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お金のこと知らない経済学者が発するデタラメが国民生活を破壊する

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かつてジョーン・ロビンソンという経済学者はこう述べました。

「経済学を学ぶのは、経済学者に騙されないためだ。」と。

経済の話、お金の話というとついつい敬遠されがちですが、私たちの生活を直接左右するのが他でもない経済の話です。

ですから、経済学を専攻するというほどではなくても、一人一人がある程度興味を持って接することはとても大切なことです。

「面倒くさそう」

「お金の話ばっかりでケチくさい話をしてる気がする」

そういう気持ちもすごく分かります。

でも、この話を避けていると、経済学者のとんでもない理論のために私達の命も脅かされてしまうのです。

 

例えばこちらの記事が典型ですが、国民の人生を左右するような政策を提案しながら、実のところ自分は「お金とは何なのか」すら全く理解していないというトンチンカン経済学者の典型。

これはニッセイ基礎研究所の専務理事という肩書の人物のものですが、これ位の地位の経済学の専門家でも、「お金って何なのか?」を理解していないことが明らかに分かります。

 

曰く 

社会資本を使用可能な状態に維持するには、毎年相応の維持コストがかかるだけでなく、何十年かに一度は大規模な改修工事を行う必要がある。

(中略)

社会資本を作れば子供や孫の世代も利用できるので資産になるが、一方でそれを維持・更新する費用が将来の世代の負担として生じることになる。社会資本を後世代にできるだけ多く残せば、それだけ将来世代が助かるというわけではない。人口減少が予想されている我が国では、利用者が大きく減少する施設の発生が予想される上、社会資本整備に割ける費用も大きく伸ばすことは難しくなるので、現在保有している社会資本を全て維持した上で、さらに新しい社会資本の整備を行うことは無理だ。

 とのことです。

難しい言葉で書いていますが、要するにこういうことです。

 

「日本は借金大国でお金がない。災害対策でインフラが必要だとか言ったって、建設費用だけでなく、その維持の費用も掛かるんだぞ。お前らわかってんのか?

そんな金が掛かることをやるくらいだったら、危ない所からはさっさと引っ越してインフラに投資する費用を削れ!」

 

と。

 

はっきり言って、この人は経済の専門家でありながら「お金とは何か?」を全く理解していません。昔の大判小判のように使えば無くなるもので、お金は有限だと思っているのです。

ズバリ、これは西欧が中南米に侵略して金銀財宝をぶんどり、それを富の源泉にしていた「中世の価値観」です。

 

前回の投稿で紹介した現代貨幣理論でもそうですし、歴史的に見てもそうなのですが、お金というのは誰かが誰かに貸し付けた「債務の記録」です。具体的には銀行が誰かに貸し付けた時に生み出されるものなのです。

<参考: 前回取り上げた現代貨幣理論>

 

したがって、貸付が増えるほど世の中に出回るお金も増えます。

現在の日本でお金が不足しているのは、銀行から貸付を受けようとする人がいない・・・つまり個人や民間企業が借金をしてまでお金を使おうと思ってないからです。

 

だから、むしろ「通貨発行権」といういくらでもお金を生み出せる宇宙最強の権力を持つ日本政府がガンガンお金を使えば、世の中に流通するお金が増えるのです。

そういう意味では、むしろ昨今の災害の増加に対応して国土強靭化を図ることは、是非とも日本政府がガンガンお金を使って行うべきなのです。

「お金は天下の周りもの」とは昔から言いますが

 

個人もお金を使わない。

企業もお金を使わない。

政府もお金を使わない。

 

そんなんじゃ、世の中が潤うわけがないのです。

確かに個人や企業はお金を発行する権限がありませんから、手元にあるお金で何とか対応するしかありません。しかし、国家は違います。国家は通貨を発行できる権利があり、日本のように自国通貨で運用している国であれば、いくらでもお金は発行できるのです (実際にはインフレ率という制限があり「無制限」ではありませんが、面倒くさい話になるのでここでは割愛)。

 

そんなことも知らずに「インフラ整備は将来世代への負担になるから止めろ。諦めて、ふるさと捨てて都会に移れ」などという経済学者には「経済」を語る資格はありません!

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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