アメリカ様との自由貿易のためなら日本の安全と環境を喜んで売り渡します!
トランプ氏がアメリカの大統領になって以来、日本とアメリカの貿易不均衡を正す!として様々な分野で難癖をつけられてきた日本。来年からの本格交渉に向けてアメリカから要求内容が提示されて来ました。
2ヶ月ほど前にニュースでも取り沙汰されていた「日米物品貿易協定(TAG) 」というやつですが、これの交渉内容ってことですね。この協定の名前が「日米物品貿易協定(TAG) 」という名称になっているのは、交渉の内容が「物」だけ、つまり関税の交渉がメインであるように印象づけようとしたからです。
なぜだと思いますか?
答えは簡単で「交渉の対象が物だけじゃないから」です。物だけじゃないことが分かったら、大騒ぎになるからですよ。実際、アメリカ側は「日米物品貿易協定(TAG) 」なんて言葉は使っていません。
そして、今回出された要求を見ると、やはり全然「物品協定」じゃないわけでして・・・。アメリカの要求は基本的に
「非関税障壁」を取り除け!
です。
ここで疑問に思われるであろうことが「非関税障壁って何?」ということだと思います。
まぁ、言葉通り「関税以外の障壁」ってことなんですが、
外国製品や外国企業が市場に参入するために、現地の製品や企業との競争において不利になると思われるものすべてが対象になります。国内の規制や精度、取引慣行、文化、果ては言語までも、「競争の妨げ」だとみなされれば、「撤廃すべき非関税障壁」に含まれかねません。
極端な話、日本で日本語が流通していることはアメリカ企業が日本に参入するに当たり、重要な非関税障壁であるとみなされれば、日本語を公用語として使うことすら撤廃交渉の対象となるわけです。
それは極端な例かもしれませんが、実際公共事業や募集や、地方の条例もすべて英語での表記にし、その交渉過程もすべて英語で行えということになる可能性は十分あります。
実際、今回のアメリカ側の要求では
・日本国内の環境規制基準、安全性能基準が厳しすぎるのは非関税障壁。アメリカ企業の車が日本市場に入り込みやすいように規制を緩和しろ
・農産物の輸入においては、日本の検疫体制が厳しすぎるのは非関税障壁である。検疫基準を下げろ
という内容が盛り込まれています。
「日本国民の安全や環境を守るための規制」が厳しいのは、アメリカ企業にとって不利であるから撤廃しろ!
それがアメリカの主張する「自由で開かれた貿易」ということですね。
さて、日本はそのような要求がアメリカからなされることは分かっていました。というか、そもそもTPP自体がそういうことも含めた”自由貿易協定”だった訳ですから、当たり前です。
だからこそ、それがバレたら不味いからこそ日本政府はアメリカとの交渉を「日米物品貿易協定(TAG) 」という言葉でごまかした訳です。
さて、この交渉どうなることでしょうか。
まぁ、どうなるもこうなるも「アメリカの要求に従わざるを得ない」でしょうね。どの程度アメリカ様に我慢して貰えるか、だけの話です。だって、TPPレベルの非関税障壁撤廃は受け入れると既に表明しているわけですから。
アメリカとの自由貿易のためなら、日本人を守るための規制も喜んで撤廃する!
どのように言い訳をしようが、それが日本政府が選んだ道という訳です。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