「国民の安全よりもお金が優先」それが責任全力回避政府の大方針
新型コロナウィルス対策として2月27日に政府が出した「全国の小中高の休校要請」。
世間では賛否両論あるようですが、ざっくり言うと
賛成派: 感染拡大を防ぐためなら仕方ない。
反対派: 子供が家にいる間誰が面倒みるんだ。その間の勉強の遅れはどうするのか。
と言う感じです。
両方の言い分は一理あると思いますし難しい判断だと思います。
・・・が、私は「賛成か?反対か?」の前に、この政府の対策は間違っていると思います。なぜなら所詮「休校“要請”」だからです。
[目次]
緊急事態でも命令を下せない腰抜け政府
私は医学方面には詳しくありませんし、報道を見る限り専門家の中でもこの新型コロナウィルスの病理学的な恐ろしさは評価が別れているようです (致死率は高くないし、基礎疾患がなければウィルスを拾ったとしても重大な事態にはならないと言っている医者も多いのはご存知の通り)。しかし、この新型肺炎の実際の病気としての恐ろしさはさておき、社会が昨今まれに見るほど大きく動揺しているのは事実です。この社会不安を沈静化させるのも政府の役割だとすれば、休校要請などという甘っちょろいことを言っている場合ではありません。
政府はさっさと休校を命令しろ!!
政府はこの休校要請の前に全国でのイベントや行事に関しても「自粛“要請”」を出しましたが、その時と同じく今回も「要請」でしかありません。強制ではないのです。その上、文部科学省のトップである萩生田文科大臣に至っては
萩生田文科大臣は「地域や学校の実情を踏まえて、設置者である地方自治体において様々な工夫があっていいと考えている」とした上で、「適切な期間を設定していただくなど、学習に著しい遅れが生じないよう、実施形態を工夫していただきたい」と述べた。
などと発言する始末。
正直、このニュースを見たときは
「このどあほうが!!!! 」
と叫びたくなりました(笑)。
要請だとか、地方や学校の実情を踏まえてだとか、さも世間の多様性に合わせた大人の対応かのように振る舞っていますが、要するに
「要請はした。あとはそれぞれ判断しろ。政府は責任持たない。何かやるなら自己責任でやれwwwオレは知らんからなwww」
ということです。
何があっても責任は取らない!
無責任政府ここに極まれり!
なぜ政府は責任を取らないのか
しかし、そもそも政府はなぜこれだけ社会的混乱が起こっているにも関わらず「要請」程度のことしかできないのでしょうか?
その理由は簡単で「責任を取りたくないから」です。しかし、どんなに小さくても組織に属したことがある人なら、こう思うでしょう。
・なぜ責任を取りたくないのか?
・責任を取るのがトップの人たちの役割じゃないのか?
・そのためにあんた達政治家がいるんじゃないの?
と。
その理由をいわゆる「ことなかれ主義」に求めることもできると思いますが、私が強調したいのは
「責任を取る」と「金を払う」はイコールである
↓
金を払いたくないから責任は取らない
ということです。
仮にもし政府が休校を全国の小中高に命令したとしたら、どうなるでしょうか?
・子供の面倒を見る家庭の負担が増える。
・共働きの場合の仕事へ影響
・休校中に勉強が遅れる子供の将来的ケア
・学校や教育ビジネスの運営に関わる関係者への経済的影響
など様々な影響が考えられます。
たとえば、すでに学校給食の3月分の食材が手配されており、それらの処分をどうするかなどが問題になっていることもその一例です。政府の関係者が全く予期していないような影響が今後続発するでしょう。
そうなった場合は、当然命令を下した政府が責任を取らなくてはなりません。具体的には「金銭的支援」です。お金がすべてを解決するとは言いませんが、現実問題として政府が取れる方法としてはお金を出すことが最低限必要になります。ところが政府はこのお金を払いたくないのです。ビタ一文たりとも!
なぜなら日本政府はプライマリーバランス目標という財政赤字縮小方針を錦の御旗として掲げており、緊縮至上主義を徹底しているからです。たとえ国民を守るためでも余分なお金は一切使わない!
しかし、何も対策をしなければ政治的責任を取らされる・・・だったらお金は払わずに何となく行動を起こした感の演出される「要請」をしとけ、という話なのです。
少しはアメリカの対応を見習え
私は基本的に「アメリカではこうなんだ。日本は遅れてるんだよ!」的な発言をするのは嫌いですが、この点に関しては残念ながら「アメリカさん、流石っす!」と言わざるを得ません。
感染予防などの対策費として議会の承認を経て、25億ドル、日本円で2700億円規模の緊急の予算措置を行う方針を示したうえで「議会がもっと出すというのなら必要なだけ使う」と述べ、今後の状況に応じて予算を増額する方針を示唆しました。
「議会がもっと出すというのなら必要なだけ使う!!」
アメリカさん、さすがです!!
トランプさん、かっけーーーー!!!
ちなみに他国の対策費用は
アメリカ:2,700億円
台湾:2,200億円
シンガポール:5,000億円
ですが、我が国日本は
日本:153億円
世界第三位の経済大国なのに。
そして中国、韓国に続く発症者数を抱えるのにたった153億円ぽっち。
国民の安全や秩序の維持よりもお金が大事。
政治責任からは全力回避!!
それが日本政府です!!エッヘン!!
最後にもう一度書きましょう。
このどあほうが!!!!
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
キャッシュレス化をこのまま進めても本当に大丈夫か?
2019年10月の消費増税に合わせて実施されているポイント還元で注目を集めているキャッシュレス化。PayPay(ペイペイ)やLINE Payなど、少しずつ日本でも拡大してきたキャッシュレス化の流れが強くなっていますが、一方で「個人情報の抜き取り」などの懸念が多いのも事実。
そこで今回はこのキャッシュレス化の実情とその背後にある潮流を考えてみたいと思います。
[目次]
- 日本のキャッシュレス決済比率は後進国並み?
- キャッシュレス覇権戦争
- キャッシュレス化のメリットとデメリットをおさらい
- キャッシュレス先進国中国の現状
- デジタルデータ化をなぜ拒めないか?
- アメリカで進む犯罪予測システム
日本のキャッシュレス決済比率は後進国並み?
いきなりですが問題です。
次の数字は一体何を表しているでしょうか?
韓国: 89.1%
中国: 60.0%
カナダ: 55.4%
アメリカ: 45.0%
日本: 18.4%
日本がダントツで低い数字になっていますが、実はこれは民間(特に個人)におけるキャッシュレス決済の割合を計算した、「キャッシュレス決済比率」というものです。
この数字が表すように日本におけるキャッシュレス化は世界的には遅れをとっている状況です。最近このような「日本のキャッシュレス後進国」が報道でもよく流れるようになりました。特に外国人観光客(・・・・まぁ、ほとんど中国人ですが)が日本に来て現金で支払わなくてはならないことに不都合を感じることが多いようで、「日本もキャッシュレス化が必須!」と騒がれるようになりました。
私は基本的に「便利の裏には影がある」と思っていますので、キャッシュレス化を迎合するつもりはさらさらありません。ただ「敵」を知らなければ戦うことはできません(笑)。
という訳で、このキャッシュレス化の現状について面白い本を見付けましたので、今日はその読書レビューを投稿したいと思います。
キャッシュレス覇権戦争
その本がこちら。
岩田昭男著「キャッシュレス覇権戦争」です。
この本の良いところは、キャッシュレスが進んでいる国の現状をレポートし、その利便性に説明しつつ、ちゃんとその危険性に言及することも忘れていないところです。
比較的中立的な立場で、キャッシュレス化の良い面と悪い面を丁寧に説明してくれていますので、キャッシュレス化の入門書としてはとても良い本だと思います。文体も読みやすいですしね。
キャッシュレス化のメリットとデメリットをおさらい
まず、キャッシュレス化のメリットとデメリットを軽くおさらいしておきますと
<メリット>
・現金を持ち歩く必要がなくなる
・ポイント還元などさまざまな恩恵が受けられる
・記録が残るのでお金を管理しやすくなる
・現金を製造したり、流通させるためのコストを削減できる
・外国人観光客の決済がやりやすくなり"インバウンド”による経済活性化を図れる
<デメリット>
・紛失の恐れがある(現金も落としたり、盗まれる可能性がありますが、キャッシュレス化された方が被害額は大きくなる)
・お金の管理は技術的にはしやすくなりますが、目に見えないデジタルデータなので使いすぎてしまう傾向が強まる
などです。
そして、この本で著者が一番問題視しているのは、資産がどの位あるかや、お金をどのように使っているかといった「個人情報」が民間企業や政府にすべて漏れてしまうことです。
最近はこの個人情報のことを「ビッグデータ」というマーケティング用語で呼ぶことで、「個人情報の漏洩」というニュアンスを弱めようという動きがありますが、どのような言葉で表現しようとも、キャッシュレス化が個人情報の漏洩であることには変わりません。
多分そんなことは言われなくてもみんな分かっていることだと思います。
ではなぜそれでもキャッシュレス化を推進しようとするのでしょうか?
