世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

人口減少問題はデタラメが多すぎる。人口減少の本質と対策とは何か。

f:id:Kogarasumaru:20190414110051j:plain

「日本の借金1,000兆円! 日本は経済破綻する!!」の話とともに、最近よく取り上げられるニュースがこの「日本の総人口減少!!」というやつです。

 

記事によりますと

総務省が12日発表した2018年10月1日時点の人口推計によると、外国人を含む総人口は17年の同じ月に比べて26万3千人少ない1億2644万3千人だった。減少は8年連続。減少率は0.21%で、統計を取り始めた1950年以来、最大となった。

労働の担い手となる15~64歳の「生産年齢人口」は、51万2千人減の7545万1千人だった。総人口に占める割合は59.7%で、50年以来最低となった。人手不足が成長の足かせとなりかねない実態が浮き彫りとなった。

 だそうです。

 

数年前からこの「日本の人口減少」ネタがニュースで取り上げられていて、その時は決まって「若い人が減って将来の社会保障が〜」という話に直結するのが常でしたが、ここ最近の特徴としてはこれに「人手不足」ネタにくっつけて

 

日本の人口減少  → 人手不足 → 移民受け入れ待ったなし!

 

の三段論法を展開されることが増えました。

もうね、はっきり言ってあまりに型にはめられた”定型文ニュース”で、

「お前ら(マスコミ)、やる気あんの??? そんなニュースしか報道できないんだったら、もうAI(人工知能)にニュース書かせれば良いんじゃね???」

と思ってしまいますww

 

そもそも人口減少=国家の衰退ではない。

そもそも日本の人口減少率は0.21%ほどの話で、ほとんど誤差レベル(まぁ、“誤差”ではないんですけどね)。しかも、これ自体はもう何十年も前からこうなることは予測されていた訳で、別に今さら騒ぎ立てることじゃないです。

世間では「人口減少が経済の衰退と国家の衰退をもたらす」みたいなことを言っている人がいます。それは人口減少によって「モノを生産する力(供給力)」と「モノを消費する力(需要)」が減少して、経済規模が小さくなるからだという意味だと思いますが、1億2千万の人口が突然核戦争で2,000万人に減少したとかいう話でない限り、供給能力も需要も日本という国が崩壊するほどのダメージを与える訳がありません。

人口減少が即座に国家の衰退につながる訳ではありませんので、一旦落ち着いてください(笑)。

 

人口減少=社会保障費の負担増というのもデタラメ

また、人口が減少・・・特に若い人が減り、高齢者が増えることで社会保障費の負担が増して、将来若い世代が高齢者を支えきれなくなる!! とかいうことを言う人もいます。

これもデタラメです。

この論理は

 

高齢者はお金を稼ぎにくくなる (一部例外はいますが・・・)ので、若者の“稼ぎ”に頼らなくてはいけなくなる。しかし、若者の人口が減っているので、高齢者の医療費などが負担できなくなる

 

ということですが、この問題のポイントは「医療費という“お金”を誰が稼ぐのか」という部分です。誤解を恐れずに言ってしまうと、

医療費という「お金」自体は誰も稼ぐ必要がありません。

なぜなら、そんなモノは政府が発行してしまえば済むからです。

 

こういう事を言うとすぐに「そんな事をしたら日本は財政破綻するぞ!」とか言う人がいますが、日本が「日本円」という自国通貨で運営されている以上、日本が財政破綻なぞする訳がありません。

歴史上、自国通貨を運用していて財政破綻した国は存在しません。

財政破綻した国というのは、他国から外国通貨でお金を借りて、それが返せなくなった時だけです。

 

人口減少の本当の問題点とは?

問題はそんなことではなくて、お金をいくら発行できようとも「実際に医療サービスを行う力(人や物)が足りなくなって、お金をいくら積んでも医療サービスを受けられなくなること」です。こちらの方が遥かに問題なのです。

 

そういう意味では人口減少の問題は、人口減少そのものよりもこの記事にあるように、医療サービスなどの“モノとサービス”の生産を支える生産年齢人口の減少です。

ただ、この次の問題は、生産年齢人口の減少という問題に対応するために「人手不足を移民で補う」という手段を取ろうとしているところです。

 

確かに国内の労働力が足りないという問題を解決するために、どこか別の国から人を持ってくれば良いというのは、分かりやすい解決方法です。

しかし、それには大きな問題があります。

それは本来であれば自国の若者に配分されるはずの所得が、外国人の手に渡ってしまい、若者の所得が増えていかないということです。若者の所得が減れば当然彼らの人生設計にも障害が発生します。例えば「このままの年収が続くのであれば結婚できない。」とか、あるいは「結婚しても子どもは一人しか育てられない。」というように、人口減少無限ループとそれによる消費活動の低迷の無限ループが発生するからです。

 

つまり、「若者の貧困化の無限ループ」です。

当然この若者も数十年すれば中年、高齢者になるのですから、日本人全員が貧困化というコースになります。

 

したがって、確かに生産年齢人口減少というのは大きな問題ですが、それを移民受け入れという対策によって解決しようとすると、「日本人の総貧困化。ただし一部の富裕層を除く。」という、正に日本の衰退路線へとはまり込んでしまうことなのです。

 

そのループから脱出するためには、若者だけでなく国民全体の所得を上げることです。

そのためにやるべきことは、国民一人当たりの生産力を高めるための投資を国が積極的に行うことです。さっきも書いたように自国通貨で経済を運用している国が借金問題で破綻するなどということは絶対にありえないのですから。

 

なぜか人口減少というとそれだけで「もう日本終わった」みたいな暗いイメージを持たれますが、別にそれ自体は恐れることでも何でもありません。

その問題点の本質が分かれば、日本という国にはまだまだやれることがいくらでもあるということが誰にでも分かるはずなのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

このサイトについて プライバシーポリシー
Copyright ©2020 Sekadoku (世界を救う読書管理人)