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まさか私がパニック障害⁈ 症状と予防法を障害

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皆さんパニック障害という病気をご存知でしょうか?

パニック障害というのは、何の前触れもなく突然、動悸やめまい、呼吸困難など様々な症状が表れる病気のこと。原因が特定されている訳ではありませんが、過度のストレスに晒され、それが長期化することで発症することが多いようです。

実は私もこのパニック障害を患っています。

 

私はあまり自分語りをするのは好きではありません。その私がなぜ自分の病気のことを書こうと思ったのか? それは下記の記事で野球選手の小谷家栄一選手がパニック障害を患いながらも戦い続けているということを知ったことがきっかけです。

この記事を読んだ時に、少し気持ちが楽になりました。「この症状で苦しんでいるのは自分だけじゃないんだな」と。

そして、小谷野選手ほどじゃなくとも、自分の体験や症状、対処法などを書くことで救われる人もいるかも知れない・・・そんなことを考えて今回の記事を書くことにしました。

 

というわけで、今回の記事はパニック障害や他の精神的病を抱えている人への励ましのメッセージです。

ただ、現代は100人に1人はパニック障害を経験すると言われています。

今は健康な人も突然パニック障害になるかもしれない。

あるいは、あなた自身がかからなくても、家族や友人など周りの人がパニック障害に陥るかもしれない。そんな時にどう接してあげれば良いのかについて、アドバイスできるような記事にできたら良いなと思っています。

 

 

私がパニック障害を発症した瞬間

まずは私がパニック障害を初めて経験した時のことをお話しましょう。

 

きっかけは過呼吸

私が初めてこの症状を経験したのは2018年の秋でした。

いつものように普通にパソコンを使った仕事をしていたのですが、 突然気分が悪くなってきたのです。「気のせいだろう」と思って我慢して仕事を進めていたところ、気分の悪さがどんどん強くなり、頭痛までしてきました。

さすがにこれは何かおかしい・・・と思って、休憩しようとした瞬間、手足がしびれはじめ、脈拍が急に上がり、首を絞められているような息苦しさが私を襲います。「やばい!!」と思って同僚に救急車を呼んでもらいましたが、救急車を待つまでの5分くらいの時間が果てしなく長い・・・「ああ、俺死んじゃうのかな。人生ってこんなに唐突に終わるのか・・・」。大げさでも何でもなく本当に死を覚悟しました。

 

何とか救急車で近くの病院に運び込まれ、病院でも「死ぬ・・、これマジで死ぬやつだ・・・」と思っていたところ、医者に言われたのは

 

「ああ、過呼吸ですね。典型的な。」

 

という言葉でした。

過呼吸???これが???過呼吸ってこんな意識が飛びそうになるほどつらいの???マジすかww」というのが私の心の叫び。

医者が続けて言うには「とにかく落ち着いてください。死んだりしないから。ゆっくり呼吸して。」。

 

まぁ、結局本当に過呼吸で、15分くらいで症状が落ち着き、その後点滴を打って帰宅したのですが・・・いや、本当に死ぬかと思いましたよ。過呼吸を完全に馬鹿にしてました。全国の過呼吸持ちの方、本当にごめんなさい(笑)。

ただ、事はこれで終わりではありません。むしろここから私のパニック障害との闘いが始まったのです。

 

頻発するパニック障害の症状

とりあえず九死に一生を得た(?)私でしたが、その後たびたび眩暈や動悸、息苦しさなど様々な症状が私を襲いました。

一番怖かったのは、仕事で車を運転している時に胸が痛くなり、呼吸困難になって、手足が震え始めた時です。ちょうど渋滞にはまっている時だったので、まさに逃げ場がない。

どうも私は渋滞とか、特急電車とか、トンネルの中とか閉ざされた空間で、”自分の意思で動けない”というシチュエーションにはまると発作が出るタイプのようです。

歯医者さんで歯形を取る時に「しばらく動かないでくださいね」と言われると、もうダメ。

あと、美容院で髪を洗う時に、シャンプーが顔に飛ばないように布をかぶせられるのもダメ。

数十秒で発作が出ます。

 

パニック障害が怖いのは、自分でも予測できないタイミングで、一瞬で発作が起きることです。下手したら10秒前まで元気だったのに、突然苦しみ出すとかいうことが普通にあります。

