世界を救う読書

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外国人労働者は入れ替え可能なロボットではないことを分かっているか?

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私が勤めている会社は昔から"グローバル"(笑)に活躍している企業ですので 、2〜3ヶ月に一度は海外のお客さんがいらっしゃいます。それこそグループ企業のトップみたいなお偉いさんから、うちの会社のサービスを参考にしたいからということで"現場レベル"の若い方まで。

そんな訳で海外からの訪問者には会社的にも慣れたものなのですが、一度上から下まで大騒ぎしたことがあります。

 

会社で大騒ぎになった事件

それはとある海外のお偉いさんがいらっしゃった時に、なんと交通事故にあってしまった時です。

いやいや、あれは大騒ぎでした(笑)。

うちの社員がそのお客さんを載せて本部へ向かっている途中に、交差点でドンガラガッシャン! うちの社員は何も悪くないのですが、横から信号無視をした車が突っ込んで来たのです。命に別状はなかったのですが、ものの見事に腕を骨折・・・。

 

救急車で運ばれたものの、まぁ意思の疎通が図れない(笑)。

一応英語が喋れる社員が病院までついて行ったものの、お客さんも英語がネイティブな人ではないので検査をするのも一苦労。「めまいって何て言うんだ?」「腰骨の辺り・・・って何ていうの?」とか、もうてんやわんやだったようです。

当然、その後の自己処理や保険の処理なんかも大変だったようで、もう社員が運転する車に乗せるのはやめようという話になったくらいでした。

 
 言語、制度、文化の違いというハードルの高さ

言語はもちろん、制度や文化の違いというのは、事が順調に運んでいる時はそれほど問題になりません。それどころか「そういう文化の違いを乗り越えてお互いの理解を深めていくのが大切」みたいに、違いや壁があることを肯定的に受け入れる面すらあります。

しかし、それはあくまで平和で安全な時の話です。

私の会社のお客さんが遭遇したようなトラブルや生命に関わるような状況に陥ったら話が全く違います。ちょっとコミュニケーションのミスが命に関わることもありますし、その人の人生を左右するようなトラブルに発生する可能性すらあります。

また記事の中で福岡県の病院の副院長が語っているように、感染症の拡散などによる影響次第では私達自身の生活にも影響が出てきます。

 

ちなみに、私が中国へ出張した時に大気汚染が(私にとっては)ひどかったのでマスクをして取引先へ行ったのですが、中国人はその程度ではマスクなんてしないから、マスクをした日本人がうろついていたら何事かと思われる。ちょっと面倒なことになるからマスクはしないでくれ、と言われました。

そのお陰で私はがっつり喉をやられたのですが・・・。

 

日本人の同質性の高さは世界でも類をみない

巷には「日本人は単一民族国家だなんて嘘だ」という人がいます。

確かに血統とか民族という意味ではそうかもしれません。

ですが、言語、制度、文化という面での"同質性"は非常に高いのが日本です。日本にいると全く気付かないようなほんの些細なことが、外国では受け入れられないことは数え切れないほどあります。そのような違いに国民が慣れて、制度や文化もそれに沿った形で育っていれば、その違いも乗り越えられるかもしれません。

 

ですが、同質性の高い日本人は自分たちが思っている以上に圧倒的に多文化に対する順応性が低いのです。「人手不足解消のために外国人受け入れの拡大を!」などと言っていますが、海外からやってくる方々にも独自の習慣や文化がある訳です。「郷に入っては郷に従え」などと言って、彼らの習慣や文化を日本式に入れ替えさせることなんてできるはずがない。

彼らは「労働力」という取り替えの利く抽象的な「ヒト」ではありません。独自の習慣や文化、アイデンティティを持った「人間」なのです

あとたった三ヶ月程度で彼らを受け入れる体制など構築できるはずがない。

 

安易な外国人労働者の受け入れ拡大は、人の尊厳を踏みにじる行為に他ならないという当たり前の事実を、受け入れを推進する政治家たちには真剣に考えて貰わなければならないのではないでしょうか。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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