「保守派とリベラル派」の意味は日米では逆になるって知ってた?
すみません。いきなりですが、謝罪から入ります(笑)。
今日はとある本の読書レビューを投稿しようとしていたのですが、「レビュー前段階の説明」で既に相当長くなってしまったので、急遽今回と次回の2回に分けます! (笑)
そんなことになるとは知らず、呑気に書き始めたレビューがこちら↓↓
みなさん生温かい目で見守ってくださいませ(笑)。
さて、今日の投稿は2019年初となる読書レビューをお届けします。
リベラル再生宣言
原題は「The Once and Future Liberal (永遠のリベラル)」
です。
アメリカの大手メディアであるブルームバーグ誌が「ブレグジットとトランプ現象を理解するための必読書」として挙げている3冊のうちの一つです。
ちなみに残り2つは
1. ジョアン・ウィリアムズ著「アメリカを動かす”ホワイト・ワーキング・クラス”という人々」
2. デービッド・グッドハート著「The Road to Somewhere」
です。
グッドハートの方はまだ翻訳版が出ていないようなのですが、グッドハートの主張は面白いのでぜひ邦訳版が出て欲しいと思っています。
※グッドハートについては下記の投稿でちょこっと紹介しました。
さて、今回取り上げる「リベラル再生宣言」に話を戻します。
著者のマーク・リラはバリバリのリベラル派の政治学者です。当然トランプ氏の大統領就任に違和感を覚えています。
そう書くとこの本がトランプ大統領への恨みつらみや、トランプ大統領のどこが間違っているのかとか、そういう批判ばかりが書いてありそうに思われるかもしれませんが、中身は全然違います。
むしろアメリカ国民がなぜトランプ氏を選ぶしかなかったのか、そこには「国民の声に応えることができなかった民主党の過ち」があるのではないかとして、どちらかと言えば民主党やアメリカのリベラル派のあり方を批判しているような内容です。
アメリカの保守派、リベラル派って何?
ちなみに、日本人にはアメリカの「保守派」「リベラル派」の違いがかなり分かりづらい構造になっています。
保守派、リベラル派の中でもかなりごちゃごちゃになっているので、正確にバシッと分けるのは難しいのですが、すっごく簡単に言ってしまうと
アメリカの保守派とリベラル派の主張は、日本とは真逆と考えると分かりやすい
です。
普通日本で保守派というと、国家や皇室を大事にする伝統重視というイメージですよね。逆にリベラル派というと、国家よりも個人が大事で自由を求めるというイメージだと思います。
これがアメリカだと逆になる訳です。
ちょっと意味が分かりませんよね(笑)。
簡単に説明しますと、アメリカは元々イギリスの植民地だったことはご存知の方も多いと思います。そこから独立してできた国なわけですから、アメリカの保守というのは「国家とか規制のような自分たちを縛り付ける何かから自由であること」を追求する道になる訳です。ですから、「国際協調主義」とかも他の国から縛り付けられることになるので、アメリカの保守派からは嫌われます。
とにかく自由。何者にも縛られない。それがアメリカの伝統だ! という意味で保守派という理屈です。
一方のリベラル派。
こちらはむしろ保守派とは違い、そのような保守的な考えに縛られずに適度な政府の規制を認め、国際的なルールに従うことが大事だ、という考え方になります。
どうでしょうか?
日本の保守派、リベラル派という考え方とほぼ真逆だと言っても良いのではないでしょうか。
今回レビューする「リベラル再生宣言」の著者マーク・リラは、そのリベラル派の立場からアメリカの政治をどのようにして再生していくべきか? を論じています。
正直なところ、リベラル派を鼓舞するための本みたいな感じなので、日本人の私達にとっては「知らんがなww」ということも多いので、ある意味「話し半分」で読める内容です。
しかし、アメリカのリベラル派が陥っている現状とそれを招いている社会病理の考察は、私達に日本の現状にもかなり通じる部分がありとても興味深い内容になっています。平成という時代が終わり新しい時代が来ようとしている今、戦後・・・特に1980年代以降、日本という社会の精神がどのように歩んできたのかを考える上でのアナロジー(類推、類比)として格好の本だと思います。
という訳でお勧めの一冊なのですが、うわあああ、ここまででメチャクチャ長くなってしまったので、内容のレビューは次回に〜〜〜〜(T_T)
前置きが長すぎるわ!!! 待て! 次号!(笑)
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