世界を救う読書

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敢えて言おう。プログラミング教育なんて必要ない。

突然ですが、ここ1〜2年ほどAI(人口知能)の進化が話題ですね。猫も杓子もAI、AI。炊飯器から車の自動運転技術まで、「とりあえずAI付けたと言っときゃ話題になる」と言わんばかりのAIの大判振る舞いです。

 

それに伴ってよく言われるのが「これからの子供にはプログラミング教育が必要!」なんて言う言葉です。多分皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

世の中の流れに天邪鬼な私としては、これにもまた胡散臭さを感じております。今回はそんなお話を。

 

誤解を恐れずに言いますと、私は子供にプログラミング教育なんて必要ないと思っています。

もちろん子供本人が興味を示して勉強したいと言うのでしたら、じゃんじゃんやらせるべきでしょう。

しかし、「これからはプログラミングの時代」とか「プログラミングを勉強することで論理的思考能力を」とかいう理由で、興味もない子どもや勉強させるとしたら止めた方が良いです。

 

理由の一つは、そもそも今からプログラミングなんて勉強しても遅すぎるからです。今の高校生くらいが勉強するなら別ですが、2025年にはプレシンギュラリティを起こるとも言われる昨今、現在幼稚園とか小学生の子供が成人する頃にはとっくに人間がプログラミングする時代は終わっています。

また、論理的思考能力を高めると言っても、それを高める方法はプログラミングに限ったことではありません。将来、社会を生き抜いていくために必要なのは論理の構成力そのものではなく、その論理を組み立てるためのベースとなる価値観や考え方、状況や物事の本質を見抜く洞察力です。

 

したがって、プログラミングだろうが何だろうが、重要なのは物事の本質を見抜く洞察力を磨くことです。それさえあれば、あとはどんな分野であろうともその本質をどのように応用するかを考えるだけの話です。それをベースに状況を把握して冷静な判断を下し、周りの人たちとコミュニケーションをとる努力さえ出来れば、およそどんな社会でも何とかなります。

ですが、昨今の流行に乗せられてプログラミングを“スキル”として身に着けようとすると、逆に「スキルを磨く方法」に拘泥した結果効率性やロジックにとらわれて、本来必要な本質を見抜く力とそれを応用する力が身に着かなくなる可能性があります。

いわゆる“テストの点数は良いけど、社会で生き抜いていく知恵がない”という状態。

 

これは私の経験に基づく持論ですが、

 

そういった洞察力や、基礎を磨き応用する力というのは、何かに没頭して極めることでしか身につかない

 

と考えています。

 

「極める」というのがどの程度かは個人差がかなりありますが、私は誰を相手にしてもたじろがず「自分はこれをやりきった」という自信を持てるレベルにまで昇華できたかどうかだと思います。

自分が納得できたかどうか、と言い換えても良いかもしれません。

明確な基準はありませんが、逆に言えば他人に何と言われようが、自分自身に恥じることがない成果を出せるくらい全力を注ぎ込んだかどうかですので、「大会で優勝した」とか「金賞を取った」とかそういった目に見える成果はどうでも良いのです。

 

そこまでやりきった事があれば、自分が身につけたことの価値や他人の実績との差。現在の自分と目標とすることの距離感や、そこに至るまでの道筋を思い描く想像力。そして、それを実行するための行動力も必要最低限は身につくはずです。

 

そのための道筋がプログラミングなのか、英語なのか、音楽なのか、はたまた将棋なのか。その人のパーソナリティによって適切なアプローチが変わるというだけのことに過ぎないのではないでしょうか。

 

今流行ってるから。

AIの時代とか言われてるからプログラミングくらいは。

 

とか、そんな周りの情勢に子供や自分の将来を無理矢理合わせる必要はないと思います。

 

勿論、それがプログラミングであればガンガンやれば良いでしょう。でも、その判断は将来役に立つかどうか?ではなく、「仮に無駄になったとしても、これがやりたい!」というほどの情熱を傾けられることに出会えるかどうかではないでしょうか。

 

次世代を担う子供には単なる技術や理論だけではなく、我を忘れてのめり込めるような何かに出会い、それが楽しんで欲しいと思います。

そして、子供にそのような機会を持たせて上げられるような社会を築き上げていくことが、我々大人の責任だと思います。

 

今回も最後まで長文をお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m

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