世界を救う読書

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老舗食堂と技術革新のコラボレーション。生産性の向上こそが私達の生活を豊かにする。

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5年間、従業員数に変化がないにも関わらず売上を4倍、利益率を10倍に膨らませている中小企業。

しかも、完全週休2日制。就労時間も午前9:00~午後5時45の残業なし。

特別休暇は最大15日で有給消化率も80%と、“超”が付く“ホワイト企業”ぶり。

もちろん平均給与も5年前から20%以上アップ!

 

そんな企業があったらどう思いますか?

羨ましいですよね〜! むしろ私が就職したい!!(笑)

しかも大企業ではないというところがミソ。正社員、パート、アルバイトを足して40名ほどのいわゆる中小企業です。
その会社は「有限会社ゑびや」。伊勢の観光客をターゲットに、地元の特産品やオリジナル商品を扱う商店と伊勢の新鮮な食を供する和食レストランなどを営む創業100年の老舗です。
 


AI(人工知能)を活用した技術投資により、100年以上の老舗食堂にも関わらずベンチャー企業のような急成長を遂げています。詳しくは引用記事をご覧頂きたいのですが、例えばAIによる画像解析処理。
 

現在のAIの凄さは画像処理技術

現在のAI技術のすごい所はやはり画像解析分野です。このゑびやの場合でも店頭にあるカメラによって来客者の画像から集客数や人の流れはもちろん、個別の客の性別、年齢、表情から読み取る満足度、店内での動きなどの膨大な量の情報を解析します。その顧客情報と過去の売上データや気象(天気予報)、曜日、近隣の宿泊客数などを組み合わせることで、来客の数やどんな客が来るかを予測し、そういう人達が来たくなるような店頭ディスプレイの変更などを切り替えをAIが提案。より効率的な集客と、顧客満足度を高めるためのサービスを提案してくれるシステムになっています。
 
また、来客者に対するサービスの向上への投資も行っています。
食堂にiPadのようなセルフオーダー端末を導入することで、お客自身が注文できるようにしたことで店員が店内を忙しく走り回る必要がなくなった模様。その代わりにゑびやでは、その効果を活用し、店員に着物を着せるなど、接客の品質とお客様の「旅の価値」を高める工夫を凝らしています。
また、そのタブレットに、例えば、観光案内・街案内などのビデオを再生させれば、お客様は注文した品物が届くまでの時間をより有意義に過ごせるようになります。
その上、AIの画像解析処理を使った事前予測により注文されるメニューや、注文のタイミングをあらかじめ予測しておけば、お客に食事を提供するスピードを増し、お客の時間を浪費しないで済むようにもなるのです。
 
少ない労働力によって、より高い付加価値のモノやサービスを作り出すこと、これが正しい生産性の向上です。そしてそれによって労働者の生活も豊かになり、消費者もより豊かなサービスを受けられるようになる。そのために企業はとうしをしなければなりませんし、政府は企業が投資をしたり収益を労働者に分配したりするよう指導しなくてはなりません。
 

投資による生産性の向上が資本主義の基本

繰り返しますが、資本主義の基本は資本(お金)を投資することで生産性を向上させ収益を増やすことです。そしてそれによって私達の所得を増やすことです。このゑびやの実例はそのことを証明しています。
※生産性の向上とは効率性のことではありません。より多くの付加価値を生み出せるようにすることです。
 
ちょっと話が逸れますが、私は別に資本主義が絶対正義だとか言っているのではありません。現在ある経済システムの中で資本主義が、私達が豊かな生活を送れるようにする可能性が一番高いからです。あくまで、私達国民の生活を豊かにすること、それが一番の目的です。
そして資本主義がなぜ私達の生活を豊かにするのかと言えば、
 
1) 資本を投資することで生産性が上がり、収益が増える。
 
2) 収益が増えると私達労働者の所得が増える。
 
3) 所得が増えればさまざまなモノやサービスを購入できるようになり、豊かな生活を送れるようになる。
 
4) 私達がより多くのモノやサービスを購入できるようになれば、企業はより儲かるようになるので、さらに資本を投資する。
 
5) 資本を投資することで生産性が上がり…(最初に戻る)
 
という良い循環が生まれるからです。
 
もちろん企業の収益が伸びても、それが働く人たちに還元されなければ好循環は生まれません。したがってそこは政府が企業を指導しなければなりませんが、いずれにせよ投資により生産性を向上させなければ話が始まらないのです。
繰り返しますが、今回紹介したゑびやの例はそれを実践した好例です。
 

移民受け入れは国民を貧困化する

そしてまた、人手不足を移民受け入れによって解決する方策に間違っているのは、そのような資本主義の本来の道に逆行するものだからです。
なぜなら、本来人手不足であれば、労働力を確保するために企業は賃金を上げたり、労働環境を改善したりして、少しでも多くの人に長く働いてもらうための努力をしなければなりません。
それを海外から「安い労働力を買う」ことができれば、そのような努力をする必要がなくなります。日本人の労働者に対しても「お前たちがこの賃金で働かないなら、移民を雇うから良いよ」ということになります。そして、私達も移民と同じ賃金で働かなければならなくなるわけです。
 
それは私達の貧困化に繋がります。
それを防ぐために企業に移民という選択肢を与えず、投資による生産性の向上という正しい方策をとらせなければなりません。
何も難しい話ではないのですが、それだけのことが政府や国会議員の人達には理解できないのです。
 
ところが、分かっている人は分かっているのです。このゑびやの社長も、この人手不足の状況で東京のような大都市ではないところで、いかに自分たちのビジネスを成り立たせていくか?を考え抜いた上で、このようなAIシステムの導入に踏み切ったそうです。まさに生産性向上のための投資です。
 
もちろん、何でもかんでもAIを導入すれば生産性向上が図れる訳ではありません。ただ、そのような資本の投入による生産性向上を行わなければ、私達がみな貧困化の一途をたどるのは間違いないのです。 
私はそのような国民が貧困化するような可能性が少しでもある方策は絶対に採用してはいけないと思います。あくまで国家の存在目的は国民の生活を豊かで安全なものにすることだからです。
みなさんはどう思われますでしょうか?
 
 
今回も長文を最後までお読みいただきありがとうございました😊
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