世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

ようやく日本政府がまともな経済政策を打ち出すようになった・・・・か??

f:id:Kogarasumaru:20180923222451j:plain

さて「やっぱりね」という感じですが、自民党総裁選で安倍総理が勝利しました。

先週のこちらでも書いた通り、安倍首相は緊縮財政まっしぐらでございますので、私はこれっぽっちも評価をしておりません。次の任期でもほとんど期待をしていません。

 

 

・・・が、ロイター通信の記事に気になる部分を見つけました。

 

 

この記事の中の

アベノミクスの中での最重要政策課題は、金融政策から財政政策に移行するとみられる。

 という部分です。

 

すごく簡単に言うと、金融政策とは日銀の金融緩和のように中央銀行を媒介にして、国内流通するお金の量を調整する政策。一方で、財政政策とは政府がお金を支出する政策(主に公共事業になりますが)を推進することで、お金が国内で使われるようにする政策のことです。

 

今まで安倍政権は、お金の供給量を増やせばあとは市場(主に民間企業)がそのお金を使うことで経済が回っていくという方針を採っていました。しかし、ご存知の通りお金の量は増えたものの、それが“使われることはなく”企業内部にとどまったり、投資家の懐に潜り込むだけだったのです。

 

それが、ロイターの記事が正しければ「気候変動に伴う防災のため国土強靭化の対策を3年間で実施」することなどで、お金が“使われる”ような政府主導の政策を推し進めるという方針に変更する、ということになります。

まぁ・・・「予定」「そのつもり」「前向きに検討」というレベルでしょうが・・・。

 

そもそもお金というものは使われずに引き出しにしまわれていても意味がないのです。お金は使ってなんぼ。

ただ、このデフレの状況では個人や民間企業は、将来のために保管しておく方が得になります。なぜならデフレというのは「物の価値が下がり、通貨の価値が上がる現象」だからです。通貨の価値が上がるのであれば、今使うよりも将来に取っておいた方が得。そういう判断にならざるを得ません。

そのようなデフレ状況下でお金を使えるのは、通貨発行権のある政府しかいません。政府が通貨を発行し、それを使う場所を増やす(=公共事業)。それが正しい政策ですが、日本は「お金の発行量は増やすけど、使う場所は減らす」という意味不明なことを、ずっっっっっっとやってきたのです。

 

やっと、やっと、まともな政策を日本政府が打とうとしている・・・かもしれません。

実際に予算がつくまでは信用できませんが。

 

ただ、一つ懸念は記事中の

 

政府・与党関係者の間には、2019年に統一地方選参院選があり、あまり物価が上がっては、選挙戦で不利になりかねないという思惑も渦巻いており

 

 という部分です。

物価が上がったら選挙で不利になる・・・・そんなこと言ってたらデフレ脱却できないじゃん!!! 

以前の記事でも書いたのですが、インフレとデフレとは真逆の現象です。

 

・インフレだったら、お金は早く使った方が得。

貨幣の価値が下がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が減るからです。

 

・デフレだったら、お金は使わずに取っておいた方が得。

貨幣の価値が上がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が増えるからです。

 

 

物価上がるということは、物の価値が上がるということ。

物の価値が上がるということは、逆に貨幣の価値が下がるということです。貨幣の価値が下がるのであれば、持ち続けるだけ損。さっさと使って何かの物を手に入れた方が良い。

つまり物価が上がるからこそ、個人や民間企業はお金を使うようになり経済が回るようになるのです。それを「物価が上がると選挙に勝てない」と言うのは「景気が回復すると選挙に勝てない。不況の方が良い。」と言っているのと同じことなのです。

 

その程度の理解しかない人間が国会に携わっているというだけで絶望的な気分になりますが、愚痴を言っていても仕方ありません。

私達がやるべきことは、そのような意味不明な言説に惑わされずちゃんと正しい認識を持つこと。そして「正しい見識を持って挑めば選挙に勝てる」という正しい構図を作り出すことです。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

このサイトについて プライバシーポリシー
Copyright ©2020 Sekadoku (世界を救う読書管理人)