世界を救う読書

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欧州反撃の狼煙 “GDPR (一般データ保護規則)”とグローバリズム

 

 ではでは、早速ですが前回の記事で書ききれなかったGDPRの「グローバリズムとしての側面」について書いていこうと思います。

需要がないような気もしますが・・・半分自分の考えを整理するために書きます(笑)。
お付き合いいただけると嬉しいです😆
 
さて、意外だと思われるかもしれませんが、実はこのグローバリズムという概念自体は新しいものではありません。例えば、皆さんがご存知の16世紀から始まった「大航海時代」もまたグローバリズムの一つです(第0次グローバリズムとも呼ばれます)。
 
その後の第一次世界大戦から第二次大戦の時期は、第一次グローバリズムの時代と呼ばれます。
またIT革命以降、現代のグローバリズムは第二次グローバリズムと呼ばれます。
 
グローバリズムの定義はなかなか難しいと思いますが、大きな特徴は人と物、そして資本の自由な移動が認められていることにあります。
ただ、今回が今までと違うのは人、物、資本の自由化に情報の自由化・・・しかも個人情報の自由化が加わっている点だと思います。
 
グローバリズムというのは国境を超えた自由競争を行うものですから、当然その目的は自由競争に勝利する、もしくは自分達が有利な経済体制が築けるような枠組みを作り上げることにあります。
そのために競合よりも多くの情報を入手することが必須になるのです。
したがって、「自分達に有利な情報の自由化は歓迎するけど、自分達に不利な情報の自由化は許さない」ということになります。
 
そういう意味では、今回のIT革命以降の自由化は欧州にとって自分たちにとって不利な情報の自由化だった訳ですが、今回のGDPRの導入によって一気に形勢を逆転させました。もちろん、そう簡単にこのまま逆転勝利という訳にはいかないでしょうが・・・。
 
いずにせよ、自分達に有利な自由化は許すが、自分達に不利な自由化は許さないというエゴ丸出しのルール作りを「個人情報保護」という、現在の価値観では誰も反論できない大義名分によって押し通してしまう戦略性の高さは、さすがローマ帝国の時代から群雄割拠の中を生き抜いてきた欧州の国々だと驚きを禁じえません。
むしろ、いざとなればこれだけの事を成し遂げるパワーがあるからこそ、グローバリズムというイデオロギーの荒波の中を生き抜いていけるのでしょう。
「欧州」が一枚岩でないことは百も承知ですが、少なくとも黙って米国の良いように蹂躙されないという意味で。
 
 
その一方、我が国日本はどうでしょうか?
実は以前、某派遣会社グループの会長が
 
グローバリズムは自由だから良いんですよ!」
(「自由競争は自由だから良いんですよ」だったかも(笑))
と言っていました。
 
グローバリズムは自由で良いことだから進めるべき・・・「自由とはすべて良いことだ」という価値観に何の疑念も持たない浅はかな思考は、欧州の戦略性の高さに比べるとまるで子供のようです。
そして、恐るべききとにそのレベルの人間が規制改革推進会議という内閣直属の審議会で民間議員を務め、その会議の提案に従い政策決定を行っているのです。
 
もう正直みじめで仕方ありません。
ですが、それを嘆いていても仕方ないのもまた事実。
国会議員や政府は我々の代表であり、彼らのレベルは我々のレベルなのです。彼らのレベルを上げようと思うのなら、まず自分達のレベルを上げるしかない。
そのために自分ができることを少しでもやり続けることが、今自分にできることだと言い聞かせて黙々とブログを書いております。
 
今回も最後まで長文をお読み頂きありがとうございました😆
 
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