老後2000万円問題で責任者が退任?? 政府のパワハラが酷すぎる。
最初の報道から既に1ヶ月近くが経っているにも関わらず、一向に収まる気配のない「老後に2000万円必要」問題。
その発端となった金融庁の報告書をまとめた責任者が退任することになったそうです。
局長は辞めさせられたのか??
NHKの記事によりますと
金融庁の幹部人事が発表され、老後の資産形成に関して「およそ2000万円が必要になる」などとした審議会の報告書を取りまとめた担当局長が退任することになりました。局長クラスは、定年を延長して引き続き務めるケースもあるということですが、今回は定年を理由に退任するということです。
ここでは局長が退任したと書かれていますが、これと同じ「職を辞める」ことを意味する言葉に「辞任」というものがあります。
「退任」と「辞任」。
似たような言葉ですが、その違いは「自分の意思で辞めるかどうか」です。
辞任というのは、自らの意思でもって職を辞すること。
退任というのは、自らの意思で辞める場合も、組織からの命令で辞める場合も含まれます。
つまり、今回の「局長退任」というのは、自分の意思で辞めたのか、上からの圧力で辞めさせられたのか分からないわけです。
一応記事によると丁度定年を迎えるということですので、今ネット上で言われているように「トカゲの尻尾切り」なのかどうかは分かりません。
ただ、事実がどうあれ、タイミングが最悪だったのは間違いありません。
仮に本当に圧力など関係なく辞めたのだとしても、このタイミングで辞めれば世間から否定的な目で見られるのは、誰にでも想像がつきます。
本人の意思であれば仕方ありませんが、本当なら金融庁は“むしろ留意して職にとどまってもらうべきだった”のではないかとさえ思います。
報告書の存在を知らなかったとしたら政治家としての資質に欠ける
そもそも発端となった今回の報告書。
麻生大臣は「政府の方針と違うから受け取らなかったから正式な報告書ではない」などと言っています。
また、自民党の二階幹事長は国会の会期中に、この件について野党から審議要求があった際に「政府は受け取っていないのだから正式な文書ではない。だから審議をする必要がない。」などと言って突っぱねました。
ただ、そもそもこの報告書というのは、金融庁が勝手に自己判断で作ったものではないのです。
官僚というのは組織から命令があって初めて動くものですから、「独自に考えて提言する」などということはあり得ません。
つまり、組織の上層部からこのような内容の報告書をまとめるよう指示があったことは間違いないことですし、麻生大臣が“直接指示をしたか”は別としても、少なくとも秘書官からは「このような報告書をまとめさせています」という報告は聞いているはずです。
もし麻生大臣が本当に「政府の方針と違う」と思っているのでしたら、そのことを知った時点でやめさせていたはず。
しかし、実際には報告書が公になって大騒ぎになったから「俺はこんなの受け取らん!」と突き返したのです。
これを「パワハラ」と言わずに何をパワハラと言うでしょう(笑)。
いや・・・笑い事じゃないんですけどね。
でも、普通の会社に置き換えてみれば
上司が部下に報告書をまとめるように指示する
↓
部下が関係者の意見を調整しながら、分析を重ね報告書をまとめる。
↓
部下が報告書を上司に提出する
↓
上司が「誰がこんなもの作れと言ったんだ! 俺は知らんぞ!」と怒鳴りつけられる
↓
部下が責任を取って辞職
ということですからね。
「働き方改革」とか言っている政権の中枢がこの有様ですから、もうどうしようもないですね。
これで働き方改革だ、自由な働き方だ、ハラスメント撲滅とか言われても全く説得力がありません。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