世界を救う読書

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「災」を今年の漢字に選んだのに災害対策はしない国。それが日本。

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ちょっと古い話になってしまいましたが、ここ数年恒例になっている今年の漢字が選ばれましたね(たった5日前なんですがもう古い情報に・・・時が経つスピードに追いつけませんww)。

ご存知の通り"平成最後を飾る"今年の漢字は「災」が選ばれました。

 

これに関してはいろいろ批判もあるようですね。「災の字はもう2回目だ」とか「意外性がなくてつまらない」とか、果ては「そもそも今年一年を漢字で表すことに無理がある」とか・・・・さすがにそれは「それを言ったらおしまいじゃん。酷すぎるww」とは思いますが(笑)。

ただ、私は正直この字が選ばれたと聞いた時、不謹慎にも失笑してしまいました。

 

本当に今年の漢字が「災」だとした時に考えるべきこと

なぜなら「災」の文字が選ばれるような状況でありながら・・・

 

1) 日欧EPAを「チーズとかワインが安く手に入るようになるから消費者にとっては良いことだ」と歓迎する意見が多いです。

確かに"消費者目線"で考えればそうかもしれません。しかし、それによって日本の畜産農家の経営が悪化し、最悪の場合廃業する可能性もあります。その状況で災害が起こり酪農製品、畜産製品が日本で生産できなくなったらどうするのでしょうか?

「だからこそ海外から輸入するんだろ」と言う人もいるかもしれませんが、その時に欧州が日本に輸出してくれるという保証はどこにあるのでしょうか?

政治的な問題や国際関係の問題だけではありません。世界的な飢饉が起こって「日本に輸出している場合じゃない」という可能性は十分ありえるわけです。

 

2) 今年は北陸の豪雪被害から始まり、西日本豪雨、台風の連続上陸、北海道の地震などなど本当に災害が多かったのは事実です。

しかし、今年が多かったというだけで、これが例外的という訳ではありません。皆さんご存知の通り日本というのはこれだけ国土が狭いにも関わらず、地震大国でもあるのです。

実際、国土は世界の0.25%に過ぎないのに、世界で起こる地震の10〜15%が日本で発生しています。マグニチュード6以上だと20%!!

そして、今時期には梅雨による大雨。秋口になれば台風通過と災害を起こす自然現象のオンパレード。それが日本という国です。

 

そのような厳しい国土条件で暮らす私達にとって必要なことは何でしょうか。

もちろん、地震予知、防災対策、避難訓練なども重要でしょう。

 

しかし、ある意味でもっと重要なのは、そういった不測の事態が起こった時に国民の安全を守れるよう防災インフラ設備を整えることです。

それには住宅や施設などの耐震性能を向上させるという事もあるでしょうし、橋や道路といった交通インフラの質と量を向上させることも含まれます。

 

日本においてはインフラをいくら整備しても、し過ぎることはない。

交通インフラの話になるとすぐ「誰も通っていないような道路を作る必要はない」というような事を仰る方がいらっしゃいますが、大地震のような不測の事態が起こった時に“いつもの道が使える保証はない”のです。

特に日本のような平地が少ない土地では、もしもの場合に備えて幾重にも迂回ルートを設定しておかなければ、救援に向かうことすらできません。助けられるはずの命が助けられなくなることもあり得るのです。

それを今年、私達日本人は嫌というほど味わったはずです。

 

しかしながら、実際そのような交通インフラを整えるための公共事業費がどうなっているかというと・・・

<1996年を100とした時の2012年における主要国の公共事業費>

イギリス 292

韓国 247

アメリカ 192

フランス 165

ドイツ 106

日本 47

 (大石久和「危機感のない日本」より引用)

 

半減ですよ。半減。おかしくないですか?

欧米に比べて災害も桁違いに多い日本が半減。

 

こんな状況で

 

「今年の漢字は"災"だ( ・`ー・´) + キリッ」

 

とか言われても「はぁ・・・そうですか・・・」というのが正直な感想です。本当に日本人は平和だなと思います。

 

まぁ、そんな皮肉はさておき実際この「災」の字が選ばれるほど、今年は災害が多かったということは国民の多くに共有されている事実です。ただ、それで「今年は災害多かったねー。」「そだねー。」(←流行語大賞に選ばれました例のやつ(笑))とか、言っているだけなら"単なるバカ"なわけです。

そういう認識があるのであれば、「じゃあ、来年からはどうすれば良いのか」。それを国民のみなが真剣に考えなければならない時がきているのではないでしょうか。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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