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コロナ対策給付金で家計の金融資産が297万円増えた!? 日銀報告書のデタラメさに呆れるしかない。

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日銀や金融団体などで構成する金融広報中央委員会がまとめた「家計の金融行動に関する世論調査」によると、コロナ禍の2020年において2人以上の世帯が保有する金融資産の平均額が、2019年より297万円増えて1,436万円になったそうです。

この要因について、同委員会は「新型コロナ感染拡大で支出が保守的になった一方、給付金の支給などで金融資産の増加につながった」という説明しているとのことです。

この感想を一言で言えば・・・・

 

アホか!!!

ですね。それ以外ない。

 ただ、「アホか!」とは思いますが、「嘘だ!」という訳ではありません。

今回の報道は世間をミスリードするためのちょっとしたカラクリがあるのです。

 

金融資産って何よ?

下記の金融広報中央委員会のHPに詳細な調査が載っているのですが、これによれば今回の報道自体は「まるっきり嘘」ではありません。ただ、本当のこと、あるいはかなりグレーなことを都合の良いように切り貼りし、”意図的に”ミスリードしていることが分かります。

金融広報中央委員会のHP

家計の金融行動に関する世論調査|知るぽると

 

まず、冒頭でも紹介した同委員会の説明。

「同委員会は「新型コロナ感染拡大で支出が保守的になった一方、給付金の支給などで金融資産の増加につながった

これですが、通常”金融資産”というと貯蓄や金、不動産といった資産のことだと考える人が多いと思います。しかし、今回の調査においてはこれは間違いです。なぜなら、調査報告書の中で金融資産を次のように定義しているからです。

すなわち

1)家計が保有する金融資産全般

2)預貯金は”運用”目的で蓄えている部分のみを算入(日常的な出し入れ・引き落しに備えている部分は含まない)。また、手許現金や貴金属等は含まない。

です。

つまり、今回の調査における金融資産とは

運用目的で蓄えているお金のみ。

通常手元に持っているお金は含まない。

ということです。

 

したがって、同委員会が言うようなコロナ対策給付金で金融資産が増えた人というのは、10万円の現金給付を運用目的として使った、あるいは貯めてある人ということ。

この状況の中で10万円を運用目的 (投資) に使用する人って、ほぼ間違いなく上流階級の人でしょう。日々の生活で困っている人は眼中にない。

 

調査対象者の資産が世間と乖離している

この調査で気になるのは、調査対象自体がそもそも世間一般からかなり乖離していることです。

たとえば回答者が保有している資産状況を見てみましょう。

同調査によると、回答者のうち”運用目的として”金融資産を1,000万円以上保有している人の割合が何と39.5%その内3,000万円以上保有している世帯が13.3%もいるのです。

そりゃ、10万円もらえば全部投資に回すし、金融資産も増えるでしょう。

 

また、それらの金融資産保有世帯のうち、1年前と比べ金融資産残高が「増えた」と回答した世帯の増加理由をみると

「定例的な収入からの貯蓄割合の引き上げ」(29.9%)

「株式・債券価格の上昇による評価額の増加」(11.4%)

の割合が前回よりも上昇。

 

一方、「減った」と回答した世帯の減少理由では

「株式・債券価格の低下による評価額の減少」(26.5%)

で第一位です。

 

金融資産が減るにしろ、増えるにしろ、その理由が「株式・債券の価格変動が原因」ということで、やはりこれも上流階級感覚を反映した調査結果と言えるでしょう。

ちなみに、金融資産が増加した人の3割を占める「定例的な収入からの貯蓄割合の引き上げ」にしても、このコロナ恐慌において収入が増えるというのはやはり一般人の感覚からは考えられない話ですね。

 

次に、「家計の運営」と「資産・負債バランス」について見てみると

〇 二人以上世帯の過去1年間の家計運営の評価

「思ったより、ゆとりのある家計運営ができた」7.7%

「思ったような家計運営ができた」30.3%

「意識したことがない」19.9%

 

〇二人以上世帯の家計の資産・負債バランス

「資産と負債のバランスにはゆとりがある」9.0%

「資 産と負債のバランスについて不安はない」12.1%

「意識したことがない」60.6%

 

家計の運営、および資産・負債のバランスについて「ゆとりがある」「意識したことがない」が半数以上となっています。

日頃世間で報道されているように、名だたる大企業が次々と倒産、赤字計上をしている中で「ゆとりがある」「家計運営について意識したことがない」が半数以上というのは、やはりかなり一般的な世帯感覚とは乖離していると言わざるを得ません。

この結果を「世間の平均では金融資産が増えた」かのように報じるのは、相当問題があるのではないでしょうか。

 

報道者は「事実を伝えること」に専念せよ

繰り返しますが、この調査報告書自体は何も嘘を書いていません。

ただ、報道する側が

・運用目的の資産を持っている人たちの金融資産が297万円増えました (事実)

 ↓

・コロナ対策で10万円の現金給付がありました。(事実)

・だからコロナ対策で国民の金融資産が平均297万円増えました。

 

という無茶苦茶な三段論法を作り上げているだけです。

その理由とはもちろん「現金給付を二度と行わないための世論づくり」でしょう。

一度目の現金給付で国民の資産が297万円も増えたのだから、再度現金給付を行う必要はない。

むしろそのお金を使わせて経済を回す努力(GO TOキャンペーンとか)を行うべきだ!という空気作りです。

この空気に負けてはならない。

コロナ恐慌の中でも平気で(ほぼ)捏造報道を行うメディアに流されないよう気をつけてください!

 

今回も長文を最後まで読んでいただきありがとうございました😊

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