キャッシュレス先進国中国の現状
さて、ここで急に話が変わりますが、みなさん「ゴマ信用」というものをご存知でしょうか?
これはアリペイという中国の会社が提供しているサービスで「芝麻(ジーマ)信用」というものの通称です。
クレジットカードなどのデジタルキャッシュを使うと、どの人がどのくらい使ったのかの履歴が残ります。それをスコア化(点数化)して、その人の格付けを行うのです。クレジットとは「信用」(信用に基づいてお金を貸し出す)ということですから、「ゴマ信用」ということです。
これの凄いところ(恐いところ、とも言う)は個人情報を5つの項目に分けて点数化し、その人間を点数でランキング化することです。
その項目とは
1) 年齢、学歴、職歴など
2) 返済能力に関する情報
3) 返済履歴情報
4) 人脈 (リアルとSNSなどのネット上の交友関係)
5) 日常の行動や趣味嗜好
これにそれぞれ5段階で点数を着けます。そうすると、その人をランキングづけできる分けです。
このランキングが高まると、キャッシングの上限が上がるのはもちろん、自動車ローンの利率が下がる、賃貸住宅で敷金が無料になる、就職の時に有利になるなどなど・・・さまざまな恩恵が受けられるとのこと(P123 「キャッシュレス先進国に躍り出た中国」より)
そうなると皆が競ってスコアを少しでも高くしようとし始めます。
そのためには税金や公共料金を滞納しないなどに加え、スコアが高い人を友人にする、知人を増やすなどの方法がある一方、スコアが悪い人と友人関係にあると自分もスコアが下がるなどということが起こります。
つまり個人的な人間関係が点数化され、ゴマ信用という点数を高めるためにどんな人と付き合うのかを選別するようになっている。それが中国の実情だということです。
このように中国ではキャッシュレスやデジタル化による利便性を極限まで推し進めることで、「個人情報の漏洩」を恐れるどころか、むしろ積極的に”個人情報を売り渡したい!”と考えるほどの状態になっているようです。
さらに言えば、「どれだけ個人情報を売り渡したか?」で周りの人たちや国からの評価が変わることで、「個人情報を売り渡さなければ生きていけない」状況が作り出されていると言えるでしょう。
デジタルデータ化をなぜ拒めないか?
日本人はいまのところ中国に比べ、個人情報の取り扱いにかなり慎重な状況だと思います。しかし、少し前に100億円還元キャンペーンで騒ぎになったPayPayや、LINE Payなどキャッシュレス化の波は確実に押し寄せていて、「キャッシュレス」の利便性と引き換えに私達のスマホなどのデジタル機器から個人情報はどんどん抜き出されています。
もちろんそれはキャッシュレス化だけではありません。
今ではみんなが誰でもやっているSNSやグーグル検索などもそうです。
いつ、どこで、何をやったのか、どんな交友関係があるのか、どんな趣味嗜好の持ち主か、すべての個人情報が日々抜き出されビッグデータとして”活用”されています。
一応建前上はそのようにして入手した個人情報を他者に売り渡したり、悪用したりしないとどこの企業も謳っていますが、そんなことが口約束にしか過ぎないことは誰もが感じていることだと思います。
それでもキャッシュレス化を拒否できないのは、恐らく
・そのように悪用される実感がない
・目先の利便性がすさまじく高い
・先端技術を拒否したら古臭い、遅れたヤツだと思われそう
というところではないでしょうか。
特に最後の「先端技術を拒否したら古臭い、遅れたヤツだと思われそう」という、先端技術を拒否することの後ろめたさ(?)はかなり強いのではないかと思います。
「今どきそんなこと言ってるの?」とか「もうそんな時代じゃない」とか、「みんなやってるよ。」とか言われるとなかなかそれに抵抗し続けるのは精神的に辛いものがあるのは事実です。
そして、そういう後ろめたさを上手いこと突いてくる「キャッシュレス社会の利点」の一つが犯罪抑止への活用です。
アメリカで進む犯罪予測システム
確かに犯罪率を低く抑えられるということは、相当なメリットだと思います。「安全のためなら多少個人情報が流れても・・・・そういう時代か・・・」と受け入れてしまう気持ちも分かります。
ただ、犯罪防止というコインの裏側にあるのは「監視社会の実現」でもあります。
このことについての次のような著者の指摘は実に鋭いと思います。
政府機関による個人監視は、「テロリストなどの犯罪者を対象にしている」という大義名分が掲げられ、多くの人は、「私はやましいことなどしてないので関係なく、監視が強化されてもいい」と考え、大きな批判が起こりにくくなっている。
しかし、”やましいこと”の内容を決めるのは監視機関の方であり、普通に暮らしていた人がある日突然、やましいことをしている人間にされてしまうこともあるのだ。
(本書P187より抜粋)
安全で平和な暮らしのために十分な個人情報を提供し、自分は安全だと信じていたら、すぐ後ろに、自分を捕まえる監視者が手錠を持って立っている・・・そんな社会がもうすぐそこまで来ているのかもしれません。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
GDPがマイナス!!の何が問題なのか改めて考えてみる
すでにニュースで大きく報じられていますが、2019年10月から12月のGDP (国内総生産)がマイナスに落ち込みました。実質でマイナス1.6%、名目でマイナス1.2%。
ただ「実質GDPがマイナス1.6%!!」とか言われても、恐らく普段経済にそれほど関心がない方や経済の知識に疎い方には「そんなに大変なことなの?」という感じだと思います。
でも、そういう感じの人がほとんどだと思いますので大丈夫です! (笑)
ですが、これってかなり凄いことで、私たちの生活にも非常に大きな影響が出てきますので、GDPがマイナスということがどういうことなのか絶対知っておいた方が良いです。
そこで今日は「そもそもGDPって何なのさ?」という基本的なところから、今回のGDPマイナスの何が問題なのかを解説してみたいと思います。
[目次]
そもそもGDPとは何なのか?
まずは根本的な話。GDPとは何か、です。
GDPというのはGross Domestic Productの略で、日本語では「国内総生産」と訳されます。教科書的な定義で言えば
「国内で行われた生産活動で生み出された付加価値の合計」
です。そのまんまですね。
多分わかりにくいのは「付加価値」という言葉です。付加価値というのは生産活動によって”付加された”価値のこと。たとえばあなたが100円で土を買ってきて焼き物を作ったとしましょう。その焼き物が1,000円で売れたとしたら、原材料100円との差額900円があなたが生み出した付加価値だということです (現実にはもっと複雑ですが基本の考えはこれです)。
このように生産活動を行えば必ず付加価値が発生します。その付加価値を合計したものがGDPということになります。
GDPの三面等価の原則が暴くGDP減少の意味
そして、このGDPで面白いのは“三面等価の原則”というものです。
三面というのはGDPを三つの面から見ることです。すなわち
1: 生産
2: 支出
3: 所得
です。
三面等価の原則というのは、この3つが必ず同じ金額になるということです。
これは考えてみれば当たり前の話で
「Aさんが生産した付加価値の額(上記1) → Bさんが支出をして買う付加価値の額 (上記2) → それはAさんの所得になった付加価値の額 (上記3)」
なので、当然これらは同じ金額になるという訳です。
これの何が面白いのか?って思います?
