世界を救う読書

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”逃げ恥”スペシャルが超絶つまらなかった。※面白かった人は読まないでください。

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いつも硬い話題を取り扱う私としては珍しく、今回はテレビドラマについての話題を投稿します。

そのドラマとは・・・

 

国民的人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」!!

初回は2016年でしたが、それから毎年年末に全話再放送されるのが恒例となるほど異常な人気を見せる「逃げるは恥だが役に立つ」。

私は正直、新垣結衣はそこまで可愛いと思ったことはない。

星野源もどっちかって言うと好きではないタイプ。

そんな二人がダブル主演とあって私も最初の3話くらいは見逃してました・・・が、妻の勧めてチラッと観てみると、これがすっごい面白い。完全にハマってしまいまして、再放送の度に全話見ている有様です。

 

そんな「逃げ恥大ファン」の私ですが・・・・正直今回のスペシャル版は「正直イマイチ。」いや、むしろ「やらない方が良かった」と思いました(笑)。期待が大きかっただけに、「なんじゃこりゃ?」というがっかり感が半端なかった。正確に言うと

 

(以下ネタバレ注意)

 

みくりの出産までは、まぁ結構面白かったんですよ。

でも、その後の「コロナ編??」みたいなのになると、もう駄目。全然駄目。もはや登場人物が同じなだけの完全に別のドラマ。

出産までで終わらせて逃げ切れば良かったのに(笑)。

なんでこんなことになった???

 

という訳で、今回は逃げ恥スペシャルの何がつまらなかったのか。

ファンの視点から考察してみたいと思います。

※あくまで個人の主観です!(笑)

そもそも「逃げ恥」の何が面白かったのか?

ドラマ「逃げ恥」の面白さの要因はいくつもあると思いますが、代表的な物を挙げると

 

1) 登場人物の誰もがすごい能力が高いのだけど、"どこか抜けてる”愛らしさがある

2) 話の展開のテンポ感 (緩急のつけ具合)

3) シリアスとコミカルと絶妙なバランス

 

といった所ではないでしょうか。

まず1番目の「キャラの愛らしさ」。

主人公の津崎平匡 (星野源) & 森山みくり (新垣結衣) コンビは言うに及ばず、石田ゆり子古田新太、藤井 隆、富田靖子など、脇役も「しっかりしてるんだけど、ちょっと抜けてる」愛らしさがとても魅力的。

みんなすごく能力が高いんだけど、そのちょっと抜けてる所が本当に身近にいそうな親近感を与えてくれて、どのキャラにも愛着が湧いてきます。

 

次に「話のテンポ感」。

基本的にほのぼのしたキャラ & 話題が多いので、全体的にゆったりとした展開なのですが、会わせちゃいけない人が鉢合わせになったり、逆に会わせたいのに絶妙にすれ違うといった展開によって、ところどころ緊張感を持たせて視聴者をハラハラさせる。このテンポ感が絶妙!

 

そしてもうひとつが「シリアスなテーマをコミカルに描くバランス感」。

「コミュ障」「リストラ」「就職難民」など、非常に現実的な社会問題に翻弄される人間模様を描きながらも、ところどころでお笑い的演出(懐かしのテレビ番組をモチーフにしたをネタ)や主人公二人のぶっ飛んだ妄想ネタを仕込んだりすることで、シリアスさと面白さのバランスを保っていたところです。

だからこそ「基本笑えるんだけど、単純なバカ騒ぎじゃなくて親身になって考えさせられるリアリティがある」番組になっていた。それが魅力だったと思うのです。

 

 

それが今回の特番ではどうだったのか?

「キャラの愛らしさ」という意味では、従来通りの面白さをしっかり保っていたと思います。

「こだわりどころ、そこかよ!」「素直に言っちゃえば良いのに・・・もどかしい!」みたいなツッコミどころ満載のキャラのボケっぷりは相変わらず。

 

問題はそれ以外。

・とにかく話のテンポが悪い!(特に後半)

・シリアスの比重が大きくなりすぎて、コミカルさとのバランスが崩壊している!

