世界を救う読書

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日本のアニメ産業衰退。時代の才能は儲かる場所にしか集まらない

「アニメ」と言えば日本が世界を魅了する文化の一つ。

それが今やこの記事にあるように、あと数年で中国にすら抜かれかねない状況とのこと。

中国のアニメ産業は始まったばかりではあるが、生産で3年、技術で5~10年で追い抜かれるだろうなと確信。言い方難しいけど中国に組んで"頂ける"のは後数年かなと思います。それ以降は日本と共同事業するメリットが中国にない

 

この記事を読んだとき、私は17世紀におけるオペラが勃興と重なりました。

17世紀にオペラが勃興した理由は、楽器、特に弦楽器の発達という要因もあります(あの有名なストラディバリウスが活躍したのもこの時期)。

しかし、何より新大陸アメリカからヨーロッパにもたらされた膨大な金銀がインフレーションを引き起こし、日本の元禄バブルのように有り余る資金が芸術への投資へと大量に流れ込んだことが大きな原因でした。

 

そして、そういった投資は時代を象徴するような巨大な才能、数多くの才能を生み出す力を発揮します。単純に「儲かるから」という理由もありますし、パトロンなどの存在によって「芸術作品の創作に専念できる経済的、精神的余裕ができるから」でもあります。

 

そう考えると、伝家の宝刀とも言えるアニメがデフレ不況であえぐ日本で衰退し、そこであぶれた才能ある若者がより巨大な市場という“活躍の場”、“創作に専念できる場”を求めて中国を目指すのは、至極当然のことです。

 

先程述べた元禄文化しかり、安土桃山文化しかり、平安奈良時代の古典文学しかり、現在私達が誇りにしている日本文化の多くは、芸術性を理解しそれへの出資を惜しまないパトロンや、時にはそういった趣味嗜好への消費性向が高い中間層による支援があったからに他なりません。

 

もちろんお金で全てが解決する訳ではありません。

芸術家がみなお金のために創作をする訳でもありません。

しかし、芸術や文化を育てるにはお金が掛かるのも事実なのです。

 

クール・ジャパンなどと言って、今までの歴史の中で少しずつ積み上げられてきた文化や芸術を消費するだけではなく、さらにそれを守り育てていくためにも、芸術や文化を担う人材に適切な賃金が支払われるような政策をしっかり政府には検討してほしいものです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m

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