実はこの三面等価の原則を理解すると次のことが分かるのです。
それは
「実質GDPが1.6%マイナスになった」ということは、三面等価の原則により「私たちの所得が1.6%マイナスになりました」というと同じこと
だということです。
もちろんあくまでこれはすごくシンプルに考えた場合です。現実には所得から税金を支払ったり、あるいは税金から補助がある場合もありますので、個人間や企業間といったミクロの単位で見ると全く同じではありません。ただ、国全体で考えるとこの原則は必ず成り立ちます。
したがって、GDPが減少しているということは国民の生活が貧しくなっているということを意味するのです。
なぜGDPが減少したのか?
さて、ではなぜGDPは減少したのでしょうか?
もちろんいくつもの要因はありますが、今回のGDP発表が10月〜12月の3ヶ月間のものだと考えれば誰でも分かります。そう、消費増税です。
安倍政権は「台風のせい」「暖冬のせい」だと言っていますが、そんな訳はありません。今回の内閣府の発表を見るとそのショックの大きさが分かります。
・実質GDP成長率 : 年率換算ー6.3%(対前期比ー1.6%)
・民間最終消費支出 : ー11%(対前期比ー2.9%)
・民間住宅 : ー10.4%(対前期比ー2.7%)
・民間企業設備 : ー14.1%(対前期比ー3.7%)
・財・サービスの輸出 : ー0.4%(対前期比ー0.1%)
・財・サービスの輸入 : ー10.1%(対前期比ー2.6%)
ご覧の通り民間の消費、住宅消費、企業の設備投資、そして輸出と輸入すべてがマイナスです。
台風とか暖冬とか、そんな季節要因でここまで経済がガタガタになるほど脆弱な国家などある訳がありません。もし本当にそうなら、似たような経済指標の悪化がすでに何度も発生しているはずです。しかし、実際には今回に近い減少幅と言えば、前回の消費増税が行われた2014年の4〜6月期 (年率マイナス7.4%)以外ありません。これで「台風のせいで」とか言っているようならはっきり言って国政治を担う能力はありません。10%消費増税が最大の要因であることは疑いようがないのです。
実質GDPより名目GDP減少がもっとヤバい。
しかも、さらに不味いことがあります。
それは今回騒がれているのは実質GDPですが、実は名目GDPもマイナスになっているのです。
そもそも実質と名目の違いは何かというと、名目は単純にGDPを足し算したのに対して、実質はそこから物価変動の影響を差し引いたものであるという点です (本当は季節要因の調整とか色々あるのですが分かりやすくするために省略します)。今回は消費税が2%上がっていますので、その分強制的に物価が上昇しています。したがって、国内の消費量が変わっていなければ、消費税を増税した分だけ名目GDPは上昇してないとおかしいのです。
たとえば1000円の商品があり、これが一ヶ月に100個売れるとしましょう。
A) 消費税が8%の場合
商品の単価は税込みで1080円になります。これが100個ですので合計金額は108,000円になります。
B) 消費税が10%の場合
商品の単価は税込みで1100円になります。これが100個ですので合計金額は110,000円になります。
消費税が8%の場合と10%の場合で販売される量が変わらなければ、増税分だけ合計金額が増えるはずなのです。それが今回は(名目GDPが)下がってしまっている。ということは、増税で価格が上がったにも関わらず、それを上回る勢いで販売された量が減少したということです。消費税によって消費が減少したことが統計上も明らかになったということです。
このことは元内閣官房参与の藤井聡氏も指摘されているのですが、藤井氏によると前回の2014年の増税時にはこのような現象は見られなかったそうです (実質GDPは今回同様下がっていたけど、名目は何とか下がらずに済んだ)。つまり、今回の消費税増税は前回の増税を上回るインパクトを市場に与えたことが明らかになったということです。
この絶望の中でできること
この数字を見るだけですでに日本経済は相当危険な状況に入っていることは間違いありませんが、さらに最悪なことに新型コロナウィルスによる影響で今年の1〜3月期のGDPも確実にマイナスに突っ込むでしょう。
その次の4〜6月期は若干持ち直すかもしれませんが
-3月末にはプレミアム商品券終了。
-6月末にはキャッシュレス決済還元が終了。
-8月上旬には東京オリンピック終了。
と、悪いイベントが目白押しです。とても経済が好転するチャンスがあるとは思えません。むしろ年末にかけて増々衰退していくのが必定という感じです。
という訳で、今回はかなり暗〜〜〜い気持ちになる記事を投稿してしまいました。すみません m(_ _)m
ですが、どうもどのニュースや新聞を見ても新型コロナウィルスのことばかりで (これはこれで大事件なのですが・・・)、今回のGDP減少のことはすっかり忘れ去られてしまったように思います。厳しい、非常に厳しい現実ですが、この現実を見なくては正しい解決策を導きだすこともできません。まずは現状を知ること。これこそが日本の経済を好転させるための第一歩だと思うのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
10秒でわかる日本が財政破綻しない理由
毎度毎度湧いて出てくる「国の借金◯◯兆円突破!」「国民一人当たり◯◯万円!」という報道。なんかもう、逆にみんな「またいつものやつか〜。はいはい、大変大変。」と呆れ返っているような気さえします。
このブログでは何度も書いてますが、日本が財政破綻するということはあり得ません。
今日はこの理由を10秒で説明しようと思います!! (笑)
では早速スタート!!
日本の借金1,000兆円とか言いますが、私達国民が借りている訳ではありません。
↓
お金を借りるのは日本政府。
↓
日本政府が借りるお金は日本円です(ドルやユーロではありません)
↓
日本政府は通貨発行権があるので、日本円をいくらでも発行できます。
↓
つまり日本政府はいくら借りても全部返済することが可能です。
↓
というわけで、日本政府が借金返済不能に陥ることはあり得ない。
以上。
多分10秒以内!!(笑)
簡単ですよね?そう。簡単な話なんですよ。
でも、なぜか国民みんながこの話を信じようとしないのです。
「日本政府には通貨発行権がある」と学校で習ったにも関わらず。
多分、これを信じられないのは理論的な話じゃなくて、体感的な話だと思います。
きっと皆さんこう思うのでしょう。
「だって、それじゃ借金し放題じゃん。錬金術じゃん。そんな馬鹿な!!」って。
はい。そうなんです。借金し放題なんです。正に錬金術なんですよ。
ですが、それが何か?
何か問題ありますか?
ズルい!!と思いますか?
そうですね。確かにズルいかもしれません。
でも、凄いアイデアだと思いませんか?
