意外と知らない消費増税。税率は5通りに。ポイント還元は期間限定。
10月1日に迫った消費増税。
「店内で食べるか、持ち帰りかで税率が違う軽減税率とかいうのがあるんでしょ?」
「キャッシュレス決済だとポイント還元があるんでしょ?」
というのは皆さんご存知かと思いますが、次のことはご存知でしょうか?
実は今回の増税では
・消費税率は5パターンに分かれる
・キャッシュレス決済のポイント還元は9ヶ月間限定
なのです。
[目次]
消費税率は5パターンに???
今回の増税後、キャッシュレスで決済するとポイントが還元されるらしいというのは多くの人がご存知かと思います。
改めて説明すると、この場合の「キャッシュレス決済」とはクレジットカード払いやスマホのQRコードでの決済のように、現金以外で支払いをすることです。そして、ポイント還元というのは、そのキャッシュレス決済を行った場合の購入額の一部を国が「ポイント」として国が還元するというシステムです。
したがって、よく言われているようにそもそもスマホを持っていないお年寄りとか、基本現金払い派の人のような、いわゆる「キャッシュレス弱者」の人には何のメリットもない制度です。
ここまでは多分皆さんご存知かと思いますが、意外と知られていないのがこのポイント還元の「還元率」が店舗によって違うということです。
実は百貨店や大手スーパーなど大企業の店舗で買った場合、キャッシュレス決済でもポイント還元はありません。ポイント還元が行われるのは中小店舗での購入の場合のみです。
そしてその場合でも店舗規模によって還元率が違います。
個人経営の中小店舗だと5%還元。
一方、皆さんが普段利用する大手コンビニやマクドナルドの場合、店舗自体は中小規模なので5%還元になりそうですがポイント還元は2%。しかもこれは“フランチャイズ店舗”の場合、本部直営の店舗の場合はポイント還元は0%です。
※ただし、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートに関しては、本部の自己負担で全店2%還元を実施。
という訳で、まとめますと下記のような形に税率(ポイント還元反映後)が分かれることになります。
<軽減税率対象外商品>
百貨店や大手スーパーなどで購入: 10%
大企業のフランチャイズやコンビニ大手3社で購入: 8%
中小小売店で購入: 5%
<軽減税率対象>
百貨店や大手スーパーなどで購入: 8%
大企業のフランチャイズやコンビニ大手3社で購入: 6%
中小小売店で購入: 3%
10%、8%、6%、5%、3%の5通りという訳ですが、これちゃんと管理できるんですかね・・・。
ちなみに私はこのブログを投稿した翌日には忘れる自信があります!! (笑)
政府が消費税公式アプリを配信?
このように一言に「キャッシュレス決済でポイント還元」と言っても、実際どれくらい還元されるか、そして「そもそもこの店舗では還元されるのかされないのか?」もめちゃくちゃ複雑で
こんなの誰もわかんねーだろww
という感じです。
一応政府としても下記のような「ポイント還元店舗マップサービス」を公式アプリとして提供するようですが
いちいちそんな事調べてお店に入るわけねーだろ!!
と思うのは私だけでしょうか?
キャッシュレス決済のポイント還元は9ヶ月間限定
そして意外と知られていないのがこれ。
キャッシュレス決済によるポイント還元は9ヶ月間の期間限定キャンペーンで、2020年6月末までだということです。
つまりこれだけ複雑なポイント還元キャンペーンを行っておきながら、2020年7月1日からはポイント還元は一切なくなるのです。
一時期、個人経営の中小店舗向けに「消費増税後のポイント還元に対応した新しいレジを購入しましょう!」というテレビCMがバンバン流れていたのを薄っすら覚えている人もいるかと思います。
何十万円もする新しいレジを購入し、ポイント還元対象かどうかお客さんに説明する手間暇をかけて準備するのに、来年6月までww
個人経営の店舗だと本当に「冗談じゃねーよ!!」と怒り心頭だと思います。
ですが、そういう個人経営と縁遠い方はこれ、意外と知らないようです・・・。
ポイント還元終了後に残るもの
では、このポイント還元キャンペーンが終了した後はどうなるのでしょうか?
言うまでもなく純然たる増税です。
ましてや5%ポイント還元だった物に関しては、一気に5%もアップ(3%→8%、5%→10%)することになるわけです。
さらにもう一つ。
それはポイント還元キャンペーン時に申し込んだクレジットカードやアプリといったキャッシュレス決済のためのツールによって、個人情報が企業にダダ漏れになるという"特典"(??)があります。
最近流行りの「ビッグデータの活用によるビジネスの活性化」というお題目の下、みなさんが
「いつ、どこで、何を買ったか。」
「それを買う前後にネットで何を調べたか?」
「あなたがどこに住んでいて、何歳で、どんな嗜好や考え方を持っているのか?」
という全ての個人情報が企業間で売買されます。
あなたのスマホに次々と“オススメ商品”や“あなたにだけ特別”といった情報が送られ、キャッシュレス弱者を狙った新手の特殊詐欺も横行するでしょう。
さらに、さらにもう一つ。
それは「今回の増税による経済や社会への影響の責任が曖昧になる」ということです。
確かに今回の増税の経済への悪影響は、軽減税率やポイント還元によってある程度緩和されると思います。
しかし、ポイント還元が6月で終了し、その後にはオリンピック特需も終了。その上、米中貿易戦争などの世界経済の不安定化によって、日本経済は確実に縮小します。
1997年、2014年の消費増税後の動きを見れば、消費増税の翌年にはすぐにその影響が出始めます。それがポイント還元キャンペーンによる"誤魔化し期間”を設けることで、経済の悪化が上記のような消費増税以外の複数の社会的要因と一緒くたにされます。
つまり「今回の景気悪化は世界経済の悪化などの複雑な要因が絡み合っており、必ずしも消費増税が原因とは言えない」という言い訳を政府に与えてしまい、責任追及ができなくなってしまうのです。
それでも。
日経新聞などによる最近の世論調査によれば、過半数の国民が消費増税に賛成しているというのが実態なのです。
残念ながらこの複雑怪奇な消費増税とポイント還元を世論が支持したことにより、国民が自らの手で地獄への扉を開いてしまったのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