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相貌心理学「人は顔を見れば99%わかる」が面白い。

早速ですが、今回は会社や友人関係など、人とのコミュニケーションで悩みを抱える人必見の本をご紹介します。

その本がこちら。

佐藤ブゾン貴子著「人は顔を見れば99%わかるーフランス発・相貌心理学入門ー」です。 

「顔を見れば99%わかる??嘘くさい!!」と思ったあなた。ちょっと待ってください!(笑)。

こちらは顔を通じて総合的に人間の特性を分析する「相貌心理学」という学問に基づいた理論。誰もが経験的に何となく感じている「こういう顔の人って、こういう性格の人が多いよね」という感覚を理論的に説明した書籍。

読めばきっと納得する。

しかも納得して実生活に生かせる。

あなたのコミュニケーション能力が飛躍的に向上する!(・・・は、言い過ぎ?(笑))

そんな面白い本になっています!

 

 

著者紹介

著者は佐藤ブゾン貴子。

2004年、アパレルの勉強のためにフランスに渡り、現地で相貌心理学に出会い、傾倒。学会長に師事し、5年の研修過程を経たのち、世界で15人、日本人では初となる相貌心理学教授資格を取得する。

※本書より引用

「ブゾン」という名前が変わっているので芸名かと思いましたが(笑)、フランス人の方と結婚され、ご主人のお名前だとのこと。現在は東京の八王子でご主人とガレット店を営みながら、相貌心理学を世に広めるためセミナー活動などを積極的に行われているそうです。

「相貌心理学」なんて聞いたことないなぁ・・・と思っていたら、著者が日本人唯一の教授資格を持つ人物だとのこと。それじゃあ、まだまだ日本での知名度が低くても仕方ないですね。今後のご活躍に期待です。

 

相貌心理学(そうぼうしんりがく)とは何か?

さて、この相貌心理学という聞きなれない言葉。

一体どんな学問なのでしょうか?

著者によると「相貌心理学とは顔を客観的に読み取り、その意味を言語化し、相手や自分を理解するための心理学」のこと。1937年にフランスの精神科医であったルイ・コルマン氏によって提唱されたものだそうです。

平たく言えば「顔から性格や考え方を分析する学問」ということですね。

日本でも昔から「観相学」「人相学」といった「顔から人物を分析する方法」はありますが、それらはあくまで目、耳、鼻といったパーツに焦点を当てて分析する方法。一方相貌心理学はそれらのパーツの関連性を探りながら、総合的に顔を分析する学問ということで、観相学や人相学とは違うようです。

また、相貌心理学は人が顔に現れる人生観や考え方などを分析しますが、”未来を読む”ことはできないので、いわゆる”占い”とも違います。

 

相貌心理学にできること

相貌心理学とは先ほども書いたように「相手や自分を理解するための学問」であって、

「こういう顔立ちは社会生活になじめない」

「この人の顔の方が、あっちの顔の人より優れている」

といった”評価”をするためのものではありません。

まず大事なのは、相手や自分の特性や考え方を理解すること。そして、その前提にどのような人付き合いをすれば良いか、目的を達成するためにどのようなアプローチをとれば良いのかを考えていくことです。

”人生を生きやすくする学問”と言っても良いかもしれませんね。

 

相貌心理学で観る「輪郭」とエネルギー

では、相貌心理学を使って人の顔を分析すると、どのようなことが分かるのでしょうか?

顔と一言に言っても、輪郭、目、口、鼻などいくつものパーツがあります。相貌心理学ではそれらを総合的に判断するので、一言で説明するのは難しいのですが、私が一番面白いと思った部分の説明をご紹介したいと思います。

それは「輪郭とエネルギーの関係」です。

 

相貌心理学によると、輪郭はその人が持つエネルギーや体力を表すパーツです。

その輪郭は大きく二つのタイプに分類されます。「ディラテ」と「レトラクテ」です。両方ともフランス語なので分かりにくいのですが、

 

・ディラテとは「四角か、丸形のどっしりした顔」

・レトラクテとは「輪郭が細長い顔」

 

のこと。

ディラテ、つまり四角か丸形の顔の人は、体力やエネルギーの量が豊か。

レトラクテ、つまり細長い顔の人は、体力やエネルギーの量が少ない。

 

したがって、四角か丸形の顔の人はエネルギーに満ち溢れているので、積極的に周りの人とコミュニケーションを取ろうとするタイプ。

一方、細長い顔の人はエネルギーが少ないため、力を効率的に使おうとするので、コミュニケーションを取る相手を選ぼうとする。

 