このシステムを考え出したのは18世紀のイングランド銀行ですが、私はこう思います。
「これ考え出したヤツ、天才!!!!」と。
そもそも近代資本主義が成立したのは、こういうとんでもないお金の創出方法が編み出されたからこそです。
このシステムにより瞬時に巨額の資本を集めることができるようになったからこそ、産業革命後の巨大産業が生まれることができたのです。
もしこのシステムを「ズルい! 詐欺だ!」というのであれば、それは「資本主義ってズルい! 詐欺だ!」と言っているのと同じことなのです。
ただ、いくらでも借金できるとは言え、実は一個だけ制限があります。それはインフレ率です。
インフレ率が過剰になると貨幣価値が暴落して通貨の役割が果たせません。なので、その点だけは注意する必要があります。
ただ、現在の日本はデフレですので、そんな事を気にしている場合じゃありません。
それはまるで
東京ベイブリッジの直前まで来て、「もし渡ってる途中に橋が落ちたらどうしよう・・・ 」と心配して橋の入口で右往左往しているようなものです。
「邪魔だからさっさと渡れ!!! (#゚Д゚) ゴルァ!!」ってなもんです。
今回はちょっと短めに書けたかな?😂
最後までお読み頂きありがとうございました😆
全力でデフレを支援する日本人マインド
前回のこちらの投稿でデフレとは何なのかについて取り上げました。
今日は肝心の「じゃあ、どうやったらデフレから脱却できるのか?」ついての解説です。
[目次]
- インフレとデフレの違い
- デフレの原因はお金が足りないから
- お金は誰が発行できるのか?
- デフレ状況でお金を増やせるのは政府しかない
- 政府はどうやってお金を増やすのか
- 公共事業を削れ!と言うのはデフレを脱却するな!と言っているのと同じ
インフレとデフレの違い
まず前回のおさらい的にインフレとデフレの違いを簡単に振り返っておきます。
簡単に言えば、デフレとはお金の価値が上がる現象のことで、反対にインフレがお金の価値が下がることです。したがって
・インフレだったら、お金は早く使った方が得。
貨幣の価値が下がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が減るからです。
・デフレだったら、お金は使わずに取っておいた方が得。
貨幣の価値が上がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が増えるからです。
ということになります。実はこの理解がかなり大事です。
「インフレは物価が上がること」「デフレは物価が下がること」と思っている人が多いのですが (間違ってはいないんですけどね)、それだけだと何が悪いのかが分かりません。
デフレの原因はお金が足りないから
先程デフレとはお金の価値が上がる現象だと書きました。ではなぜお金の価値が上がるのでしょうか?これは現在大騒ぎになっている新型肺炎による“マスク不足”を考えるとわかりやすいです。
新型肺炎の拡散に伴って全国的にマスクの品薄状態が続いているのはご存知の通り。そして、それにつけ込んでネット界隈ではマスクの転売が相次ぎ、一箱5,000円とか考えら得ない値段で取引されています。お金の価値が上がるのもこれと同じ。
お金が不足しているからみんなお金を欲しがる。だからお金の価値が上がるのです。
簡単ですよね。お金が足りないからみんなお金を欲しがるし、お金を使いたがらず貯金する。当たり前です。
じゃあ、どうやって解決すれば良いのか?
それも簡単です。供給されるお金の量を増やせば良いのです。アホみたいな話ですが、基本的にはデフレ対策ってこれしかないんですよ。ただ問題は「じゃあ、誰がお金を増やせるの?」ってことです。
お金は誰が発行できるのか?
お金の供給量を増やせばデフレは解消できる。じゃあ、誰がお金の供給量を増やせるのか?
多分多くの人がピンと来るのは「日本政府」だと思います。通貨発行権というのを学校で習ったことを覚えているでしょうか? あれですね。通貨を発行できるのは日本政府だけということに決められていますので、民間人が偽札を作ったら逮捕されます。でも、実は日本政府以外にもお金を生み出せる機関があるのです。それが「銀行」です。
というのが、お金には銀行預金が含まれているからです。
「お金」というと、皆さん財布に入っている硬貨や紙幣のことだと思うでしょう。あるいはLINEペイとかPayPayと言ったデジタルマネーもそれに入るでしょうか。当たり前と言えば当たり前なんですが、皆さんが銀行に預けている銀行預金もお金に含まれます。
そして銀行というのは個人が住宅ローンを組んだり、企業が設備投資のために借金をしたりするようにして、個人や企業の口座のお金を増やすことができるのです。これを専門用語では「信用創造」と呼ぶのですが、その名の通りお金を“創造”しているのです。
という訳で、お金の供給量を増やせるのは「政府」と「銀行」。この2つになります。したがって、デフレを脱却するためにお金の供給量を増やそう!と思えば、この2つのいずれかがお金の供給量を増やせば良いわけです。っていうか、この2つのどちらかでしか増やせません。
デフレ状況でお金を増やせるのは政府しかない
デフレを脱却するためにお金を増やせ!
↓
お金を増やせるのは銀行か政府のどちらか
↓
どっちでも良いからお金を増やせ!
ということになるのですが、残念ながらデフレという状況では銀行は事実上お金を増やせません。なぜなら先程も書いたように、銀行がお金を増やすのは個人や企業にお金を貸し付ける「信用創造」という手段だけだから。つまり“誰かに貸さない限り銀行はお金を増やせない”のです。 これが問題なのです。
景気が良ければ民間企業の投資が増えますので、銀行からの融資も増えます。ですが、デフレの場合はお金の価値が上がっていきますので、投資で使うよりも貯金しておいた方が良いということになります。これは民間企業も同じ。銀行は誰かに貸すことでお金を増やすのですが、企業は誰も借りてくれない。
これは何を意味するでしょうか?
これは結局「デフレにおいては、銀行の信用創造でお金を増やすことは不可能」ということになるのです。まぁ「0 (ゼロ)」というわけではないですが、少なくとも景気を良くするほど巨額の信用創造はできないということです。
銀行が駄目となると、後はお金を増やせるのは日本政府しかありません。これはもうシステム的にそうなっているのでどうしようもないのです。
政府はどうやってお金を増やすのか
政府がお金を増やすというと、造幣局でお金をガンガン印刷するようなイメージが浮かぶと思います。ですが、実際に印刷したり、硬貨を鋳造すると経費がかなり掛かりますし、何より現代では個人でも民間でも現金での取引よりも口座での取引が圧倒的に増えていますので、紙幣や硬貨を作ってお金を供給するには限界があります。したがって、政府がお金を増やす時というのは、民間企業が持っているの銀行口座の金額を増やすことでお金を増やすのです。
民間企業の口座金額を増やすって言われても、多分「そんなことどうやるの? 銀行口座にお金を振り込むのか?」と思われるでしょう。
それができれば手っ取り早いのかもしれませんが、それはシステム的にできないことになっています。いろいろな理由があるのですが、一つには政府は民間銀行に口座を持っていないので、直接取り引きができないからです。したがって具体的な方法としては、公共事業などを発注しその支払代金として「政府小切手」という小切手を企業に渡します。企業はその小切手を持って銀行に行くと、口座に銀行からお金が振り込まれるという仕組みになっているのです。
つまり、政府が国内のお金を増やそうと思ったら公共事業を行うしかないということです。それによって初めて政府がお金を民間の市場に供給することができるのです。
公共事業を削れ!と言うのはデフレを脱却するな!と言っているのと同じ
ここまでの話をまとめると、“ある恐ろしい”ことが分かります。
それは
デフレはお金が不足している状況
↓
デフレを脱却するにはお金の供給量を増やさなくてはならない
↓
(デフレ下で)お金を増やせるのは政府だけ
↓
政府がお金を市場に供給するには公共事業をやるしかない
↓
結論
デフレを脱却するには政府が公共事業をやれ!
