もっとルーズになれば日本は必ずうまくいく!
日本の大停滞時代とも言える平成という時代が終わり、令和という新しい時代が始まりました。
しかし、「新しい時代」とは名ばかりに、消費増税以降、実質賃金が減少したり、出生数が統計開始以来はじめて90万人を下回ったり、小売業の販売額が下落したりと暗いニュースばかりで、とてもオメデタ感はありません。恐らくこのブログを読んでいる方も「来年は良い一年になりそうだ!」と思っている人はほとんどいないのではないでしょうか?
この停滞感と閉塞感の原因は一体何なのでしょう?
理由はいくつもあるとは思いますが、私が思うにひとつは「日本人が真面目すぎるから」という点があると思います。特に
「決められたルールは守る」
ということに関しては、日本人は恐ろしいほど真面目です。
「ルールを守って何が悪いんだ? 当たり前じゃないか!」と思う人も多いでしょう。確かに“個人の美徳”のレベルでは、ルールを守るということは素晴らしいことだと思います。それが世界でも日本人は礼儀正しいということで高い評価を受けているのも事実です。
ただ、残念ながらたとえ理不尽なことであっても「これがルールだ」と決められたら、不満に思っていてもそれに従ってしまうので“ルールを作る側”から利用されやすいという側面にも繋がっているのも事実です。
その「ルールを作る側から利用されやすい」という側面が悪い方向に働いている典型的な例が、政府や財務省、大手メディアがよく言う「財政規律」というやつです。今回はこの財政規律という問題、そしてそれがいかに馬鹿げている話なのかを取り上げてみたいと思います。
[目次]
日経の財政規律論が酷すぎる
先日の日経新聞のコラムに、下記のような財政規律を解説した記事がありました。
国は税収や公債の発行で歳入を手当し、社会保障や防衛、公共サービスなどを国民に提供している。野放図に借金を積み重ねると金利上昇を招いて国民生活に影響しかねないため、財政畝井には一定の規律が必要になる。
日本の財政再建は黄信号が点滅し、いつ赤信号になるかわからない。国民総生産 (GDP)に対する国と地方を合わせた長期債務残高の割合は20年度末時点で197%になる見通しだ。10年度末の173%からじりじり上がり、18年度は200%の大台に乗せた。
(2019年12月 より)
恐らく経済学を学んだことのないほとんどの人にとっては「この記事のどこがいけないの?新聞やニュースで言われていることじゃないか。」という感覚だと思います。ですが、残念ながらこれらはほとんどデタラメ、もしくはわざと誤解させるような内容で、このようなデタラメの「日本経済新聞」が書いて、日本人の多くが信じ込んでいるということが日本の長期停滞の原因なのです。
では、具体的にどうデタラメなのか見ていきましょう。
1) 公共サービスは税金を使っているのではない
国は税収や公債の発行で歳入を手当し、社会保障や防衛、公共サービスなどを国民に提供している。
これ、「手当し」という表現がメチャクチャ曖昧なので(多分わざとでしょう)“デタラメ”とは断言できないのですが、そもそも国は税収で公共サービスを国民に提供している訳ではありません。
これは大部分の人が勘違いしていますが、まず国が日銀にお金を発行させて、それを公共サービスなどを通して民間に流しているのです。そして、お金を流しっぱなしだとお金の流通量が増えすぎてインフレになってしまうので、お金の流通量を調整するために税金を徴収しているのです。税収を原資にして、公共サービスを提供している訳ではありません。順番が逆なのです。
2) 日経は景気回復して欲しくないらしい
野放図に借金を積み重ねると金利上昇を招いて国民生活に影響しかねない
これもメチャクチャ定義が曖昧です。
大手メディアを名乗るのであれば
・“野放図に”というような抽象的な言葉を使うべきではありません。たとえばGDP比率で何%の拡大を何年間継続すること、など定義を明確にすべき。
・国民生活に影響しかねないって、そりゃ国が何をやっても国民生活には影響は出るでしょう。それが良い影響なのか、悪い影響なのかが問題だし、さらに言えば「何をもって良い or 悪いを判断するのか基準を示さなければ無意味」
この程度ははっきりさせるべきです。
また、そもそも「金利上昇を招いて〜」とか言ってますが、金利が上昇するということは“借金してでも投資したい”という需要が伸びているということなので、それは景気回復しているということです。実際バブルの時などは国債の長期金利は7%超えていましたが、その時に誰かが「このまま好景気が続いたまずい!」とか騒いでいましたか?