・・というように分かれます。

 

こうして観ると、四角か丸顔の人(ディラテ)の方が優れているような気がしますよね。しかし、そう簡単には行かないのが相貌心理学の面白いところ。

四角か丸顔の人(ディラテ)の人は積極的に周囲とつながろうとする分、孤独に弱い。一人になると途端にバランスを崩してしまう弱さを持つ。一方、細長い顔の人(レトラクテ)の人は一人でも平気。むしろその方が力を発揮できる。

どちらも一長一短であり、それぞれの特性に合ったやり方があるというわけです。

 

ちなみに、私は完璧にレトラクテ(顔が細長い)タイプですが、まさに仰る通り。いろんな人とつながるより一人で進める方が得意。一人でも全然平気です。広く浅く付き合うより、狭く深く付き合うタイプです。

 

今回紹介した輪郭以外にも、相貌心理学では顔のさまざまなパーツの持つ意味を言語化し、それを実際の人間の特性の分析に生かしています。ほかの顔のパーツの持つ意味について興味がある方は、ぜひ本書をお読みください。なかなか面白いですよ!結構当たってるしね!

実生活やビジネスに活かせる心理学

さて、このように顔のパーツの持つ意味を分析することで、人の特性を理解するのに役立つのが相貌心理学ですが、誰もが考えるのは「それがどのように実生活に役に立つのか?」です。

これについても、とても興味深い”応用力”が相貌心理学にはあります。

 

たとえば先ほどの輪郭の話。

一見するとディラテとレトラクテは”相性が悪い”というように読めます。

なぜなら片方はエネルギーに満ちていて、片方はエネルギーが不足がち。相手の思考方法や心持を理解するのが難しいからです。

著者も本の中で触れていますが、例えば上司がディラテ(エネルギーがある方)で、部下がレトラクテ(エネルギーが少ない方)の場合、上司が「俺が若い頃は2,3日寝ずに仕事しても平気だったぞ。」と言ったとしましょう。

上司にそのつもりがなくても、もともとのエネルギー量が限られているレトラクテの部下にはプレッシャーにしかなりません。

っていうか、そもそも確実にパワハラですが。

 

しかし、会社あるいは上司がこの相貌心理学的な知識があり、レトラクテタイプの部下の思考方法を把握していれば、こまめな休息を取らせて、要所要所で声掛けフォローをしてあげることで、部下はじっくりと、確実に仕事をこなしていくことができるようになります。

 

要するに、相貌心理学とは人が人の特性を理解し、その特性に合ったコミュニケーション方法を取るための道しるべとなるものなのです。そして、それが学術的に理論化されている。

 

まとめ

今回は相貌心理学の中でも「輪郭とエネルギー」の部分だけ取り上げてご紹介しましたが、もちろん目、鼻、口などそれぞれのパーツにも非常に重要な意味があります。

それらが本書ではかなり具体的に書いてあるため、普段の実生活やビジネスシーンで役立てるのにも非常に参考になると思います。自分に当てはめてみれば、自分が意識してなかった特性も知れるので、そういう意味でもかなり面白い。

 

あえて唯一残念なことと言えば、顔のパーツとそれが持つ意味についての原理的な結びつきが紹介されていないことでしょうか。

例えば輪郭とエネルギーの関係についても、顔が四角、丸形の方がエネルギーがあるといわれても「なぜそうなるのか?」の説明がないのです。

「顔を正面から見て、耳が正面側に起き上って見える人の方が独立心が強い。耳が起き上って見えない人は独立心が弱い」という説明もあるのですが、それがなぜなのかが分からない。

これは私の推測ですが、たとえばライオンなどの捕食動物は前方に意識を集中するため前の方に耳が立ちます。しかし、シマウマなどの被捕食動物は外敵から逃げるために、周囲の音を聞きやすいように耳が外側を向いています。

恐らくそのような生物学的な理論づけがあるのでしょうが、そこには言及されていません。多分そこまで説明すると学術書のようになってしまうからでしょうが・・・ちょっとそこが残念だとは思いました。

次の書籍が出るのであれば、ぜひそういう説明も展開してほしいですね。

 

というわけで、今回は相貌心理学の入門書「人は顔を見れば99%わかる」をご紹介しました。

人とのコミュニケーション方法に悩んでいる人はたくさんいると思います。

しかし、コミュニケーションを取る前に、まずは相手の特性を理解することが重要なのは言うまでもありせん。相貌心理学はその特性理解に非常に役に立つ学問だと思います。

 

長文を最後までお読みいただきありがとうございましたm(__)m 

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