ということです。
「デフレ脱却」と「公共事業」はイコールなのです。
公共事業を減らせ! 公共事業は時代遅れ! 公共事業はやるな!と言う人は「デフレを脱却するな!」と言っているのと同じなのです。日本人のほとんどがそのことを理解していません。
もちろん公共事業と一言で言ってもいろいろな物があります。いわゆる道路工事もそうでしょうが、次世代通信規格の5Gへの投資、教育部門への投資、災害対策事業もすべて“公共に資する”のですから公共事業です。私も別に建設業界の人間ではありませんので(笑)、何に使っても構いません。ただ、何に使っても良いのですが、少なくともデフレという状況を脱するまでは政府はお金を使い続けろ! というだけです。
政府がそれをケチっている限り、どんな政策を打っても絶対に日本はデフレから脱却できません。絶対です。近代国家の財政システム自体がそういう構造になっているので、これはどうしようもないのです。
そしてデフレである以上は、われわれ国民の生活も苦しくなる一方です。しかし、国民のほとんどが「政府はお金を使うな!」の大合唱。それが実態です。
デフレとインフレ、その違いを理解している人は残念ながらほとんどいません。ましてやデフレとは何なのか?については、全くと言って良いほど理解されてないのが現実です。しかし、そのことが分かると、実は日本の景気が低迷し、私達の給料が増えない理由は、他でもない私達自身が「デフレを脱却するな!!」と叫び続けているからだということがわかってくるのです。この現実を一人でも多くの人が理解することが、私たちの生活が向上し、貧困の人たちが減り、社会格差を是正するために必要なのです。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
デフレ不況とは何なのか? インフレとは何が違うのか。
早いもので新しい令和の時代になってもうすぐ1年が経とうとしています。
去年の今頃は、平成が終わるなんてあまり実感がありませんでしたが、一年も経つと案外令和にも馴染んでしまい、「平成」という時代がすっかり過去になりつつあるように思います。
しかし、気分的に令和の時代が馴染んで来たとしても、相変わらず平成を引きずっているものがあります。それは「デフレ不況」です。ただ、あまりにも長く不況が続いてしまっているために、何だか「不況なのが普通」みたいな感覚になっている人が多いのではないかと思います。そこで今回はいまさらながら「デフレ不況とは何なのか?」について解説してみたいと思います。
[目次]
経済はインフレかデフレかのどちらかしかない
そもそも経済の状態というのは2つの状態しかありません。
一つはインフレ。もう一つはデフレです。
この名前自体は聞かれたことはあるかと思います。
さて、新聞とかでは「インフレは物価が上がる現象」「デフレは物価が下がる現象」と言われますが、半分正解で半分間違っています。
どちらも単純に物価が上がるとか、物価が下がるとかいう訳ではないのです。
あくまで「所得の上昇率に対して物価の上昇率がどうなのか?」です。
例えば、極端な話、物価が毎月10%上がっても所得が毎月20%上がるなら、インフレとは言わないのです。所得が物価以上に上がれば、額面上の値段が上がっていても実際の支払い能力からの比率で言えば下がってますからね。
一方、物価が毎月10%下がっても、給料が下がらなければ購入できる数は増える訳ですからデフレとは言いません。
「インフレかデフレか」はあくまで所得の上昇率(もしくは下降率)に対してどうなのか?という相対的なものなのです。
そして、物価や所得は常に変動します。
ですから、経済はインフレかデフレどちらかの状態しか基本的にはない。そう思ってもらってほとんど間違いありません。
※スタグフレーションとかいうのもありますが、話がややこしくなるのでとりあえず横に置きます。
じゃあ、インフレとデフレ、どっちが良いのでしょうか?
経済にとってどちらが好ましいか
それに答えるために、インフレとデフレで世界の状況がどう変わるかを考えてみましょう。
まずインフレの場合。
所得に対して物価が上がっていきますので、基本的に買いたい物は早く買っておいた方が得です。時間が経つほど高くなりますからね。
これは「貨幣の価値が下がる」ということです。「物の価値が上がる」と言った方がわかりやすいですね。どちらも言っている中身は同じです。
逆にデフレの場合。
所得に対して物価が下がっていきますので、基本的に買いたい物はすぐ買わずに値下がりを待ってから買った方が得です(売り切れなければ、ですが)。
これを経済学的に言うと「貨幣の価値が上がる」と言います。インフレとは逆に「物の価値が下がる」からです。
ということで、上記2つを比べるとわかるのは
・インフレだったら、お金は早く使った方が得。
貨幣の価値が下がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が減るからです。
・デフレだったら、お金は使わずに取っておいた方が得。
貨幣の価値が上がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が増えるからです。
ということです。
したがって、インフレだったらお金を持っておいても損するだけなので、さっさと使ってしまった方が良いです。例えば住宅ローンを組んだりするのも得です。今は3,000万円のローンを組めば買える物件が、5年後には4,000万円になっていたりしますから。
逆に、デフレの場合は色んな物の値段が下がっていきますから、使わずに貯蓄に走ります。現在の日本が正にそうです。
答えは?
ここまでを前提とした上で、「インフレとデフレ、どっちが良いのでしょうか?」。
答えはインフレです。
上で見たようにインフレの場合は個人や民間企業がどんどんお金を使うようになりますから、民間の投資も活発になり、皆さんの所得も増えます。
所得が安心して増えるようになれば、さらに皆お金を使うようになります。周りの人が使っていれば自分も使いたくなるのが人情ですし、何よりお金の価値が下がるので使った方が得だからです。
しかし、デフレの場合はお金を使わずに持っていた方が得ですので、皆使いません。
使わずにタンス(や銀行)に入れたままになっているお金が果たして景気を刺激するでしょうか?
するはずがありませんね。
タンスに入ってるお金は個人にとっては資産でも、国家経済にとってはただのほこりの被った紙切れです。
したがって、経済の循環を促すという意味ではインフレの方が好都合なのです。
ただ、もちろん現在のようなデフレによる不況だけでなく、インフレによる不況というのもあります。ですから、インフレなら何でも良いという訳ではありません。あくまでマイルドなインフレなら経済にとって好ましい、ということです。
ただこのようにデフレという物が悪いものだと書きましたが、これだけデフレが続くとある意味これが普通になってしまって、何が悪いのかが分からなくなってしまいます。
例えて言うなら、ずっと不況でボーナスが出なかったのでそれが当たり前になってしまった。それって本当はおかしいんだけど、ずっとそれが続くと慣れてしまって「今年はボーナスありません」って言われても驚かなくなった、みたいな感じでしょうか。
そこで次はなぜデフレを放置しておくと不味いのかを説明してしたいと思います!
今回も長文を最後までお読み頂き有り難うございました😆
新型肺炎というグローバル社会の申し子が世界を平等に襲う
世界中で猛威を奮っている新型コロナウィルス。
WHOの報告によると、2月2日時点で死者が361人を超え、感染者数も1万7000人を突破。日本でも感染者が20人に達した模様。
たまらず日本政府も中国からの入国を制限。すでに8人を入国拒否としたようです (春節で訪れた中国人観光客の数から考えれば少なすぎると思いますが・・・)。
ただ、不謹慎を承知であえて言わせて頂くとすると・・・
この程度でビビるくらいならグローバル社会なんか歓迎するんじゃない!!
です。
グローバル (Global)の意味とは何か?
グローバルという言葉は英語で書くと「Global」。
Globalの元である「Globe」とは「地球」という意味です。この世界を一体化したひとつの存在だとする世界の見方であり、グローバルというのは国の境目を失くして、ひとつにして行こうという考え方なのです。みなさんも何となくグローバルな社会というと「自由で、平等な、開かれた社会」だと考えているのではないでしょうか。
さて、およそ1980年代後半頃から世界ではこの「グローバル社会」という考え方が広がりました。そして、実際に国境が下がり、それぞれの国が無防備に繋がりました。
その結果どうなったでしょうか?
