世界を救う読書

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日本とアメリカの富裕層の決定的違い

みなさん、「スーパーリッチ」という言葉をご存知でしょうか?

世界第一位の経済大国のアメリカの中でも、上位0.1%しかいない超富裕層のことです。

例えばアマゾンのCEOであるジェフ・ベゾス氏は保有資産が約1310億ドル(約14兆6千億円)にもなるそうです。

スーパーリッチの意外な提言とは?

そんな名実共に「スーパーリッチ」な方々が、何と次期大統領戦に向け「アメリカ国家はもっと富裕層に課税すべきである」という提言を行ったそうです。

その冒頭は次のような文章から始まります。
我々は、大統領の候補者全員に、最も富裕な0.1%のアメリカ人に対する課税を支持するよう求める。次の新税収は、中〜低所得のアメリカ人からではなく、最も財政的に富裕な人たちから来るべきです。

アメリカは私たちの富にもっと課税する道徳的、倫理的、経済的責任を持っている。資産税は、気候危機への対処、経済の改善、健康への影響の改善、公平な機会の創出、そして民主的自由の強化に役立ちます。資産税の徴収はアメリカの利益になるものだ。

うーん、すごいですね。
超富裕層みずからが、自分たちへの課税を増やすことがアメリカ全体の公共の利益に資すると課税を求める。
確かにこのレベルになれば税金が多少上がったところで生活に困るわけではありません。
それでも自分たちにもっと課税しろ!とはなかなか言えるものではないと思います。

 

日本に超富裕層はいるのか?

それに対して我が国の富裕層の状況はどうなっているのでしょうか?

 

日本にはアメリカのような「スーパーリッチ」はあまりいなさそうですが、案外そうでもないのです。実は住宅とか車などを除いた投資用の資産を1億1,000万円 (100万ドル)以上保有している富裕層が日本には300万人もいます。
これは実はアメリカに次いで世界第2位で、中国よりも多い数字。今や日本経済の3倍以上とも言われる中国経済よりも富裕層が多いというのは驚きです。

 

ちなみに、保有資産3000万ドル(約33億円)以上の世界の「超富裕層」の人口は2018年に25万人を超えています。
それらの超富裕層が住んでいる都市のランキングがこれ。

1位:香港/1万人
2位:ニューヨーク/8900人
3位:東京/6800人
4位:ロサンゼルス/5300人
5位:パリ/4000人
6位:ロンドン/3800人
7位:シカゴ/3300人
8位:サンフランシスコ/2800人
9位:ワシントンD.C. /2700人
10位:大阪/2700人

 

何と東京に6,800人、大阪に2,700人もいるんですね。

 

では、彼ら日本の富裕層への課税はどうなっているのでしょうか?

 

所得が増えるほど税金が安くなる?

財務省が2015年に発表した資料によりますと、日本では所得が1億円までは所得が上がるほど税金が高くなっています。

しかし、1億円を超えるとそれ以降はむしろ税金が安くなっているというのです。

 

所得順に税率をザッと書いてみますと

 

1億円だと27.5パーセント 

2億円だと26.1パーセント

5億円だと23.2パーセント

10億円だと19.1パーセント

20億円だと17.6パーセント

50億円たと13.1パーセント

100億円だと11.1パーセント

 

なんと所得が1億円の時が一番高く、それ以降はどんどん税率が下がっているのです。

ちなみに、所得が10億円を超えると、所得のうち半分以上が株式譲渡による所得だと言われています。

50億円を超えると平均で86.2パーセントが株式による所得!

 

その一方で、昨日発表されて勤労統計なように労働者の賃金は一向に上昇しないのです。

そりゃ、格差も広がる一方ですよ。当たり前です。

 

私は別に儲かっている奴らからふんだくれ!とは言いません。

ただ、お金というものは社会を正常に機能させるための血液みたいなものですから、やはり特定の場所で滞留するのは良くないと思います。

格差が進むことで社会も不安定化しますし、それこそ悪しきポピュリズムが蔓延する原因にもなります。

 

そういう意味では、所得の再配分機能をもっと高めるような税制の健全化は必要なのではないでしょうか?

 

私はアメリカという国はあまり好きではありませんが、それでも今回のスーパーリッチ層が提言したような意見が、課税される側から出るような環境というか空気感というか、社会に対する責任感を持った人達が政治に近いところに多くいることは羨ましいことだなと思います。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございます😊

 

 

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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