労働者の使い捨てを“ヒット商品”と呼ぶ。それが日経新聞。
日経新聞の中でも特にマーケティング関係の記事を取り上げる日経MJという新聞があるのですが、それの1月1日付の記事で、「世界各国の2019年度ヒット商品」を紹介する特集記事がありました。アメリカのヒット商品ベスト5として取り上げられていたのが
1位 宅配サービス
2位 CBD入り食品
3位 「こんまり」指南の片付け
4位 女子サッカー関連商品
5位 エコフレンドリー商品
です。
見事1位に輝いた「宅配サービス」と言えば昔からあるサービスですが、ここでは特にAmazonやウーバーに代表される無理宅配サービスのことを取り上げていました。
“宅配、「即日・無料」で競う”と題された記事によりますと
アマゾン・ドット・コムが有料会員に対し注文から1時間以内に配送するサービスをすれば、ウォルマートは特別契約した顧客に生鮮食料品を自宅の冷蔵庫内まで運ぶサービスを始めた。
これを受け、あらゆる業界が宅配サービス事業を拡充。しかも「無料宅配」がカギとなった。
とのことです。
何も日経MJの記事が間違ったことを書いている訳ではありませんが、いわゆるシェアリングエコノミーをベースにした無料宅配サービスを「ヒット商品」として取り上げる感覚はある種の「冷たさ」を感じます。
昨日の投稿で、このシェアリングエコノミーを題材にした映画「家族を想うとき」という作品を取り上げました。
この投稿でも書いたのですが、本来Amazonやウーバーなどの小売企業は社員を正式に雇い、その社員に宅配業務を担わせるべきものです。そして、その社員の安全管理などを自社できちんと行うべきなのです。それを“個人事業主”という名で個人の労働者と直接契約を結び、彼らにその安全責任を“激安で”丸投げする業務形態・・・それがシェアリングエコノミーなのです。
シェアリングエコノミー、(そこで働く日雇い労働者を指す)ギグワーカーなどというそれらしい横文字を使うことで、まるで新しい時代に適応した新サービスのようなクリーンな印象を与えていますが、実態は
安い金で、労働者を買い叩く搾取モデル
でしかありません。
「経済」という言葉の語源は「経世済民 (けいせいさいみん)」で、「世を治め、民を救う」という意味です。“日本経済”新聞と名乗るのであれば、本来の経済という言葉の意味とは真逆の搾取ビジネスを礼賛するような記事を書くのは慎むべきではないか? と私は思うのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました 😆