「値上げを拒否なら水は供給しない」。これが水道民営化の実態だ。
先日の投稿でもお伝えしたように、皆さんに水道を供給する水道事業の民営化を促進する法律が可決されました。
民営化というだけで何か良いことのように思われるかもしれませんが、とんでもない。
民営化するとどうなるかという実態を示す事件が起こっています。
これは岩手県で現在起こっていることですが、水道事業を担当する民間会社が経営悪化のため住民に井戸水をくみ上げるポンプの電気料金負担を住民に求めているようです。
いわく
「水道管の老朽化で漏水している恐れがあり、安定した水道供給には住民の協力が不可欠だ。赤字のままでは継続できない」
"漏水している恐れがある"という理由で、きちんとした調査もせずに住民に協力を求めているということですが、要するに「管理にお金が掛かって赤字経営だから値上げする。値上げに応じられないなら水の供給を止める。」と言っている訳です。
住民は当然反対して訴えを起こしているようですが、仮にその訴えが認められたとして値上げを差し止められたとしましょう。その場合に民間企業が打ってくる手は「水質管理の放棄」です。そりゃそうでしょう。民間企業の目的はあくまで利益です。赤字になってまで水質管理をする義務はありません。
「そんな酷い話があるか!!」とおっしゃるかもしれませんが、実際今回可決された法律ではそうなっているのです。それはコンセッション方式という事業方式で、
事業の所有権は自治体
運営は民間企業
という形で責任の所在と運営が分けられているのです。
電気事業やガス事業も民営化されていますが、それらの事業はまだ法律によって安定した電気やガスを国民に供給することを義務づけられています。しかし、水道に関してはそのような法律がないため、民間企業は水の安定供給、品質管理をする義務はないのです。
何かがあった時に責任を取るのは自治体。
そしてその自治体は私達の税金で運営されている。
つまり、何かあった時に責任を取るのは私達、というわけです。
もちろん利益は民間企業ががっつり貰っていきます。
私が学生時代には「水は水道料金が払えなくても余程止められない」とか言っていましたが、そんな甘い時代はもうとっくに過去のものです。
「水が欲しいならもっと金払え! 金が払えないなら雨水でも溜めて飲んでろ!」。
それがまかり通る時代の入り口に既に私達は立たされているのです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