世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

やり甲斐を感じられる仕事は素晴らしい。だからこそやり甲斐を搾取されないよう線引きをせよ。

f:id:Kogarasumaru:20180812230004j:plain

突然ですが最近皆さんCDを買ってますか?

私は音楽業界に身を置きながら、ここ数年めっきりCDを買う機会が減ってしまいました・・・(-_-;)

いや、駄目なんでしょうけどいろいろな事情がありましてなかなかね・・・。

 

そんな音楽業界への貢献度の低い私ですが、今日は久しぶりにCDショップを訪れました。お伺いしたのはTower Recordです!

 

やっぱりCDショップと言えばタワレコですよ!

初めて訪れた時のあのCDの量と豊富な種類には本当に驚き、感動したのを今でも覚えています。しかも店員もコアな人が多く、いろんな情報にあふれていますからね。

 

という訳で、いざタワレコへGO!!・・・・したのですが・・・。

 

ちょっと驚きました。

全然CDが無い・・・棚がすっからかんやがな・・・。

入り口はディズニーのDVDとゲーム&アニメのCDやDVDで敷き詰められ、いわゆる音楽コーナーの棚はすっからかん。

 

CDが売れなくなっているのはもちろん知っていますが、タワレコがこの有様とは。

 

しかし、驚いたことに少ないCDを紹介するポップはすごい凝りよう。

また、関東や関西のライブハウスで配られているフライヤーを集めたクリアファイルを取り揃え、各地域のアマチュア/インディーズ音楽の事情まで詳しい情報を掲載。

 

さらに、スタッフの中に凄まじいSMAPファンがいるらしく、全CDの陳列はもちろんレアなSMAPグッズや数十冊に及ぶファンの交流ノートまで・・・。

 

正直、“引くレベル”のコアな音楽好きスタッフが揃っていると思いました。

褒め言葉として「コイツらアホやろww」という。

 

しかしながら。

音楽業界に身を置く者として嬉しい限りではありましたが、ちょっと恐ろしくもなりました。

 

というのは、あのCDのラインナップや棚の空き具合、そしてお客の少なさから考えて、あのスタッフの労力は絶対に金銭的にペイできておりません。

費用対効果を全く度外視した情報の詰め込み具合なのです。

確実に「スタッフのやり甲斐」に依存した店舗展開になっているのです。

 

スタッフ達はそれを辛いとは思っていないかもしれません。

むしろやり甲斐を感じ活き活きしているのかもしれません。

 

ただ、それを前提とした店舗展開というのはどうなのでしょうか?

スタッフも若いうちは良いかもしれませんが、彼らの将来を考えた時にそのような「やり甲斐依存型」の形態というのは、果たして経営的に正しいのでしょうか?

 

やり甲斐を感じられる仕事に就けるということはとても幸運なことです。それが自分が前から好きだったことであれば尚更のこと。

 

しかし、そういった場合にこそ

 

① 会社から職責として与えられた自分がやるべき職務

 

 

② 会社やお客さんのためにやるべきだと“自分が思う”職務

 

は明確に分けておく必要があるのではないかと思います。

 

やり甲斐を感じられない場合には、これら2つは自然と分かれて冷静な判断ができます。だって、“基本やりたくない”のですから。

しかし、やり甲斐を感じられる時、さらにそれが好きだった場合には、その区分けが曖昧になりがちです。だって、“好き”なんですから、労力を厭わないのです。

 

ある程度までは「やり甲斐を感じられる」という心理的なパワーで、その職務を乗り越えることは可能です。特に物事が上手く進み、結果も得られる場合は達成感も感じられ、乗り越えることが楽しくなっていきます。

 

ただ、それが上手く行かなくなった時にはどうなるか?

 

やり甲斐を感じて仕事をしている人の方が「上手く行かないのは自分の責任」だと考えがてしまうのです。“やり甲斐パワー”で何とかしてきたからこそ、そういう上手くいかない時もまたその原因を自分の精神力に求めてしまう。

 

先程も書いたようにやり甲斐を感じられる仕事に就けることは素晴らしいことです。

世の中には特にやり甲斐も感じられないのに、生活するためにその仕事をこなさなければならない人も沢山います。

 

ですが、だからこそ先ほど書いた「職責としてやらなければならない仕事」と「(会社やお客さんのために)やるべきだと“自分が思う”仕事」はしっかり分けるべきです。

そうでなければ、その“好き”だという強い気持ちこそが自らを追い詰めることになりかねません。

 

今回私が見たTower Recordのスタッフの陳列や音楽に対する愛情、そしてそれをお客さんに伝えたいという情熱は素晴らしかったと思います。

単なる「職務」でしかなければ、これだけのことはできません。

 

だからこそ、その線引きがしっかりできているのか、単なるやり甲斐の搾取になっていないのか、その心配をせずにいられませんでした。

彼らの音楽を愛する心が正当な形で報われることを祈ります(ー人ー)

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆 

このサイトについて プライバシーポリシー
Copyright ©2020 Sekadoku (世界を救う読書管理人)