国際競争力を強くしなければならない!という号令の下、世界中の労働者が賃金競争にさらされたため、先進国の労働者ほど賃金が低下していきました 。「中国で作った方が安い。」「そうじゃないと売れない」と言われて、企業が中国に拠点を移していった結果、日本人の賃金が中国人の賃金とガチで勝負させられる状況に追い込まれたのは、みなさんご存知の通りです。
自由! 平等! のスローガンの下、すべての国民が“自分以外のすべての人”と競争し合う殺伐とした世の中になりました。
グローバル社会が拡大した病原菌が引き起こしたパニック
そして今年、満を持して新型コロナウィルスが国境を越えて、自由に世界を移動しはじめ世界中に拡散しています。どんな人種であろうとも“平等に”襲いかかったわけです。もちろん仮にグローバル社会になっていなかったとしても、このウィルスは広がっていたかもしれません。ですが、ここまで急速で広範囲な拡大にはならなかったはずです。もっと限定された感染に留めることができたでしょう。だからこそ、日本を含めて様々な国が中国からの渡航を禁じるという「国境を高くする政策」へと転換し始めたのです。
私はこの判断は正しいと思います。
自由で開かれた平等な社会 (=グローバル社会) への人類は進歩するんだ! などと口では言っていても、それはあくまで“トラブルのない平和な状況であれば”の話。実際にこのような事件が発生すれば世界の国々は自国民を守るために国境を引き上げるし、民間企業でさえも社員を守るために中国への渡航を禁止する。
また、市民レベルでも横浜から出港して日本各地と東南アジアを巡ったクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス号」に新型コロナウィルスの感染者が見付かったら、その乗客3,500人を陸地に下ろすことに猛烈な批判が浴びせられるような状況です。
本当にグローバルな社会が望ましいか?
しつこいようですが、本当に自由で平等な開かれた社会を目指すのであれば、感染者が入ってくる自由を妨げてはならないし、すべての人々が平等に新型肺炎にかかり“当事者意識を持って”この病気に立ち向かわなければならないのです。それが本当のグローバルな社会のはずなのです。
でも、そんな社会を本当に望みますか?
私は嫌です。絶対に嫌。
海外の国々とのつながりは持つべきだし、社会的にも文化的にも、あるいは科学と言った分野でも、そこから刺激を受けることは多いです。良い影響があるのは間違いありません。とは言え、それぞれの国の考え方は違うし、このような大規模なトラブルが起こったときに、世界中の国々が一致団結して臨むというのは現実的には難しい。どうしても他の国々との協調は図りながらも、結局はそれぞれの国が独自に判断し責任を持って行動するのが一番現実的なのです。
私は何も「鎖国時代に戻せ」とか言っている訳ではありません。
グローバルか?
鎖国か?
という二元論で考えるのはおかしい、他の選択肢もあるはずだと言っているだけです。
日本では昔、“国際化”という意味で「International (インターナショナル)」という言葉を使っていました。インターナショナルは「ナショナル (国家)」のつながり (インター)ですので、それぞれの国が自立して存在し責任を持った一国として行動する。そういった国々が様々な分野で、状況に応じたつながりを持って協力し合うという関係ですので、グローバルとは意味が全然違います。
グローバルよりもインターナショナル
確かに世界に何もトラブルが起きず、平和で秩序のある状態な何百年と確実に保証されるならグローバル社会を目指しても良いかもしれません。しかし、そんなことは現実にはありえません。誰かが悪意を持って行動しなくても、今回の新型肺炎のように突発的かつ大規模な事象が世界のどこかで発生する可能性は確実に存在するのです。そのような世界の中でグローバル社会という理想論を掲げて世界秩序を変更していくことがどれほど危険な行為であるのか? 今回の新型コロナウィルスの一件で、世界中の人々が痛感したのではないでしょうか。
世の中というのは不確実性に満ちあふれています。
今回のような病気もそうですし、自然災害などもそうです。
そのような不確実な社会で、少しでも人々が平和に安定して暮らせるような方策を講じる。それが私は国の責任だと思います。グローバル社会というものは、自由、平等という美辞麗句を材料にして、国家がその責任から逃げるための言い訳でしかありません。それぞれの国が自立して責任を持った行動をし、別の国に依存しすぎることなく状況や相手に応じてつながり方を模索していく。そんな「インターナショナル」な世界のあり方こそが今後重要になってくるのではないでしょうか。
今回も長文を最後までとお読み頂きありがとうございました😆
実はEUを離脱した英国よりも欧州の方が問題山積みだということ。
2020年1月31日。遂に英国がEUから離脱しました。
多くのメディアが「全米が泣いた!」・・・もとい(笑)、「世界秩序の終焉! 混乱の世界が待っている!」みたいなヒステリックな報道がされています。正直、こういう報道を見ると日本のメディアはやっぱりナイーブ (幼稚)だなという感想を抱きます。少なくとも私は英国のEU離脱は「英国がEUに加盟した時からの既定路線だった」と考えています。少なくとも選択肢の一つとしては十分想定できたと。
なぜそのように考えるのか。そしてこれから注目していくべきことについて考えてみたいと思います。
[目次]
なぜ英国は離脱したのか
最初に書いたように、日本の報道では英国のEU離脱は
「世界に逆行する動き」
「欧州統合という平和への夢が閉ざされた」
みたいな流れで報道されています。
例えば2月1日付けの日経新聞では「二度にわたる世界大戦を経た不戦の近いから出発して拡大を続けてきた欧州統合は、初めて加盟国を失う歴史的な転換点を迎えた。」と書かれていますが、このスタートの時点ですでに間違っています。
確かに世界大戦で膨大な被害が出たために、このような戦争を繰り返してはならないという思いがあったことは事実でしょう。しかし、それは「みんな戦争するのをやめようね」という子供っぽい理想主義的な“不戦の誓い”ではありません。そうではなく、「戦争を引き起こした原因を潰して、安定した世界秩序を構築する」という意味だったと考えるべきです。
EUの原点はドイツの封じ込め
そもそもEU (欧州連合)というのはその前身がEC (欧州共同体)という諸国連合でした。そのEC自体の発端となったのは1952年に設立されたECSC (欧州石炭鉄鋼共同体)です。多分学校の教科書で「なんか聞いたな〜」という記憶がある方もいらっしゃると思います。ですが、「世界大戦を経た不戦の誓い」というのだったらなぜ石炭と鉄鋼の共同体なのでしょうか?
よく分かりませんよね? なんで石炭? なんで鉄鋼?
これは元々第二次世界大戦に連なるドイツとフランスとの小競り合いの理由として、両国の国境付近にあるルール地方、ザール地方という地域でよく産出される石炭、鉄鋼の利権争いがあったからです。良質な石炭、鉄鋼が取れるためにドイツとフランスの揉め事になっていたのです。だから「この地方を共同管理することで揉め事が起きないようにしよう!」というが、このECSC設立の目的でした。つまりドイツに石炭とか鉄鋼をもたせるとロクなことにならないから、まずその火種をつぶすということですね。
ですから、EUの原点となった共同体はいわゆる「不戦の誓い」というような理想主義的なものではなく、現実主義的なドイツ封じ込め作戦だったわけです。EUというものを「欧州統合の夢」みたいなナイーブな語り方をする時点ですでに認識が誤っている、ということですね。
英国がEUに加盟した理由
ところがこのECSC、そしてそれに続くECには当初英国は加盟していませんでした。なぜならフランスの当時の大統領シャルル・ド・ゴールが大の英国嫌いで、英国のEC加盟を断じて許さなかったからです。結果的にはシャルル・ド・ゴールが亡くなった後に英国がECに加盟できることになりましたが。
ではなぜ英国は必死にECに入ろうとしたか?
