世界を救う読書

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先人達の財産を食いつぶすだけの日本人の"おもてなし"は自己満足でしかない。

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東洋経済オンラインで日本の観光業に関するちょっと面白い記事を見つけました。

 

 

この方の主張によると、最近日本国内でやたらと日本を褒めちぎる外国人観光客の反応を取り上げる傾向があるが、実は海外でそこまで「日本凄い!」と思われている訳ではない。

 

日本の良いところを海外にアピールしたいのであれば、外国人観光客をしっかりもてなすような方策を考えるべき。

 

ということです。

 

皆さんはどう思われますか?

「全くその通り!」でしょうか。

それとも「バカ言ってんじゃない。本当に日本は凄いんだよ!」と思われますか?

 

 

私はというと、前半の部分のさらに半分は同感です(笑)。

別に中間を取ったわけではないですよ(;´Д`)

 

 

確かにここ2〜3年間くらいでしょうか。

やたらと外国人観光客が日本を褒めたり、日本で素晴らしいと思った体験を紹介する本やテレビ番組が多いように思います。

 

日本嫌いな日本人が多いこの国において(笑)、こういう日本の良いところを取り上げるのはカウンターパンチ的な意味合いで良いことだと思います。

ですが、それにしてもやらと褒めすぎに偏っている傾向は感じます。

 

私のようなひねくれ者はそういう状況が目に余ると

 

本当に海外の方がどう思っているかを考えるのではなく、「外国人からこんなに日本は良い国なんだ」と、“そう思われたい日本人の欲求”を満たすためのヤラセなんじゃないのか?

 

と思ってしまいます。

ひねくれ者ですね・・・すみません(笑)。

 

そういう意味ではこの方の主張の「前半の半分」には同意します。

 

とはいえ。

後半の「もっと外国人観光客に日本の良さを伝える努力をするべき!」というのには、ちょっと違和感を感じています。

 

実際に安倍政権になってからの日本政府の「観光業」を日本の主力産業にするべき! くらいの勢いで、「観光業振興」が凄まじいです。

しかし、「海外観光客を日本に呼び込む」というのは本当に正しい方策なのでしょうか?

 

国内の観光客を呼び込むならまだしも、外国人観光客を呼び込む観光業というのは、はっきり言って「水物」でしかありません。

外国人観光客の量は、日本国内のサービスの充実の前に外国通貨との為替状況や外国の景気に左右されざるを得ません。

従って、国家の安定した産業として考えるのは難しいのです。

 

また、外国人を呼び込む観光業に頼るということは所詮外需に依存した経済体制を強化するということでしかありませんので、国際政治や貿易において他国との関係性にも影響を及ぼし、時には必要な政策がとれなくなるという危険があるのです。

 

誤解がないように書いておきますが、私は外国人が日本に観光に来ること自体は良いと思うのです。「外国人は来るな」と言っているのではありません。

 

あくまで国民経済を盤石にするのであれば、日本国民に向けた観光サービスが充実し、品質が向上させることが第一優先。

それによって国民の所得をまず確実に、安定的なものするための政策を打つ。

その結果として、外国人を呼び込むことに繋がるという形でなければならないはずです。

 

しかし、現実に日本がやっていることは真逆です。

日本語より英語やフランス語、中国語、韓国語などの言語を優先し、外国人向けにセットアップされた観光マニュアルなど、日本人を蔑ろにした施作ばかりが目立ちます。

むしろ「これぞおもてなし」だとばかりに。

 

その結果、様々な観光地で外国人客ばかりが殺到し、肝心の日本人自体が寄り付かないような状況を生み出しています。

 

結局、今の日本は自分たちの祖先たちが蓄積した文化遺産を“消費”することで外貨を稼ぎ、それを自分たちの国民には還元しないという

 

「カネのために文化を売る」

 

という行いを成長戦略という言葉でごまかしているに過ぎないのです。

 

そのような「外貨取得のための観光事業」が果たしていつまでも外国人を引きつけることができるでしょうか?

 

私はそのような行為が本当に「おもてなし」だと思えません。

外国人観光客を呼び込み外貨を得るために、自国の文化を切り売りするような国が他国の文化を味わいに来ている外国人をおもてなしできるとはとてもおもえない。

 

結局それは「おもてなししてる感」を演出している自分たちの姿に酔っているだけの自己満足ではないかと私には思えてならないのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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