世界を救う読書

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世界一の災害大国が観光を基幹産業にしようとする愚かさ

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皆さんご存知の通り今年は異常なほど異常(?)な自然災害が日本を襲っています。

ざっと並べると・・

2月 北陸地方福井県を中心に平成30年豪雪
4月 島根県西部地震震度5強)

6月 大阪府北部地震震度6強)
7月 西日本豪雨災害 
8月 台風12号上陸 全国熱暑 
9月 台風20号上陸、台風21号上陸、北海道地震(震度7) ←今ここ。

 

いくら災害大国とは言え、何かあまりに異常過ぎて感覚が麻痺していると言いますか、もはや「これが普通」のような錯覚に陥りそうな気さえします。

もちろんこれが普通ということはありませんが(少なくとも今までは・・・)、以前のブログにも書いたように地震一つとってみても

 

国土は世界の0.25%に過ぎないのに、世界で起こる地震の10〜15%が日本で発生しています。マグニチュード6以上だと20%!!

そして、初夏には梅雨による大雨。現在のような秋口になれば台風通過と災害を起こす自然現象のオンパレード。それが日本という国です。

 

私は日本で生まれ日本で育った生粋の(?)日本人ですし、他の国に行っても「やっぱり日本が一番だな」と実感するほど日本という国が好きです。

しかし、これがもし日本で生まれ育っていなければ、日本に対してどういう考えを持っていたかは分かりません。ぶっちゃけこんな「災害大国」にわざわざ来たいと思うでしょうか?

 

下記のロイターの記事によると田端浩観光庁長官がこのように発言したそうです。

9月の訪日旅行客の動向については、まだ具体的な数字は出ていないものの、台風による関西空港での被害や北海道地震の影響などで訪日旅行のキャンセルや手控えの動きが出ているとし「マイナスの影響を懸念している」と述べた。

 

 

・・・そりゃ、そうでしょ。

確かにどこに死ぬ時は死ぬから一緒かもしれません。

ですが、自然災害に遭遇する確率がこれほど高い国にわざわざ来てるくれることをアテにする方が私はどうかしていると思います。

 

別の日経新聞の記事では

 

「大規模災害に見舞われた大阪と北海道で、インバウンド(訪日外国人)消費への懸念が広がっている。関西国際空港は14日、主力の第一ターミナルで運行を一部再開したが、当面は客足の鈍化が避けられない。

北海道でも宿泊キャンセルが相次ぐなど、観光客に人気の両地域で相次いだ災害は打撃だ。」

「(大阪や京都の人気店に調査したところ)全てで台風前より訪日客が減少。4割弱の店が『客数が半分以下に減った」と答えた」

 

という記事がありました。

 

・・・そりゃ、そうでしょ。

もちろん外国人観光客を呼び込むなという訳ではありません。特に民間企業が“自己責任”で外国人観光客をアテにするのは自由でしょう。しかし、基本的に外国人観光客にとって日本という国はただの観光地にしか過ぎません。わざわざ危険を犯してまで来なければならない義務はないのです。

また、外国人観光客の場合、自然災害だけでなく政治的状況や為替などの経済状況による事情で来日することが難しくなる可能性も大いにあります。

 

「観光立国」などと言えば聞こえが良いかもしれませんが、外国人観光客の消費を当て込むことは、政治的にも常に外国との関係に必要以上に注意を払わなければならない状況に自らを追い込むという側面もあります。

さらに、「外国人が来やすいように規制を緩和する」ということになれば、それはそれだけ外国から危険性を持ち込む可能性を高めるということにもなりかねないのです。

 

誤解のないように書いておきますと、外国人観光客を日本に入れるな、とか極端なことを言うつもりは全くありません。観光立国などと言って“必要以上に外国人観光客を当て込む”のは、回り回って自分たちの首を締めることになると言っているだけです。

日本という国は、とにもかくにも「鎖国コンプレックス」が強烈なのか、「開かれた国」などという薄っぺらい言葉に弱く、「外国人を呼び込む観光立国」などというだけで素晴らしい国を志向しているような気分になるようです。

 

しかし、観光立国とは単に“それ以外に産業がないから”そうなっているだけの話であり、日本のような科学技術や機械産業など他に基幹産業となりうるものがあるのであれば、わざわざ外国に色目を使わなければならないような産業にすがる必要は全くないのです(だからこそ科学技術の凋落などは由々しき問題なのですが・・・)。

 

繰り返しになりますが、だからと言って「鎖国しろ」とか極論を言いたい訳ではありません。観光立国として成功している他の国なんか参考にするな、と言っているのでもありません。

他の国の在り方を参考にするのはとても大事なことですが、それはあくまでその国の根幹となる様々な条件と合わさってこその物であり、それがそのまま日本に通用するなどということはありません。

日本という国の国土、文化、教育、産業などの国の条件に適した世界との接し方を模索するべきではないかと思うのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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