金利上昇したらまずい!!っていうのは「景気は回復させるな!!」と言っていることと同意義ですが、意味が分かっているのですか?
3) 債務残高197%でも何も悪くない
国民総生産 (GDP)に対する国と地方を合わせた長期債務残高の割合は20年度末時点で197%
これもよく言われるやつですね。財政破綻したギリシャで言えば、最大の債務残高が180%まで行きました。なので、それを超える「197%」とかいう数字を見せられると一瞬ビビってしまいます。しかし、財政破綻をするのであれば日本国債の金利はもっと急上昇しているはずです。なぜなら簡単に言えば
・国債の金利が高いということは、国が市場に対して「それくらい利子を払ってでも誰かがお金を貸してくれ!」と要望している状況のこと (それでも貸してくれないから困ってる)
・国債の金利が低いということは、市場が国に対して「利子なんか激安でも良いから“お金を貸させてくれ”! 誰も借りてくれなくても困ってるんだよ!」という状況のこと
です。
そしてご存知の通り日本の国債はいま長低金利です。マイナス金利とかよく言われてますよね。
つまりそんな低金利でも民間金融機関がこぞって「日本政府にお金を貸したい!」と思っているのです。日本が本当に財政破綻するのであれば、誰が「日本政府にお金を貸したい!」などと思うのでしょうか? 貸したお金が全部パァになるかもしれないのに??
本当に日本政府が財政破綻するのであれば、誰もお金を貸したがりません。だから金利は急上昇するはず。それにも関わらず、日本はずーっっっと低金利。日経の記事では「日本の財政再建は黄信号が点滅し、いつ赤信号になるかわからない」などと書かれていますが、実はお金の流れのシステムをちゃんと理解している人は日本の財政が赤信号になるなどとは考えてもいないのです。
それが分かっていると、日本のような長低金利が20年以上も続く国とギリシャのような国を「債務残高」という数字だけで並べるのは、全く意味がないのです。
いかがだったでしょうか?
日経の「財政規律」論がいかにバカバカしいものであるかお分かりいただけましたでしょうか?
ただ、日経がこのようなデタラメ、あるいは読者をミスリードする記事を書いていること自体が問題なのではありません。もっと大きな問題は、このようなデタラメの財政規律論がまことしやかに世の中に出回って、世間一般に広く信じられることで
財政規律を守らなくてはならない!
というルールが日本人にインプットされて、「だからお金を使わないようにしよう!」「国がお金を使うなんてもってのほかだ!」という国家ぐるみの節約志向に走ることが問題なのです。お金は天下の回りものとはよく言いますが、お金は誰かが使わなくては回って行きません。国民もお金を使わない、企業もお金を使わない、そして政府もお金を使わない・・・こんな状況では経済の回復なんて永遠に不可能です。そして、この状況を「ロック」してしまっているのが、今回取り上げた財政規律というバカバカしいルールなのです。
いい加減日本はこのバカバカしいルールから、解き放たれてもっとルーズにお金を使わなくてはなりません。そして、そのようなルーズなお金の使い方ができるのは、実は通貨をいくらでも発行できる日本政府だけなのです。
ちょっと最後がルーズになってしまいましたが(笑)、来年はこのルーズなお金の使い方を政府にさせて、民間にお金を回させることがいかに大事かということを説明する投稿を増やしていきたいと思います。
ああ、何か最後ちょっと雑だなww
まぁ、いいや。年末だし(笑) ←何が?ww
という訳で、日本という国に必要なのはルーズさだ! 国がもっとルーズになれば、日本はもっとうまくいく!!!(笑)
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😊