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前門の安倍、後門の石破。問題の根幹は首相の顔ではない。

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連日ニュースになっておりますように、自民党の総裁選挙が始まっております。

自民党がほぼ単独の政権与党である以上、事実上「次期首相選挙」でもある訳ですが、現職である安倍首相と“次期首相候補”と言われながら“万年候補”になっている石破元幹事長との一騎打ちになっております。

私は自民党員でもなんでもありませんし、特に自民党を応援しているわけでもないですが、次期首相を決める訳ですからそれなりに興味はあります。

“それなりに”というマイナスの表現を使ったのには意味がありまして、一つには

 

「安倍首相が勝つに決まってるから」。 

 

別に安倍首相を応援している訳ではありません。しつこいですがww

基本的に選挙というのは、どのような選挙でも現職が圧倒的有利なのです。

目に見えて悪手だったような壮大なミスか、倫理的に許されないような過ちを犯さなければ、基本的には現職の方が「自分の成果」を具体的に提示しやすいのです。

逆に対立候補は、以前党首やっていたとかならまだしも具体的な成果を示しにくいので、基本的に勝つ見込みは薄くなってしまいます。

まぁ、勝負に絶対はありませんが、ほぼ間違いなく安倍さんが勝つでしょう。

 

で、私が取り立てて興味がない理由のもう一つは

 

どっちも基本的な経済政策への考え方が一緒だから、どっちが首相になっても大差ない

 

からです。

 

今までの政策を見ても分かる通り、安倍首相は緊縮財政派です。

もしかしたら心中は違うかもしれませんが、実際に行ってきたことを見れば緊縮財政、規制緩和の推進派だとしか受け取りようがありません。おまけに来年の消費増税も予定通り行うつもりです。

8%への増税による影響から4年経った今も抜け出せないでいるというのに。

 

一方の石破元幹事長。

 

「消費税を上げても、やっていける経済環境を作らなければならない。国民一人一人の所得を10年で3割伸ばす」と述べ、消費税率を引き上げても国民生活に影響が出ないよう、10年で所得を3割伸ばすことを目指すと訴えました。

 

 ・・・だからさ、消費税を上げるという選択肢がそもそも間違っているのに、それに耐えられる経済環境を作らなければならないというのが意味不明です。「消費税を上げなければならないから、所得を伸ばさなければならない」っておかしくないですかww

本当にそう思っているのだったら「まずは消費増税は凍結。所得が3割伸びた時点で増税するべきかどうかを判断する」が順序としては正しいはずです。

それがなぜ「消費増税ありき」で話がスタートしているのか。

 

それは石破氏の政策ブレーンが伊藤元重学習院大学教授だからです。

伊藤教授と言えば、押しも押されぬ財務省の御用学者として超有名な方ですが、何と言っても東日本大震災の直後でさえも

 

消費税引き上げというと、すぐに震災後のこの厳しい状況で増税なんてとんでもない、という議論が出てくる。こうした議論をする人は、パブロフの犬のごとく、「増税→景気悪化」という条件反射の世界にいる

 

と、「大震災によって甚大な被害を受けた被害者にも負担を無条件に強いる消費税の増税」を主張した方です。

この方には「消費税を増税しなければ日本は財政破綻する! 増税したからと言って景気が悪化するなんてことを言う奴は馬鹿だ!」という考え方が骨の髄まで染み込んでいるのです。

 

こういう方々は全て経済学的に言う「予算制約式」という理論を無条件に信奉しています。予算制約式とは人が一生で稼げるお金が限られているように、国家も稼ぐことができるお金の量は決まっている。だから一定の予算の下で規律正しい財政運営をしなければならないのだ、という理論です。

 

確かに個人の人生においてはそうでしょう。

ですが、国家の場合は、特に日本のように自国通貨の発行権をある国家にとっては、お金はいくらでも発行することが可能なのです。予算制約式なんぞは国家には当てはまりません。

なぜそのような荒唐無稽な考え方を経済学者が信奉するかと言えば、そのような制約を設定しなければ経済学が成立しないからです。いくらでも国家は通貨を発行できるとなれば、市場にそれだけ多くのお金がとめどなく供給されることが可能になり、経済学的な分析ができなくなるから。

つまり、自分たちの学問が学問として成立しないから、それだけの理由です。

 

そして、そのような経済学の考え方は、財務を自らのコントロールに置きたい財務省にとってはこの上なく便利な考え方になります。そこで財務省と経済学者の利害が一致して協力するという構図になっているのです。

 

そのような人間をブレーンに置いている以上、石破元幹事長は“本人の意思がどうあれ”財務省の言いなりになってしまうことは確実です。

そしてそれは自民党が野党になっていた時に安倍首相が「消費増税に反対し、適切な財政政策によってデフレを脱却する!」と真っ当なことを主張していたにも関わらず、政権を取った途端財務省の言いなりになって、緊縮財政に走ってしまったのと全く同じことなのです。

 

それほどまでに財務省の力は強力なのです。

私はその権力構造こそが問題だと考えていますので、安倍首相の顔が石破氏に変わったところで自体は何も変わらないと考えています。

むしろ、もしかしたらごく少数存在する真っ当な自民党議員とのパイプを保っている安倍首相の方が、ほんの少しマシかもしれない・・・そのようにすら思うのです。

 

問題の根幹は首相がどのような顔をしているのかではない。

その裏にある権力構造をいかに正すかだ!

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