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元号の意味を考えると分かる"時代の逆行生"

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皆さんご存知の通り新しい元号が決まりましたね!
所詮元号、されど元号。人生にそう何度も立ち会える瞬間ではありません。考えてもみてください。
昭和は64年まで続いたわけですから、昭和しか知らずに人生を終えた人も大勢いるのです。それを考えればわたしなどは、昭和、平成、令和と3つの元号を生きるということでとても幸せなことです。


という深い感謝の念を込めて、折角ですので今日は新元号「令和」について書いてみたいと思います。決して流行に乗っかっているわけではありません!!ww

 

元号に込められる願い

令和に決まった時に私が驚いたのは、「和」の文字が入っていたことです。

一人の天皇に対して一つの元号という「一世一元の制」になったのは明治時代からですが、それ以前も元号というのは天皇が代替わりした時に加え、疫病や天災などが起こった時、元号を変えることで世を清めるというか新しくするような理由で変えられることが多かったのです。

それは一世一元になった明治以降も同じで、その時代性を反映し、次なる時代に対する願いが込められています。

 

例えば「明治」は「聖人南面して天下を聴き、『明』に向ひて『治(おさ)』む」という言葉から来ています(「易経」より)。これは「聖人が北極星のように顔を南に向けて天下の人々の声を聴けば、天下は明るい方向に向かって治まる」という意味が込められています。

大正も「『大』亨は以って『正』天の道なり」という言葉が由来となっています。意味は「天が民の言葉を嘉納し、政が正しく行われる」という意味。

昭和は五経の一つである書経にある「百姓『昭』明・協『和』万邦」という言葉が由来。国民の平和と世界の共存・繁栄を願うという意味が込められています。

そして、今の「平成」も同じく書経の「地『平』かに天『成』る」という言葉それぞれから平成と付けられました。「内外、天地ともに平和が達成される」ようにという願いが込められているのです。

 

「和」の字が入った意味

そして今回は「令和」。

この言葉が万葉集の一首から取られていることは、既に内閣から説明があった通りです。

 

初春の令月にして
気淑く風和らぎ
梅は鏡前の粉を披き
蘭は珮後の香を薫らす

 

「令」という言葉に「命令」とか「決めごと」とかいう意味が思い浮かびますが、 この字には「めでたい」という意味や、この句にある「令月」が陰暦の2月を意味することから、寒い冬から新しい春の芽生えを意味する言葉でもあることで、何か新しいことが始まるという意味も込められているようです。

 

ただ、もう一つの漢字である「和」。

もちろん、平和の和でもあるので良い意味なのですが、先程書いたように元号には「願い」が込められるのが通常です。ということは、現在の時代は「和」を願っている・・・ということになるのではないでしょうか。

平成の前である「昭和」にも和の字が込められているように、この時も第一次世界大戦が終わり「平和」が希求されていた時代でした。ところが、残念ながら昭和という時代は様々な意味で激動の時代となったのは皆さんが知るところです。

 

日本国内で広がる経済格差と多発する天災。

海外に目を向ければイギリスのEU離脱、アメリカと中国の貿易戦争など、”危機”を予感させる出来事が次々と起こっています。この「和」の字が入ったことが、まさに「平和」を求める現在の時代の空気が既に内包されている気がするのです。

そして、平和を求めながら平和を実現できなかった昭和。

世の中が平らかになることを求めながら、皮肉にもグローバル化という"フラット化"で「平らに成り」、弱肉強食化が進んだ平成。

 

それと同じことが「令和」にも起こらないこと。

平和が続く時代であることを切に願います。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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