世界を救う読書

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スシローの150円皿と吉野家のセルフサービス化

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今日は久しぶりにスシローに行ってきました。半年ぶりくらい??

 

で、いつものようにレーンに流れてくる寿司を取ろうとしたところ…あれ?皿に以前はスペシャルメニュー以外は全て一皿100円でしたが、今は100円、150円、300円になってるんですね…。全然知りませんでした。しかも100円皿も以前は全てニ貫だったのが、一貫のものもありますし。

危うく騙されるところだったぜ!!と冷や汗をかいたところです。いや、ちゃんとPOPに書いてあるので、私が勝手に騙されそうになっただけなんですが(笑)。
 
人件費の高騰、食材の仕入れ値の上昇など色々あるのでしょう。“消費者”としての立場としては辛いところですが、生産者側の立場から考えた場合、しかも値上がりした分、ちゃんと適正な賃金価格や仕入の購入費に充てられるなら、むしろデフレで苦しむ日本にとっては良いことです。
ただ、それはあくまで実質賃金の上昇などが適切に行われれば・・・の話であり、値上がり分を会社が社内留保に回されるのであれば論外。どちらの方向になっていくのかはスシローの動向に注目したいところです。
 
その一方、回転寿司チェーン店と同じく「デフレ時代の寵児」である牛丼チェーン店の吉野家が、下記のような方針を打ち出したようです。
 


記事によると

人手不足が深刻さを増す中、従業員の負担軽減につなげようと、大手牛丼チェーンの「吉野家ホールディングス」は、およそ4割の店舗を客が料理を自分で運ぶセルフサービス方式に切り替えることになりました。

 

だそうです。

この「セルフサービス方式」を導入する動機として吉野家の社長は

 

「5年、10年先を見据え、おいしい牛丼を提供するだけでなく、ゆったりと食事を楽しんでいただくことで競争に勝ち抜いていきたい」

 

 と述べているようです。

が、暫く前の牛丼安売り競争と同様にこれは短期的な会社の利益しか見ておらず、長期的には全くプラスにならない手法であり、社会的にもデフレの促進政策でしかなくとても認められるものではありません。

 

本来経営者が会社の利益を増やしていくためには、コストカットではなく同じ労働時間当たりの付加価値を増やしていく方向で行っていかなければなりません。なぜなら全ての会社が付加価値が増えずに利益を増やしていこうとすれば、社会全体の富(GDP)は増えないため、どこかの利益が増えるということはその裏でどこかの利益が削られることになってしまう・・・つまり、富の奪い合いになってしまうためです。

 

今回のセルフサービス方式の導入というのは、本来店側が持つべき労力というコストを客に転嫁しているだけの話であり、コストカットにより会社の利益は一時的に増えるかもしれませんが、それによって付加価値が増える訳ではありません。結局それは安売り競争の促進、つまり富の奪い合いを促進するだけのことでしかありません。

吉野家の社長の説明では「お客様のため」ということになっています。しかし、同様の美辞麗句を使った牛丼チェーン店の安売り競争の時の精神構造と全く変わらないのです。当時の安売り競争という「底辺への競争」のせいで、飲食業界自体がズタボロになり「ワンオペ」などという言葉に象徴されるような社会問題を引き起こした自分たちの行動を全く反省していない、と判断せざるを得ません。

 

スシローと吉野家

デフレ時代の寵児としてもてはやされた2つの会社ですが、「デフレ + 人手不足」という窮状の中でそれぞれの歩む道は全く違ったものになりそうです。どちらが正しい道を行くのかはわかりませんが、少なくとも現状で私が確実に言えるのは唯一つ。

 

セルフサービス方式の吉野家なんか絶対行かねーわ!!!

 

ということです(笑)。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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