世界を救う読書

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「テレワーク」って何? それは国ぐるみの新たなブラック振興策。

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突然ですがクイズです。

 

Q.日本で初めて発売された家庭向けパソコンと言えば何でしょうか? 

 

「Windows 95!」という答えが返って来そうですが、残念! 違います!

(そもそもWindows 95はOSなのでパソコンじゃないですしね(笑))

 

正解はNECが1979年に発売した「PC-8001」というモデルです。

なんと今年はそのPC-8001が発売されて40周年ということで、NECが記念モデルを発売したそうです。

とはいえ、NECにとっては記念碑的なモデルなので重要なのでしょうが、正直今どきパソコンの新モデルをそんな大々的に発売してもね〜・・・スマホの方がな〜・・・と感じる人が多いのではないでしょうか。

 

かく言う私もその一人だったのですが、どうも最近はパソコンの売上が伸びているようです。

 

パソコン売上げアップの影にテレワークあり

2018年度は国内PC総出荷台数は前年度比14.5%増の1,183万5,000台、出荷金額は同18.7%増の1兆850億円を記録し、ともに10%超えのプラス成長と、なんだかちょっと景気の良い話になっているそうです。

参考: 2018年度の国内PC市場は出荷台数14.5%増。法人需要が個人需要を牽引 - PC Watch

 

このパソコンの売上げアップの背景にあるのが「テレワーク」もしくは「ワーケーション」という新しい働き方と言われています。

 

テレワークは来年開かれる東京オリンピックに関係して最近メディアに出ることが増えました。

東京オリンピックの開催地でもない地域には全く関係ない話ですが、オリンピック開催中は観光客で都心があふれかえるため、都心で働くサラリーマンに会社以外の場所で働いてもらおうという取り組みです。

会社以外の場所というのは、例えば自宅とかカフェとか、どこかの小さな仮オフィスのことです。

 

オリンピック開催期間中の混雑を避けることができるし、会社員は出社する手間が省けるので、その分余暇に時間を割り振ることができる。

ただ、そのためには会社外で仕事ができる環境が必須になるため、いわゆるICTを活用できるのに見合ったスペックのパソコンが必要になるという訳です。

 

ちなみに、ICTというのは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、Information Technologyの略であるITとは「Communication」の“C”が入っているかどうかの違いです。

Communication (コミュニケーション)が入っていることで、単純に情報のやり取りというだけでなくテレビ会議やらスマートスピーカーやら遠隔での意思疎通が可能ということを意味しています。

 

テレワークとはブラック振興策ではないのか?

先程のNECの新モデルのキャッチコピーにも

 

「ワークスタイルを自分でデザインする時代に。」

 

という言葉が使われているように、時間や場所に縛られない自由な働き方を進めよう!ということなんでしょう。

 

でも、どうですか? サラリーマンのみなさん。

そんなにうまくいくと思いますかね?

私はこれ、確実に「政府ぐるみのブラック企業振興策」になると考えています。

 

一部の大企業は別格だとしても普通の中小企業では、これを活用して生産性が向上したり、会社員の余暇が充実するなどということはちょっと現実的ではないと思います。

むしろ、スマホが広く行き渡ったことで多くの人が感じているように、「いつでも、どこでも繋がる」というのは「いつでも、どこでも仕事から逃れられない」ということを意味します。

欧米人や、どこぞの漫画のキャラクターのように「定時過ぎたら仕事は忘れる」とか「土日は仕事しない」とか、仕事とプライベートを切り分けることができれば良いかもしれません。

ですが、多くの日本人は「休みのところ本当に申し訳ないんだけど、お前しか頼れるやつがいないんだよ! 頼む!」と言われたら、なかなか断ることは難しいのではないでしょうか。

 

今日は深く立ち入りませんが、それは欧米人のように「労働とは神から与えられた罰である」という価値観とは違い、日本人は「ともに生きる人たちと団結すること。」「社会に必要とされることに存在意義を見出す。」という独特の労働に対する価値観が深く根付いているからだと思います。

それには良い面と悪い面があるからもしれませんが、それこそが日本人の勤勉さの礎となっているという側面は否定できません。

 

そういう意味ではこのテレワークというのは、日本人にとっては“労働とプライベートの境目がより曖昧になる”という重大な欠陥を抱えているのではないかと思うのです。

 

端的に言えば、このテレワークというのは企業にとっての

 

定額制の労働者働かせ放題プラン

 

になる可能性が高いということです。

 

私は基本的に横文字で紹介される新しい制度というのは「嘘くさい」と思っています。

なぜなら本当にきちんとした制度で国民が周知すべき制度であれば、例えば「年金制度」のように日本語で表記するはずだからです。

横文字を使い、意味を曖昧にすることで何となく分かったようなわからないような微妙なニュアンスにする・・・結局それは何かごまかさないと不味いことがその裏にあるからに違いないのです。

 

今後さらにいろんな“横文字制度改革”が出てきたら、皆さんもまず「怪しい」と思った方が良いと思いますよ! 

「性格悪いね・・・」って言われるかもしれませんけどww

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

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