世界を救う読書

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日本の常識は世界の非常識。日本の最低賃金の低さが世界的に異常だということを知ろう。

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さて、日本では「日本の常識は、世界の非常識」と言われます。

今回はこれぞ正に世界の常識からかけ離れている日本の常識! という話題について。

それが日本の最低賃金の異常なまでの低さ。

 

今月10日に今年度の都道府県別「最低賃金」が発表されたのですが

 

一番高いのはやはり東京都の985円。その次が大阪の936円。

逆に一番低い鹿児島県は761円。

一時間精一杯働いて昼ご飯代が払えるくらいでしょうか。


これでも23県が厚生省が示した目安よりも高値につけたらしく、この記事いわく

 

人手不足のなか、人材確保のために賃金水準が見劣りしないよう、近隣県を意識して目安額よりも引き上げる動きが広がった

 

だそうです。

 

まず、最初に言っておきたいのが・・・

 

ふざけんじゃないよ!!!

 

です。

 

こういう時にこそ世界の情勢を引き合いに出すべきですが、物価などの影響を取り除いた値では

 

フランスのUS$11.03

ドイツのUS$10.56

イギリスのUS$9.38

 

ところがわが国日本はUS$6.50でしかありません。

ちなみにお隣韓国がUS$7.36です。

 

しかし、その一方で実は日本の人材評価は世界第四位 (World Economic Forumによる)。

主要先進国ではトップに立っています。

 

つまり世界トップクラスの質の労働者を、先進国最低レベルの賃金で雇っている。

それが日本の現状なのです。

 

少なくともその質に相応しい最低賃金に引き上げるべきというのが普通の感覚ではないでしょうか。

 

ただ、そういう話をすると

 

「企業が倒産する」「失業者が増える」

 

と反対を唱える人が出てきます。

確かに経営者と労働者の需要と供給だけを考えれば、もっともなようにも聴こえます。

しかし、残念ながら理屈上筋が通っているからと言って、現実の世界でそうなるとは限りません。

 

たとえばイギリスでは、1998年に新しい最低賃金の法律が可決され、1999年から実施。その後、19年間かけて、最低賃金は約2.1倍に引き上げられてきました。

イギリスが最低賃金の導入を決めた1998年、当時の労働党政権の法案に対し、保守党は企業への悪影響とそれに伴う失業率の大幅な上昇を懸念して、猛反対しました。

 

しかし、実際にはどうっだか?

その後、失業率の大幅上昇などの予想された悪影響は確認できなかったそうです。

それどころか、逆に経済に対してよい影響を与えたと評価されるに至り、2005年、保守党は意見を翻して賛成に回りました。今では、最低賃金の引き上げが失業につながるという説を強調する学者は減っています。

むしろ、最低賃金と生産性には非常に高い相関関係があるということ実証する研究結果が続々と出ているようです。

 

であれば、日本政府がとるべき方策とは何か?

全国の最低賃金を引き上げるべく企業にプレッシャーを与え続けることです。

そしてそれを実現するために、企業は本来行うべき生産性向上のための設備投資を行うべきです。

 

引用記事の中には

 

日本総研の成瀬道紀・副主任研究員は、価格転嫁が難しい中小企業は事業を続けられなくなると指摘。

 

などと書いてありますが、馬鹿を言ってはいけません。

そもそも人件費の高騰をそのまま価格転嫁して済ませようとする浅はかな考えをやめさせなくてはなりません。

人件費の高騰を上回る付加価値の高いモノやサービスを生み出せるように死ぬ気で知恵を絞る、それが経営者のあるべき姿であり、それができないのであれば退場して頂くしかありません。

 

日本人が一所懸命働いて、正当な報酬を得る。

これのどこにおかしい部分があるでしょうか?

しかし、これが全く行われていないことが日本の現状なのです。

 

最低賃金の引き上げ。日本経済を復活させるためには、これが重要な鍵の一つであることをもう一度政府に再認識してもらいたいものです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

 

 

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