これも実は第二次世界大戦に関係があります。
本筋ではないのでサラッと書いてしまいますが、第二次世界大戦によって東南アジアやアフリカなどにあった植民地が次々と独立してしまったことで、英国は以前持っていた巨大な市場を失ってしまいました。その代わりの市場確保が必須だったので、ECの市場が喉から手が出るほど欲しかった、というわけです。あくまで経済的利益の確保のため。別に世界秩序の安定だとか、不戦の誓いだとかはどうでも良かったのです (そこまで言うと言い過ぎかもしれませんが(笑))。
だからこそ自国の利益に反するような条約や取り決めは最初から拒否しています。
それが人の行き来を自由にするシェンゲン協定やお金の移動を自由にする単一通貨ユーロなどです。つまり英国はEC加盟当時から徹頭徹尾自国第一主義だったのです。それを今更「自分のことしか考えてない」「時代の流れに背を向けた方針転換」とか言われても、英国としては
だから最初からそう言ってるじゃねーかwww
何をいまさらwww
という感じでしょう。
10年もめても100年後に勝てば良い
この辺りの戦略性はさすがにかつての大英帝国の凄みを感じます。
特にユーロ導入を拒否したことは慧眼だと言わざるを得ません。もし単一通貨ユーロを導入していたら、そもそも離脱すること自体不可能だったでしょう。英国はEUに加盟する時点から「抜けようと思えば抜けられる」というシナリオのための一手は打っておいたと考えるのが自然。EU離脱は当初から英国の選択肢に含まれていたということです。
恐らくこれが日本だったら「他の国と足並みを乱す訳にはいかないから」といういわゆる”日本人的な同調圧力”に屈してやすやすとユーロを導入していたことでしょう。
もちろん、今回のEU離脱による影響を「大したことない」とまで言うつもりはありません。まだEUやアメリカ、その他の国々との貿易交渉もまとまっていません。また今回は詳しく書きませんが、アイルランドとの国境問題、スコットランド独立問題など課題は山積みです。しかし、“それだけ”です。
フランスの人類学者であるエマニュエル・トッドも指摘していますが、10年あるいは一世代 (30年)くらいは揉めるかもしれない。しかし、かと言ってアイルランドやスコットランドが“ドイツ帝国”であるEUに頭を下げるとは考えられない。揉め事は続くでしょうが、最終的にはうまく英国として自立していくでしょう。そこにはイギリスの「10年もめても100年後に勝てば良い」というような長期的な戦略性が見えます。
むしろ問題はヨーロッパ大陸の方でしょう。
今後の焦点はむしろ欧州大陸
英国という重しがなくなったことで、フランスとドイツの対立はより先鋭化します (というか、マクロン大統領では何ともならないのでドイツにしてやられるのは目に見えている)。また、今後は英国抜きで大国ロシアと真正面からぶつかっていかなければなりません。しかも、欧州はそのロシアにエネルギー資源を握られているので、まともな駆け引きはできそうにありません。さらにアメリカとの経済的・軍事的協力関係も後退。おおまけに隣の中東での紛争にも影響力が行使できないでいます。
これらの諸問題の解決を誰がどう主導していくの??というビジョンが全く見えないのです。 抜けた英国よりも残されたEUの方が課題山積みというのが現実です。
ここ3年ほどは英国離脱問題という大問題が目の前にあったので、とりあえずそれについて騒ぐことで、欧州の長期戦略ビジョンという根本的な課題に向き合わずに済んできました。ある意味英国がはけ口だったわけです。
しかし、英国が正式に離脱したことで、今後はEUはその根本的な課題に取り組まざるを得ません。果たしてこの大問題が一体どうなるのか・・・。離脱を決めた英国よりも、むしろ抜けられたEUの方こそが暗雲が垂れ込めており、その影響の方が日本にとっても無視できないものになるのではないでしょうか。
ちなみに、この現状に対して日経新聞の一面がどう締めくくっているかというと・・・
「いまは分断を修復する欧州流の強い意志に期待するしかない。」
だそうです。
駄目だこりゃwww
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
メンタリストDaigoの「超効率勉強法」を読んでみた。
「一所懸命本を読んだはずなのに、1週間経ったら内容を忘れてしまった。」
「勉強してもすぐに忘れてしまう。」
こんな経験は誰でもあるのではないでしょうか。
かく言う私もその一人です。
本を読むのは大好きなのですが、一度読んだだけだとなかなか覚えられず何度も読み返してしまうことがしょっちゅうです。
そんな私がついつい禁断の書に手を出してしまいました・・・。
それがこれです。
メンタリストDaigo著「最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法」
いや、まぁ、禁断の書は言いすぎかもしれませんが・・・私的にこういう“流行り物”に手を出すのは、ちょっと恥ずかしいというか、心の中で「こんな本をレジに持っていったら、会計してくれる人に“うわ、この人こんな本読まないといけないほど記憶力悪いんだww必死すぎww”とか思われるんじゃないかとか・・・アホみたいな葛藤があるわけです (笑)。
ただ、読んでみたらこれが結構面白い(笑)。そしてためになる。
という訳で、今回はこの本のご紹介をしてみようかと思います。
この本が勧めるのは「記憶定着法」
まず、この本のタイトルは「超効率勉強法」と書いてありますので、どういう風に“勉強する”のが効率が良いか?という本のように思われますが、ちょっと違う気がします。勉強する方法というより、勉強したことを
「効率的に記憶する方法」
「効率的に記憶を定着させる方法」
という感覚の方が近いと思います。効率的な覚え方、という感じですね。
たとえば、この本の第一章では「やってはいけない勉強法」ということで
1) 教科書にアンダーラインやハイライトをつける
2) 語呂合わせで覚える
3) テキストを要約する
4) 忘れる前に復習
などなど、7つの項目を挙げています。
ただ、これって全部学校や予備校などで教わる覚え方なんですよね (笑)。「大事なところには線引いとけ!」とか言われた経験は誰にでもあるでしょう。しかし、これもDaigoによれば「ハイライトをつけること自体は良いのだけど、それで脳が安心してしまうために結局記憶が定着しない」という弊害があるとのことです。
また、「忘れる前に復習しろ!」というのもよく聞きますが、これも実は忘れてから復習した方が効率よく記憶を定着させられるとのこと (ただ何事もタイミングがありますので、いつでも良いという訳ではない)。
具体的な方法は・・・・・本書を読んでください (笑)。
というのも、ここに書いてあることってそんなに難しい話じゃないからです。本当に誰でもすぐできる方法ばかり。ですので、ここで書いてしまうと「Daigoから訴えられるんじゃないか」という恐れがあります (笑)。それは冗談半分ですが、でもそれくらい簡単なのです。ただ、問題がひとつあるのです。
それは「やることは簡単だけど、身体に染み付くまでは根気と集中力が必要」ということです。
多分この本を読んだら多くの人が「そんな簡単なことか」と拍子抜けすると思います。でも、実際にやるとなると結構大変なのが分かると思います。恐らくここに書いてあることを全部やろうと思うとかなり厳しい。でも、一つか二つでも実践できたらかなり武器になると思います。
したがって、本気で学びたいと思っている人ならこの本はお勧めできます。逆にそうじゃないなら、立ち読みでパラパラとめくってちょっと考えた方が良いでしょう。
攻略本のような面白さで読みやすい
それとこの本をお勧めできる理由がもうひとつあります。それはDaigoの理論が整然としているので納得した上で取り組めるという点です。
この本ではある物事を記憶するということが、どのように人間の心理や脳の働き、そして身体と連動しているのかについて、様々な科学的な実証研究を元に分析が行われています。そして、そのような実証研究を基礎にして、どのような方法がもっとも効率的に記憶を定着させられるのかを具体的に紹介しているのです。
もっと平たく言うと、ある種のゲームの攻略本的な感じですね。
「このボスは、こっちがこういう攻撃をするとこういう反撃をしてくるな。」
「A系統の攻撃の後に、B系統の攻撃をすると与えるダメージが大きい・・・だとすると、A系統の攻撃とB系統の攻撃はコンボによるダメージ上乗せ効果があるのか。」
とか、現実の事象を分析し、仮設を立てて、それを検証し、その効果を探って攻略ルートを探す・・・そんな感じで効率の良い記憶定着法を導き出した。そんな感じです。
よくあるそういう攻略本的な面白さがあるのでとても読みやすいですし、スッと頭に入ってきます。また、分析やそこから導き出される結論 (=勉強法)がとても理にかなっているので、よくある「本にはそう書いてあるけど本当かよ・・・まぁ試してみるか」というような“半信半疑でトライする”こともなく納得した上で取り組めます。何事も実践する上では、この「納得してやる」ということは結構重要ですので、この点も高評価の要因です。
というわけで、今回はこちらの本のご紹介でした!