そのためパニック障害じゃない人がその症状を見たらびっくりすると思います。

「え?なんで??ついさっきまで元気だったじゃん!」って。

これ、周りの人も驚くと思うのですが、本人も本当につらいんですよ。

 

発作が起こった時の精神状態

パニック障害になったことがない方のためにお伝えしておきたいのは、発作が起きた時の精神状態です。

これは一言でいえば

 

「死んじゃないか?気が狂うんじゃないか?というとてつもない恐怖」

 

です。

「眩暈や動悸、息苦しいとかで死にそうって、そんな大げさな~(笑)」と笑われてしまいそうですが、これ本当に大げさじゃないんです。確かに理屈で考えればその通りなのですが、パニック障害の発作が起こると本当に”理屈抜きの底知れぬ死の恐怖”に精神が支配されます。

 

多分、浅い川や海で溺れる時のような感じに近いんじゃないかと思います。冷静になれば脚が地面に着くくらいの深さでも、一旦パニック状態になると”立つ”ということすらできなくなる。多分そんな感じ。

「動悸や息苦しさで死ぬはずがない」ってわかっていても、この恐怖は止められないのです。

 

パニック障害になったらどうする?

仕事をやっていて突然呼吸困難になった・・・。

車に乗っていたら手足が震え始めた・・・。

そんなパニック障害かもしれない症状が出たら、まずは病院へ行きましょう。これ大事。

今は結構いろんな薬があって、それを飲むと症状が抑えられます。医者の指導に従って服用を継続すれば、完全回復あるいは症状がほとんど出なくなることもあるようです。

また、薬を飲まなくても「何かあったらこの薬を飲めば良い」というアイテムがあるだけで精神的にかなり違います。実際私も運転中に「次の信号待ちの時に薬を飲もう」って思っていたら、症状が収まってしまったこともあります。

 

ちなみに、いざ病院に行くとなると躊躇しがちなのが、「パニック障害なんてメンタルが弱いやつがなる病気」という思い込み。私も最初はそうだと思ってました。でも、そんなことはありません。冒頭の小谷野選手のようにメンタルが強くてもなる時はなる。

恐がらず、恥ずかしがらず、躊躇なく病院へ行きましょう!

 

私が実践している予防法

では、次に私がパニック障害の発作が出ないように実践している予防法をご紹介します。適切な方法は人それぞれ違うと思いますが、参考になれば嬉しいです。

 

予防する上で大事なのは

 

・どういう状況で発作が起こりやすいか

・発作が起こる初期段階にどのような症状が見られるか

 

を把握することです。

パニック障害というのは、身体の不調に異常に反応して”パニック状態”になることです。したがって、発作が出ないような環境作りが一番大事です。

私の場合は、狭い所や身動きができない状況だと危険性が高まるのがわかっています。ですから、そういう場所にはできるだけ行かない。

運転中も渋滞やトンネルを避ける。できるだけ二車線以上のルートを選ぶ。

コンサート会場や映画館に行く時は、角や出口に近い席に座る。

新幹線や特急もできるだけ乗らないようにしていますが、仕事上どうしても新幹線に乗ったりしないといけない時があります。そういう時は乗る前に薬を飲んでおく。

 

あとは体調不要や寝不足だと発作が出やすいので、寝不足は絶対避ける。最低でも6時間半は寝る!

 

いずれにせよ、発作が収まった後に「どういう要因が重なると症状が出るか」を記憶しておいて、それらの共通項を分析しておく。そして、それを回避する方法をいくつも準備しておく。これが大事だと思います。

 

これが出来ているだけで

「あ、これは発作が出そうな状況だな。」

と発作が予測でき、発作が出始めてもパニックになるまでの時間が稼げます。これだけでも発作を抑えられる時がありますし、発作が起きても比較的早く落ち着けます。周りの人に助けを求める余裕が出ますしね。

 

また、自分の発作の初期症状が分かっていれば、「ああ、これはいつものやつだ。大丈夫、大丈夫だよ!俺!!」とセルフマインドコントロールが出来ます (傍から見ると危ないやつですね・・・)。

 

症状が表れてしまったらどうすれば良いか?