 この2点がもう致命的でした。

そして、この二つの根幹にあるのが「社会問題の提起が多すぎる」という点です。

 

逆にLGBTを馬鹿にしたネタ作り

前半にみくり(新垣結衣)の叔母である「ゆりちゃん (石田ゆり子)」に突然子宮がんが発覚。に「女性らしい美しさ」「一人で生きていくことで難しさと格好良さ」を貫こうとする女性の前に、年齢から来る現実が容赦なく襲い掛かる・・・・これ自体は良いのです。こういうリアルな部分をしっかり描くことが、この作品の魅力だと思いますし。

ただ、ここでなぜか突然「LGBT」の話題が絡んでくるのが意味不明 (子宮がんの診断を受ける時に、高校時代同級生だったLGBTの新キャラが突然出現して、「昔あなたのことが好きだった」とか言い始める)。

私はLGBTの話題が駄目だったというつもりはありません。

自分の周りにも実際そういう人がいますし、別にそれがおかしいと思ったこともないです。

ただ、突然新キャラを出してまで無理やり突っ込む意味があったとはとても思えない。あまりにも不自然すぎる。その上、ゆりちゃんの子宮がん摘出手術が終わったら、もう完全に「あの設定なかったことで」みたいにガン無視。一度も新キャラ出てこない・・・。

 

もし本当にLGBTを入れるのであれば、ちゃんと最後まで向き合うべきだったと思う。それがあんな中途半端な形で入れられると、逆に「とりあえず時代の流れ的にLGBTネタ仕込んでおけば良いでしょ」みたいなLGBTを馬鹿にしているようにしか思えません。

やるならやるで、ちゃんと最後まで回収すべきだったのではないでしょうか。

 

一切回収できなかったコロナ禍ネタ

そして、後半突然仕込まれたコロナ禍ネタも最悪でした。

前半から「2019年XX月XX日」みたいなカウントが始まっていたところから、嫌な予感がしていたのですが、2020年になるといきなりコロナで生活が激変!みたいな急激な展開。

しかも、これがコロナ禍で主人公がひたすら翻弄されるだけで、主体性がまったくない。主人公なのに物語を動かせずにオロオロするだけとか・・・これは何の話なんですかね。

しかも、最後はコロナ禍が終息したという設定なのか、引き離された主人公二人が突然マンションの前で「おかえり」とか言って抱き合うシーン。

ん??コロナはどうなった?

二人は何をどう乗り越えて、この抱き合うシーンに至ったのだ?

途中

「男が”子育て”と向き合うとは、どういう現実があるのか?」

「夫と妻が家族になる上で、男としての責任、女としての責任に対して、現代人はどう向き合っていくべきなのか?」

といった非常に重要な問いかけがあったはずですが、それらは全くなかったかのように未回収。

コロナで全部ぐちゃぐちゃになっちゃったから、話の設定もめちゃくちゃになっても仕方ないでしょ?っていうことなんでしょうか。あまりにも風呂敷のまとめ方がめちゃくちゃで話が崩壊していたとしか思えません。

 

なこんな酷い展開になったのか

という訳で、逃げ恥ファンの私としては今回のスペシャルはもう完全に期待を裏切られたという感想です。

これだったら「その後が知りたいという視聴者の要望なんて無視して、そのまま逃げ切って欲しかった」(笑)。

 

なぜこんなことになってしまったんでしょうか。

これは私の勝手な推測ですが、「色んなネタを突っ込みすぎた。しかも後付けで。」ということではないかと思います。

上の方でも書きましたが、ひどかったのは後半で前半はそれなりに面白かったんですよ。ゆりちゃんが子宮がんになるのも、その後がしっかり回収されればちゃんと成立していたはず。

平匡とみくりに子供ができて、それに対し父親が「男としての責任にちゃんと向き合わないといかん」と迫るシーン、そしてそれを受けて平匡がその責任に苦しむ流れなんかは、ちゃんと最後まで描ききればとても良いテーマになったはずです。

 

恐らく当初はそのような「平匡とみくりという普通じゃない夫婦が、子を授かることで自分たちなりの家庭を築いていくための葛藤」をしっかり描いていく話だったのではないでしょうか。

それが「視聴率優先」で”LGBTネタ”を無理やり突っ込み、「コロナ禍ネタ」を突っ込み、”ガンバレ人類”などという訳の分からないサブタイトルをつけて無理やり体裁を整えた。そんな”視聴率優先の後付け、無理やり、全部ぶち込み作戦”が、「逃げ恥」という物語を崩壊させたのではないかと思います。

 

という訳で、私としては最悪だった逃げ恥スペシャルでした。

逃げ恥ファンの私としては非常に残念でした (それなりには面白かったですけど、期待値が高かったので・・・)。

是非次は今回回収できなかった伏線を回収した「完全版ファイナル」を制作してほしい!

それが一ファンとしての切なる願いです!!

 

今回も長文を最後までお読みいただきありがとうございました!m(__)m

 

 

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