコールではないと思いますが、タイミング的に1997年と2014年の消費増税と無関係とは思えません。
その因果関係は一旦置いておいたとしても、国民の家庭で食費以外の支出にお金を回せなくなって来ているのは間違いありません。しかも、安倍政権発足後、実質賃金は5%以上も下がっています。
こんな状況ではいくら文化の発展のためとは言え、そうそう生活必需品以外にお金を費やすことは難しいでしょう。このエンゲル係数が上昇する傾向が今後も止められないようであれば、文化の衰退という循環をますます推し進めることになってしまいます。
文化には様々な形態があります。
食文化や芸術作品のような文化はもちろん、今では漫画やアニメ、世代によってはアイドルも日本文化の一つといえるかもしれません。
どのような形態であってもそういった文化は、ともすれば生きることに汲々としがちな私達の生活を楽しく豊かにしてくれる力を持っています。
そのような文化を楽しめる世界でなければ、どれほど暗い人生になってしまうでしょうか。
そういった力を持つ文化を維持し、発展させるためにも私達は早くこの不況を脱しなければならないのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