世界を救う読書

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電話で尖閣を守れると思っている夢想家集団・菅政権

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米国でバイデン政権が誕生したことを受け、早速日本政府の「お慶び申し上げます」外交が始まっています。岸信夫防衛相は世界最速で新しい国務長官に電話したとかで、誇らしげに語られているようですが、その会談の内容がロクでもない…。

岸信夫防衛相は24日、バイデン米政権で新たに就任したロイド・オースティン国防長官と初の電話会談を行った。東・南シナ海で軍事的影響力を強める中国をにらみ、沖縄県尖閣諸島が米国による防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用対象だと確認。 

端的に言えば

日本政府「尖閣諸島に中国が攻めてきたら守ってくれますよね」

アメリカ政府「米国が守る領域には含まれている」

日本政府「あー。良かった。これで中国が攻めてきても安心だ〜。」

 

何なんですかね、これは・・・。

仮にアメリカが「どのような犠牲を払ってでも、尖閣諸島は米国が守る」と言っているのならまだしも、「まぁ、守る地域には入ってるね」と確認しただけです。

 

実はこの「確認作業」は、バイデン氏が大統領選に勝利したとされた際に、菅首相がバイデン氏に「お喜び申し上げます電話」をした時にも行われました。つまりこの二ヶ月ほどの間に二度も内閣関係者が「アメリカは尖閣諸島を守ってくれるんですよね?」という確認作業をしているのです。なんでこんなに頻繁に確認作業を行うのでしょうか?

 

この背景には昨年から尖閣における日本と中国の諍いが先鋭化していることがあります。

 

日本ではほとんど報じられていないのですが、昨年2020年8月21日、イギリスのロンドン大学のアレッシオ・パタラーノ博士が「嵐の集い—魚釣島をめぐる中国の略奪戦略」という論文を発表して話題になりました。

この中で博士は「7月5日が中国の海事活動の新局面を迎えた転換点だ」として、次のように述べています。

中国の公船による39時間23分間にわたる領海侵入単なる「侵入」ではなく、「主権海域の本格的法執行パトロールであり、この中国の行動が日本統治に対する完全な挑戦に向かう」と強調した。この長期滞在中、公船は島から平均4~6マイルまで近づいた海域を航行し、一時的に海岸線から2マイル半まで迫ったと伝えられている。さらに、日本の漁船に接近し、法執行を行使しようとする行為まで行ったのでないかと懸念している。

これはメチャクチャ重要な指摘です。

中国としては日本の領域に"侵入"しているという認識ではなく、"中国の領域に日本が侵入している"という認識だというのです。

さらに、先日1月22日に中国は、日本の海上保安庁に当たる海上法執行機関である中国海警局に、武器使用を含む任務と権限を定めた「海警法」を可決しました。

時事通信によると

中国の主権や管轄権を侵害する外国の組織、個人に対して、海警局が「武器の使用を含むあらゆる必要な措置」を取り、危険を排除する権利があると明記。中国の法に違反した外国の軍艦や公船に関しても、退去を命令したり強制的な措置を取ったりすることができると規定している。

https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2021012200744&g=int

とのこと。

つまり、中国固有の領土である尖閣諸島に日本の艦船が不法侵入した場合、中国は法律に基づきその外国船を武力で排除できることになった、ということです。

だからこそ日本政府は慌てて「アメリカさんは日本を守ってくれるんですよね!?」と確認しているということなのです。

 

本来なら自分の国は自分で守るというのが当たり前の話ですが、それを完全に放棄してアメリカ様に約束を取り付けるのが精一杯。しかも電話で一本で(笑)。

それにしても、これだけ必死にアメリカにすがる日本政府ですが、本当に有事が起こった際にアメリカは中国と戦争してまで日本を助けてくれるのでしょうか?

 

東日本大地震述べて時に「おトモダチ作戦だ」とか言って駆けつけた割には、福島第1原発の事故が起こった際にも真っ先に脱出。

世界の気候変動を防ぐためのパリ協定もトランプ大統領になった途端離脱したかと思えば、バイデン氏が大統領になったら"いけしゃあしゃあ"と復帰するような国ですよ?

いくら日米安全保障条約を締結しているからと言って、本当にアメリカが守ってくれる保証はどこにもありません。条約を反故にする言い訳なんて後付けで何とでもなります。

 

それにも関わらず、「尖閣諸島日米安保の対象になることを確認した!」とドヤ顔で報告する政権…本当にこの国は大丈夫なのでしょうか??

大丈夫じゃないよね!きっと!知らんけど!(笑 

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