世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

お金の正体を暴く「現代貨幣理論」を知れば世界が変わる。

昨日の投稿で私は「日本がデフレから脱却できないのはお金を誰も使わないからだ」と書きました。そして、このデフレ不況の日本では民間は誰もお金を使わないから、政府がお金を積極的に使ってお金を回していかなければならない、と。

こういう話をすると、きっと皆さんは「そうは言っても日本は財政赤字で大変じゃないか。日本の借金は1,000兆円を超えてる。そんな国がお金を積極的に使え!なんて頭おかしいんじゃないか?」と思うことでしょう。

 

でも、実はその「日本は財政赤字で苦しんでいて、もうすぐ財政破綻する! お金の出費はとにかく削らなければいけない!」という考え方自体が間違っているとしたら、どうでしょうか?

そして、その考え方自体が実は日本経済を苦しめ、一般国民の生活を苦しめているのだとしたら??

 

当たり前と考えている枠組みが正しいとは限らない

ところでみなさん、パラダイムシフトという言葉をご存知でしょうか?

 

よくビジネス書とかで「これまでの既成概念にこだわっていたら駄目だ! 既成概念を打ち壊して、新しい考え方で取り組んでいかないとこれからの時代は生き抜いていけない!」とか言われますが、そういう時にも「パラダイムシフトが必要!」みたいな使われ方をします。

 

このパラダイムシフトという言葉は、「とにかく何でも古いものは壊してしまえ! 新しいものに積極的に取り組んでいけ!」というメチャクチャな理屈を“何となく格好良いイメージ”にするために使われることが多いのですが、元々はそんな薄っぺらい意味の言葉ではありません。

 

例えば昔のヨーロッパでは天動説と言って、太陽や星が動いて見えるのは地球を中心にして周りの太陽や星が動いているからだと考えられていました。現在の私たちはそれが全く逆で、私たちの暮らす地球が回っているという地動説というものが正しいと知っています。

しかし、天動説が正しいと考えられていた時代の人たちにとっては、地球は不動だということが世界を認識する上での当たり前の枠組みだった訳です。

 

パラダイムシフトというのは正にこのように、自分たちが当たり前と信じていること、世の中のことを考える上で当然で絶対不変の枠組みだと考えていることが変革されてしまうことを言います。

実は、そのようなパラダイムシフトが「お金」という枠組みにも起こっていることをご存知でしょうか?

 

今まさにお金についてのパラダイムシフトが起きている

そのパラダイムシフトというのが、今アメリカを中心に経済学界で大論争を巻き起こしている「現代貨幣理論」という理論です。

英語でModern Monetary Theory、略してMMT。

 

この理論は

「自国通貨ので借金を調達する国家においては、財政赤字であることは全く問題ない。むしろ財政赤字であることが健全である」

というものです。

 

恐らくほとんどの人はこれを聞いた時に「はあああ??? 財政赤字が健全???」となると思います。実際、そのことで多くの経済学者がこの理論を「トンデモ理論」「異端」「ありえない」と否定しているのです。

理論自体は20年ほど前から存在するのですが、ここ最近にわかに注目を集めるようになり、日本でも先日の国会でこのMMTについて安倍総理が答弁することがありました。ロイターの記事など色々なところでMMTに関する記事が出ていますので、恐らく今後より一般の人が目につくところでこのMMTが取り上げられると思います。

それこそNHKのクローズアップ現代とかのニュース番組でも特集が組まれることになるでしょう。

 

この理論の詳細についてはここでは立ち入りませんが、皆さんがこの理論に今後触れる上で大事なポイントをお伝えしておきたいと思います。

まず、このMMTは「現代貨幣理論」という言葉通り、“貨幣”つまりお金に関する概念を根本的に覆す理論であり、正にパラダイムシフトを引き起こすものであるということ。

そしてこのMMTを批判する「経済学」は、旧態依然としたパラダイムの中で作り上げられてきた理論であるため、このパラダイムシフトに自分たちの存在理由を掛けて、あらゆる手段を用いて反論するだろうということ。

 

それこそ「異端」「トンデモ理論」「まともな経済学者は馬鹿にしている」などといったレッテル貼りは既に行われています。

確かに「財政赤字は健全」という言葉だけを切り取れば「トンデモ理論」に聞こえるかもしれません。しかし、そういった偏見を取り除いて冷静にその理論に耳を傾ければ、いかにこの理論がまともで、現実の世界で起こっていることをしっかり説明しているかが分かると思います。

 

そして、これを知れば「平成日本の経済政策がどれほど愚かだったか。これからの時代に何をすれば良いのか。」がきっとわかります。これからの時代を考える上で避けて通れない理論、それがこの現代貨幣理論なのです。

 

MMTについては、経済評論家の中野剛志氏が簡単にまとめた記事を書いてらっしゃいます。とても分かりやすいので興味がある方は一度こちらをご覧ください。

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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