どんなに気をつけていても症状が表れる時はあります。これはどうしようもありません。

では、パニック障害の症状が表れたらどうすれば良いのか?

 

人によって対処法は違うと思いますが、私がやっている対処法・・・・

それは「とにかく不安を発生させる原因から逃げる」です。

逃げるは恥だが役に立つ”! (何か違う?)

完全に逃げ切ることはできないかもしれませんが、少しでも早く距離を置いて、不安発生要素の射程距離外に逃げる。これは物理的な意味でも、精神的な意味でもです。

 

例えば狭い空間で息苦しくなったら、まずは広い空間とそこにたどり着くまでの最短コースをシュミレートして、速攻でそこへ逃げます。友達とかが居てもガン無視!「ごめん!」って一言告げて逃げる!

車を運転中に症状が出たら、一番近くのコンビニやスーパーを頭の中で探して、そこへ移動する。それが無理だったらハザードランプを点けて、道の真ん中で止まる。エンジンを切る。そして車の中で大声で歌って気分を紛らわせる。

「そんなことしたら周りの迷惑になるじゃないか!」と思うからもしれません。

仰る通りですね。そりゃ、周りからすれば迷惑でしょう。

でもね、それで良いんですよ!周りに迷惑かけたって良いんです!(※犯罪は駄目ですが)

むしろ、パニック障害になる人は大体責任感が非常に強いひとなので、周りに迷惑をかけることを非常に嫌がります。これは私の独断と偏見ですが、そういう責任感が強いひとに限ってパニック障害になりがちです。“迷惑をかけることに慣れることが大事”なんです。

 

実際、私も夜中に会社の車で移動中発作が出たことがあります。

その時は一晩コンビニに停めて電車で帰宅し、次の日に車を取りに行きました。迷惑だったと思いますよ、コンビニも、会社も。でも仕方ないじゃないですか。「だってパニック障害なんだもん!」(笑)。

 

周りに迷惑かけても、恥ずかしい思いしても良いんです。まずはあなたを不安に駆り立てる要素から全力で逃げて、気分を落ち着かせる。それを第一に考えましょう。迷惑かけた人にはその後、誠心誠意謝れば良いのですよ。

「発作が出たから仕方なかった。ごめんなさい!」って謝れば99.9%の人が許してくれます。

 

周りの人がパニック障害になったら?

それでは最後に「パニック障害って何?」という方へ。

ここまでパニック障害という病の実際の症状や、発作が起きた時の本人の心理状態をご紹介してきました。おそらくこれを読んでも経験をしたことがない人には「そんなに大変なの? ちょっと息苦しくなると、頭が痛くなるくらいんなんでしょ? 大げさだなー」という感じだと思います。

うん。私も自分がかかるまではそうだったので分かりますよ。

ただ、本人は本当にパニックになっているので冷静な判断ができず、「やばい!死ぬ、死ぬ、死ぬ!!」と生命の危険を感じるくらいの恐怖を味わっています。大げさでも何でもなく。それだけでもわかってもらえると、とてもありがたいです。

 

ですので、もしあなたの近くの方がその症状を訴えたら、大げさだなと思わずに、ぜひ

「大丈夫、大丈夫。そばにいるから、落ち着いて。ゆっくり呼吸しよう。」

と冷静に、しかし温かく受け止めてください。それだけでだいぶ落ち着くはずです。

また、パニックになると普通の呼吸ができなくなることが多いです。発作を起こした人が息苦しさを感じているようだったら、本人が話したくなる質問を何でも良いから投げかけてください。喋るのって結構ちゃんと呼吸していないとできないので、喋っているうちに呼吸が落ち着いてくることも多いです。大事なのは本人に喋らせること。あなたが喋って、本人が聞き役になってたら症状は多分悪化します(笑)。

 

少しずつ知られるようにはなってきましたが、まだまだ言葉すら聞いたことのない人が多い「パニック障害」。でも今は100人に1人はパニック障害になっているという時代。

カミングアウトしていないだけで、あなたの周りにも患っている人がいるかもしれません。

もし周りでその症状で困っている人がいたら、今回の記事を思い出して優しく声をかけてもらえると嬉しいです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございましたm(_ _)m

 

 

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