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働き方改革のデメリットは、あなたの将来をどん底に突き落とすこと

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昨年は平成最後の大判振る舞いとばかりにあまりにも色々なことがあり過ぎました。

その中ですっかり忘れ去られてしまった感がありますが、私達の将来をどん底に突き落とす法案が昨年可決されたのを覚えてらっしゃいますでしょうか?

 

それは昨年6月に可決された「働き方改革関連法案」そして「高度プロフェッショナル制度」です。

 

"高度プロフェッショナル”という名称や、年収1,075万円以上の高度な専門的知識を必要とする専門職に関しての制度と言われているせいか、「自分には関係ないや」と思っている方も多いようです。

また、中にはいわゆる「高給取り」の人たちに対するルサンチマンから、「いいぞ! もっとやれ!」と煽るような声さえネット上では聞かれました。

 

一応与党の説明としては、労働時間管理をやめて成果に基づいて勤務評価をする制度だと言われています。しかし、

恐ろしいことに実はこの高度な専門知識を必要とする専門職というのが具体的にどんな職種を指すのか、法律上規定されていません。

対象となる職種は厚生労働省が出す”省令”で規定されます。

いわば官僚(と政治家)が独断と偏見で、国民には何のことわりもなく決めることが可能なのです。

 

あなたの仕事も「高度プロフェッショナル」!!

したがって、これは数年もするとあらゆる職種が対象となっていく可能性が高いのです。実際、今では当たり前のようになった「派遣労働者」ですが、これも労働者派遣法が制定された当時は13の職種に限定されていました。ところが10年ほどで原則的には自由に派遣労働者を適用できるようになりました。

 

もしあなたが今働いている仕事が高度プロフェッショナルに当たると判定されれば、極端な話、毎日12時間休憩なしで働かせることも可能です。それどころか4週間で4日間休ませれば残り24日間は24時間働かせてもOK! もちろん残業代など発生しません。

それどころかこの1,075万円以上という基準は”もらえる見込みの給与”です。実際に支払われた金額ではないのです。ですから、成果による評価に基づいて「成果が出ていない」と経営者に判断されれば1,075万円以上支払われなくても法律上何も問題がないことになってしまいます。

 

正に働かせ放題!!

その上、仮にそれで死亡するようなことがあったとしても、法律上は何も問題がありませんから、 過労死という存在そのものが日本からなくなります!!

いかがでしょうか?

これでも「働き方改革なんてうちには関係ないよ」なんて言っていられますでしょうか? 

 

 

「自分には関係ない」と判断する前に

ちょっと話が逸れますが、20世紀のドイツの神学者マルティン・ニーメラーという人物がいました。ナチスの設立当初には党員だったのですが、ナチス反ユダヤ主義を標榜し始めた時に脱退し、反ナチスに回ったそうです。
私は神学関係には疎いのでこの方のことはあまりよく知らないのですが、この方がある有名な言葉を残しています。

 

ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
 私は共産主義者ではなかったから
 社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
 私は社会民主主義ではなかったから
 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
 私は労働組合員ではなかったから
 そして、彼らが私を攻撃したとき
 私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

 

誰かが攻撃されても自分には関係ない、と思って黙っていたら、その内攻撃の対象が自分に向けられた時には誰も助けてくれない、ということです。


世界では日々いろいろな問題や事件が起こっています。
何もない平和な日、というものは存在しないのです。
もちろんその全てに関心を持て!などということは無茶です。皆それぞれの人生があり、生活もあるのですから基本的には自分の目が届く範囲にしか関心を持つことはできないと思います。

とは言え「自分のことにしか関心がない」というほど狭い了見では人間が生きていけないのも事実です。自分の目先のことはもとより将来のこと、家族の現在や未来も考えていかなければ生きていけません。

 

確かに世の中の全てを自分のこととして考えるのは無理かもしれません。でも、「自分には関係ない」と思う前にほんの少しでも「いや、ちょっと待てよ・・・」と考えてみてください。

そのほんの少しの「ちょっと待てよ」という気持ちを持つことが、もしかしたら自分の将来を大きく変えるかもしれないのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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