メンタリストDaigo著「最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法」
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆
5Gのメリットは? 知らぬ間に整備費用を負担させられる総務省の計画
去年、一昨年頃からにわかに注目を集めている「5G」。
「なんか凄い早いネット回線なんでしょ?」くらいしかご存知ない方がほとんどだと思いますが、そんな国民をよそに5Gの基盤整備費用をネット利用者から徴収しようと総務省が検討を始めたようです。
「総務省が、光ファイバー回線を全国的に維持するため、負担金制度の設置を検討していることが20日分かった。光回線は高速大容量の第5世代(5G)移動通信を支える重要な基盤となるが、離島や山間部などでは整備や保守が難しい。大手携帯会社を含む通信事業者から幅広く負担金を徴収して、基盤を維持する案などが浮上している。 」
「5Gって何? おいしいの?」と言っている間に早くもお金を徴収されようとしている・・・恐るべし総務省!!
お金が取れるところからは片っ端から取れ!!という考えなのでしょうが、この総務省のやり方はそもそも政府のやり方として間違っています。今回は5Gってそもそも何なのか?というおさらいをして、そのためのお金を国民から徴収しようという政府の考えがなぜ間違っているのかを解説してみたいと思います。
[目次]
5Gとは何か
では、まず「5Gって何なの?」というところから始めましょう。
5Gというのは皆さんが普段使っているパソコンやスマホのインターネット回線の通信規格のことです。「G」というのは「Generation (世代)」のG。つまり5Gというのは5世代目の通信規格ってこと。今の主流は「4G」ですので、第4世代ということです。
iPhoneが出始めの頃は3Gでネットにつなげてもしょっちゅう接続不良になったり、つながってもメチャクチャ読み込みが遅く、イライラした経験がある人も多いでしょう。4Gになってかなり速くなりましたが、5Gになるとそのスピードが圧倒的に速くなります。
5Gのウリ文句は
1) 超高速&大容量通信
2) 超低遅延通信
3) 多数同時接続
この3つです。
それぞれの意味をちょっと詳しく紹介すると
1) 超高速&大容量通信
ただでさえ速い4Gですが、5Gの速度はなんと4Gの10~20倍以上!!
2時間のHD画質動画を数秒でダウンロードできるらしいです!
2) 超低遅延通信
現状の4GだとHD動画などの重いデータを読み込むときに、時々止まったり、動きが遅くなったりすることがあると思います。あるいはFace Timeとかでネット通話の時に、微妙に会話にズレが生じたりします。それが5Gの場合はほぼ“0”になるようです。
3) 多数同時接続
家でスマホを観ている時と違って、街中での人が多い場所でスマホを使うと動きが遅くなる時がありますよね? あれば大勢の人が1つの基地局に集中してアクセスしているのが原因です。いくら元が優れていても、同時に多数が押し寄せるとさばききれないってことですね。でも、これが5Gになると同時接続可能数が4Gの100倍以上!!
街中だろうが、電車の中だろうが恐いものなし!
5Gによって可能になること
5Gが凄いのは分かった。
では、それで何ができるようになるのでしょうか?
ネット接続の環境が良くなること以外でよく言われているのは、IoT・・・いわゆる「モノのインターネット」ですね。あらゆる物がネットでつながり、遠隔操作が可能になると言われています。
もう少し詳しく具体的にみてましょう。
1) 医療技術への応用
たとえば医療機器をネットで接続し、遠隔地から手術を行えるような技術です。これはロボット技術開発との兼ね合いも重要ですので、5Gになったらすぐ実現という訳ではありませんが、それでも5Gの超高速通信、超低遅延通信によって技術的にはかなり実現に近づきます。
遠隔地 & 緊急の場合などに、現在では不可能な高度手術を遠隔で受けられるようになる可能性があるのです。
2) 自動運転
自動運転と言えばAI (人工知能)の分野だと思われていますが、大量に行き交う自動車の運行状況を絶え間なく把握し、AIによる迅速な操縦を可能にすることで、車の衝突を回避したり渋滞状況に合わせて的確なルート設定をすることができます。
3) 防犯 & 防災
日々の安全な生活は誰もが関心を持つことだと思います。これも例えばセコムやdocomoなどが「バーチャル警備員」というものを開発しています。ディスプレイに警備員を映像化し、周囲の警戒監視や来客への自動応答などを行うそうです。
また災害の際には現在よりもはるかに細かい地域や地区の状況をリアルタイムに観測し、避難指示や避難ルートの情報を提供できるようになります。しかもスマホを通して、一人ひとり個別に適した情報を、です。
この他にも農業分野への展開で考えれば、気象衛星からのリアルタイム情報をドローンやトラクターと連携させて遠隔操作を行ったり、台風や大雨などの災害規模を予測して素早い事前対策を行うなどといったことも可能でしょう。
例を挙げればキリがありませんがこのように5Gの活用とは「スマホが速くなるんだよね」程度に収まらない、私達の生活を根本的に変えていく可能性がある技術です。
インフラ費用を国民に押し付ける愚策
ここまでいくつか5G活用の具体例を挙げて来ましたが、ここから分かるのは
「5Gとはビジネス分野だけでなく、医療や防災など幅広い分野での生産性を飛躍的に向上させるものである」
ということです。
つまり、この技術の導入は広い意味での生産性向上のために国として絶対欠かせない事業なのです。先立って導入されるのは東京や大阪などの大都市、あるいは大勢の人が集まる巨大商業施設が予定されていますが、そう遠くない内に全国レベルで展開しなければなりません。むしろ国民生活の利便性や安全性の向上という意味では、地方の方がこの技術を必要とする局面は多いと思います。
・・・であればこそ。
そうならばこそ、このような巨大事業は国が責任を持って推進するべきです。
そして責任を持つということは「お金を出す」ということが必ず含まれます。民間のお金に頼っていれば、(民間なので当たり前ですが)必ずその企業にとって有利になるようにことが運びます。そしてそれは多くの場合、日本国民の利益とは合致しません。例えば先程このような技術は地方にこそ必要だと書きましたが、民間の論理で言えば「なぜそんな儲からない所に金を出さないといけないんだ? 地方なんてこれから疲弊する一方なんだから放っとけ」となっても仕方ありません。
そのような国民の利益に反するようなことにならないためにも、国がお金を出して、責任を持って主導しなければならないのです。
最終的にいくら国民から徴収するつもりなのかは分かりません。
現時点では「国民から数円ずつ」などと言っていますが、この類の話は必ず「5円が良いなら、10円でも良いだろ。10円でも良いなら100円でも良いだろ。100円でも良いなら・・・」という感じで値上がりします。消費税が3%、5%、8%、10%と上がったのと同じ手法です。
具体的な金額がいくらであろうとも関係ありません。値段の問題ではないのです。
国民から徴収するということになれば、必ず
「今の4Gでも十分。なんで5Gなんかのために金を出さないといけないのか」
「全国に展開しようとするんだから金がかかるんだろ。人口減少する一方の地方なんかほっとけ。」
という不満が出ます (というか、ネット上では既に噴出しているようですが)。
“国民のための技術”が論争の的になり、国民を分断する論点になる・・・こんな馬鹿馬鹿しい話があるでしょうか?
5G技術によって得られるモノやサービスは非常に優れたものであり、我々の生活を一変させる可能性があります。そのために必要なお金を国がチマチマけちっている場合ではないのです。
ちなみにこういう話になると必ず「日本は財政赤字だから」「無駄を削れ」ということを言い出す人が必ずいます。ですが、それは間違いです。日本が財政破綻するなどということはあり得ません。この点については下記の投稿でも取り上げましたので、よろしければこちらもどうぞご覧ください。
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😄