世界を救う読書

ビジネス書から文芸書までさまざまな本を通して世界の見方を考えるブログ

ひろゆきの「1人産めば1千万円支給」の間違いと正しい少子化対策

2チャンネルの創設者で「ひろゆき」という芸名(??)で知られている西村博之氏がテレビ番組の中で少子化対策について

 

対策として「1人産めば1000万円支給」する

 

という案を提言したそうです。

この発言に対して

共演者からは、「子どもを産むだけ産んで、離婚する人や赤ちゃんを施設に預ける人が増えてしまうのでは?」など否定的な意見も飛び交った。

 別の対策として「もっと、教育費の無償化など間接的な補助にするべき」という共演者に対して、西村氏は「大阪とかもやってきたが全然子どもが増えていない」と反論。さらに「補助金あげますとか、今までやってきたが、効果がなかった」と付け加えた。

という意見が飛び交ったようです。

 

ひろゆき氏の主張の正しいところ。

ひろゆき氏の発言の正しいところは「少子化問題は結局お金の問題。ちゃんと子どもを生んで育てられるだけの経済環境が整えば、少子化問題は解決する。」という認識を持っているところです。

これは全くその通りだと思います。

 

以前の投稿でも取り上げたのですが、朝日新聞が行った少子化問題についての世論調査では、晩婚化や非婚化の原因として「結婚に対する価値観が変わった」が36%と最も多かったものの、その次に「若い人の雇用や収入が安定しない」の30%が続いたそう。しかも、年齢を30代以下に限った場合、「雇用や収入が安定しない」という理由が最も多くて40%近くを占めたのです。

また、子育ての環境についての質問に関しては、72%が「今の日本は子どもを生み育てにくい社会」と回答。その原因としては「子育ての経済的負担」「仕事と子育ての両立の難しさ」が挙げられたそうです。

この2つはどちらも「経済的な問題」であり、ひろゆき氏の提案する「1,000万円」という金額が正当かどうかはさておき、根本的な問題は経済環境にあるという考え方は間違っていないことを示していると思います。

 

ひろゆき氏の主張の間違っているところ。

では、ひろゆき氏の主張が100%正しいかと言えば、そうとも言えません。

確かにひろゆき氏が言うように少子化問題の根幹は経済環境にあるというのは、それが全てではないにしてもかなり正しいと思います。ただ、「じゃあ、お金を払えば解決する」というほど単純でもないのです。

 

まず問題としては、何かの一定条件の下で子どもを生んだら1,000万円支給するとした場合に、その「一定条件というのが何か?」というところで必ず揉めるということです。たとえばネット上では「日本国籍に限る」という条件を言っている人もいますが、それもこれから移民受け入れが拡大すれば、疑問視する声が出てくるでしょうし、違法に国籍を取得する悪質業者の仕事がますます捗って、また別の問題が出てくるでしょう。

 

では、どうすれば良いのか?

理屈としては何も難しい話ではないのですが、減税することです。

誰か特定の層に対してお金をただで支給すれば「何であいつらばかり・・・」という不満が出てきます。だったら、国民みんなにとって負担になっている税金を減税すれば良いのです。

「国民みんなにとって負担になっている税金」それはズバリ消費税です。

消費税とは子どもから老人まで、何か消費行動をする時には必ず支払うものです。いわば「消費に対する罰金」です。これを減税すれば良い。あるいは撤廃してしまえば良いのです。

もちろん、その人の生活レベルに応じて支払っている金額はばらつきがあるでしょうが、少なくとも今の8%消費税が撤廃されれば年収がまるっと8%アップすることになります。

 

消費税は撤廃しても何も問題ない

恐らく消費税を撤廃したら、「日本の財源がどうなるんだ。」「日本の財政が破綻する!」ということを仰る人がいるでしょう。でも、これは全く問題ありません。

そもそも消費税を含めた「税金」というのは何のために支払っていると思いますか?

多分ほとんどの人が「日本という国は税金を集めて、そのお金を使って運営されている。だから税金は国家を運営していくために必要なお金だ。」と思っているでしょう。

だから「日本は財政赤字だから税金が増えても仕方ない」と思うのです。

でも、残念ですがこれ100%間違いです。

 

今、世界中を騒がせている経済理論「現代貨幣理論」(Modern Monetary Theory (MMT))というものがあります。

 

税金とは何か?

この理論はいくつかポイントがあるのですが、その一つは、国家が税金を集めるのは過度なインフレを抑えるための手段であって、国家運営するための運営資金ではない、というものです。

 

みなさん学校で勉強したと思いますが、日本政府には「通貨発行権」というお金を発行する権利があります。ですので、「お金が不足しているのであれば、国がお金を発行すれば終了」なのです。

では、なぜ税金でお金を徴収するかと言えば、「お金が余りすぎると物価が上がり過ぎて社会が混乱するから、あまり過ぎない程度にお金を国民生活から引き上げるため」なのです。

 

これは逆に言えば、今のようなデフレ状況ではお金が足りないのだから、税金で徴収する必要はない、ということです。

つまり、デフレ状況においては「無税国家にしても理論上何も問題はない」というのが事実なのです。

※ただし、いきなり無税にすれば色々な混乱が起きますし、インフレになり始めた時に税金を上げてインフレ抑制ができなくなるので、完全無税国家という極論は無茶ですが。

 

そういう意味ではひろゆき氏の提案も、詰まる所「国民から集めた税金をどう分配するか?それを上手くやれば少子化問題も解決できる」という話ですので、そもそもお金に対する考え方自体が間違っていることに違いはありません。

 

というわけで、ひろゆき氏の「一人産めば1,000万円」支給などという方法よりも、消費税を撤廃する。あるいは、それ以外の所得税などの減税を行い、消費活動を活発化させ日本経済を好転させる。という方法の方が、子どもを生むための経済環境を整えるという少子化対策としては余程優れた回答になります。

もちろん、それに伴う財源のために税金を徴収する必要などは必要ありません。それで日本が財政破綻することなどあり得ません。だって政府が通貨を発効すればそれで良いのですから。

 

多分このことは普通の人にはにわかには信じられないと思います。でも、それが事実なのでどうしようもないんですよね。

 

このMMT(現代貨幣理論)のことを知ると、今まで日本の政策がどれだけ間違っていたのかがよく分かります。そして、その根幹は全然難しい話ではありません。少しでも多くの人に知ってほしいので、また別の投稿でMMTについては取り上げたいと思います。

  

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

このサイトについて プライバシーポリシー
Copyright ©2020 Sekadoku (世界を救う読書管理人)