世界を救う読書

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最悪だった時代を天皇の活躍で美談に仕立て上げた。それが平成。

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いよいよ平成という時代が終わり、令和という新しい時代が始まります。

この平成という時代を振り返る時につくづく思うのが

 

平成という時代が本当に最悪だった

 

ということです。

 

平成2年の消費税導入からの、平成3年から始まるバブル崩壊。それをきっかけにした長期景気後退。

それにも関わらず1997年、2014年と二度にわたって消費増税を断行し、1997年に比べ国民の1世帯当たり平均年収は130万円も減少。

また、阪神・淡路大震災、東日本大震災、西日本豪雨などなど未曾有の大災害が日本中を襲いました。

 

最悪の時代を天皇の祈りが辛うじてつなぎ止めた。

しかし、そのような暗黒の時代において、辛うじて光をつないだのが今上天皇による全国各地のご訪問ではなかったかと思います。昭和の時代は太平洋戦争の影響からか特に戦後は「天皇」に対する国民の敬意が薄くなっていた時代でしたが、平成のような最悪の時代においては、天皇の「無私の心」「国民の安寧を祈る」という行為が国民を何とか踏みとどまらせて来た要因の一つだったのは間違いないと思います。

 

そういう意味では、戦前とは全く別の形で天皇の下で国民の団結が見られた時代、それが平成だったとも言えるのではないでしょうか。こんな事を言っても仕方ないかもしれませんが、もし天皇という存在が日本になかったら、この30年間は日本という国が崩壊してどこかの植民地になっていてもおかしくなかった時代ではないかとさえ思います。

 

とてつもない凋落っぷりの日本の実情

「何を大げさな」と思われるかもしれません。

しかし、これは大げさでも何でもありません。

例えば、先程書いたように平成に入ってから日本人の世帯収入は130万円も減少しています。実質賃金は15%も減少。

1995年から2015年までの20年間で見ても、日本の経済成長率は-20%。世界でダントツの最下位を記録しています。一方同じ期間で中国は1,414%も成長しています。

(藤井聡著「『10%消費税』が日本経済を破壊する」より)

 

その原因を「日本は成熟社会だから」とか「人口減少が〜」とか「少子高齢化で〜」とか的はずれな理由を述べる人が多いのですが、全然違います。

成熟社会、人口減少、少子高齢化、これらに当てはまる国は別に日本だけではありません。もし本当にそれらが原因であれば、それに当てはまる国は全て経済が後退しなければなりません。しかし、実際には経済が後退しているのは日本だけなのです。

 

日本凋落の原因は至って簡単

では何が原因なのか?

それは簡単です。

日本が進めてきた経済政策が完璧に間違っていたからです。

日本は平成に入ってから財政支出の削減、消費増税、規制緩和、民営化、グローバル化といった、いわゆる“構造改革”的な政策を進めて来ました。これらは全て間違いだったのです。

なぜなら、これらの改革は全て「インフレ対策」だからです。

日本が陥っているのは「デフレ」です。デフレというのはモノやサービスを作り出す供給能力が余りすぎていて、消費する側が追いつかない状況です。

 

ですから、正しいデフレ対策とは、国民がモノやサービスを買える力(消費力)を強くして、過剰な供給能力を消化できるようにしなくてはなりません。あるいは過剰な供給能力を抑えることも一つの手でしょう。

ですが、平成時代にすすめてきた政策(財政支出の削減、消費増税、規制緩和、民営化、グローバル化)は全て、逆なのです。

 

消費する力を強めないといけないのに、消費増税&財政支出削減で消費力を弱体化。

過剰な供給能力を抑えないといけないのに、規制緩和&民営化&グローバル化で供給能力を強化。

 

全く真逆です。これらは全部インフレ対策なんですよ。

 

普通に考えればこんな非合理な政策がとられるはずがありません。しかし、実際にはこの真逆の政策が平成の時代を通して行われ、今もなお採られ続けています。なぜでしょうか?

 

なぜ間違った政策が進められてきたか

ズバリ、国民がそれを支持しているからです。

自分たちの生活が貧困化していったことの原因を真剣に考えようともせず、デフレとインフレの違いすら考えることもなく、「自分たちが苦しい思いをしているのに、他に美味しい思いをしている奴らがいるのが許せない。あいつらを引きずり下ろせ! もっと競争を激しくして、俺たちが良い思いもできるようにしろ!」という怨嗟が、この国の政策を何十年もの間誤らせてきたのです。

 

そのような他人を羨み、引きずり下ろそうとすることを国民がこぞって求め続けてきた平成という時代に、今上天皇は国民に寄り添い、「無私の祈り」を捧げ続けることで辛うじて日本という国は国の形を保つことができました。普通の国だったら、とっくにクーデターが起こって壊滅しているでしょう。

今上天皇の行いは非常に美しいものではありましたが、私たち国民が天皇陛下におんぶにだっこされるわがままし放題の“ぐうたら息子”だったとも言えると思います。

 

私たちはいい加減、自分たちが行ってきたことの誤りを見つめ直さなければならない時が来ています。そうしなければ新しい令和という時代は平成以上に辛い時代になるでしょう。

しかし、逆に言えばそのような誤りを認めることで、新しい一歩を踏み出すことができるとも言えます。何と言っても5%への消費増税、そして8%への消費増税でこれだけ貧困化しているにも関わらず、今だに半分近くの人たちが「10%への消費増税を賛成」しているような国なのです。

自分たちがどれだけ苦しんでも、それに耐えようとする恐ろしい忍耐力を持った国民、それが日本人です。現在の状況を生み出している原因をちゃんと見つめ直せば、きっと何が正しくて何が正しくないのかを判断できるし、それを実現するための努力も必ずできる。その強さを持っているのが日本人だと私は思います。

 

この令和という新しい時代にはきっとそれを成し遂げることができると、私は日本人の底力を信じています。 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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